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ミッキーとプルートの関係のように仲良しな2人にほっこりする『ウォレスとグルミット』(短編3本一挙上映)

【個人的な満足度】

「午前十時の映画祭12」で面白かった順位:17/23
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★★★
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:Wallace and Gromit
  製作年:1989年(チーズ・ホリデー)、1993年(ペンギンに気をつけろ!)、1995年(危機一髪!)
  製作国:イギリス
   配給:シネカノン
 上映時間:24分(チーズ・ホリデー)、30分(ペンギンに気をつけろ!)、30分(危機一髪!)
 ジャンル:クレイアニメ、コメディ
元ネタなど:なし

【あらすじ】

『ウォレスとグルミット/チーズ・ホリデー』
週末の旅行を考えていたウォレスとグルミットは、大好物のチーズで出来たお月様へ行くことに決定。早速ロケットを作って出発するが…。

『ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!』
ウォレス家に下宿するペンギンのフェザー・マッグロウは指名手配犯だった。宝石を盗むため、マッグロウは博物館に忍び込むが…。

『ウォレスとグルミット 危機一髪!』
新たなメカで窓ふきサービスを始めたウォレスだったが、お客さんである毛糸屋のウェンドレンに恋してしまい…。

【感想】

「午前十時の映画祭12」にて。1989年~1995年に製作されたイギリスのクレイアニメ映画です。今回は3本の短編がまるっと上映されています。「午前十時の映画祭」って基本は実写映画だったので、これがラインナップされていることはちょっと意外でした。ちなみに、映画館で観る映画は今年はこれが最後になります。

<ウォレスとグルミット/チーズ・ホリデー>

前回の『空の大怪獣ラドン』(1956)で日本のミニチュア技術の高さに驚きましたが、今回のクレイアニメもすごいです。コミカルかつ滑らかな動きと、背景や小道具含めて細かいところまで作り込まれていて楽しいですね。

この『チーズ・ホリデー』については、設定がかなりツッコミどころ満載です(笑)家にチーズがないから、チーズで出来た月に行くっていうんですから。「いや、スーパーで買えよ」って思いました。で、月に行くためのロケットも手作り。手先が器用なんてもんじゃないですよ。さらに、月に行ったら行ったで、謎のロボットがいるんですよ。なぜか地球の硬貨を入れると一定時間動くんですけど(笑)そのロボット、セリフが一切ないんですけど、動きで感情が読み取れるのがかわいいんですよね。ディズニーの短編アニメみたいなノリで個人的には好きでした。

<ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!>

同じクレイアニメってことでピングーでも出てくるのかと思ったら、つぶらな瞳の無表情なペンギンが出てきました。こちらは、ウォレスが少しでも収入を増やそうと、空いている部屋を貸しに出したのが事の発端ですね。そこにやってきたペンギンがなんと指名手配犯という設定なんですけど、頭がいいんですよ。ウォレスの開発したロボットを改造して、博物館のダイアモンドを盗もうと画策します。このペンギンもまた無表情なのに、動きだけで感情が読み取れるコミカルさがよかったです(笑)

終盤、家の中でおもちゃの機関車に乗って戦うシーンがあるんだけど、ここが一番の見どころですね。あのスピード感をよくクレイアニメで表現できるなと感心すると同時に、グルミットが走行中の機関車に乗りながら、その前に素早くレールを敷いて道を作っていく姿がメチャクチャ笑えますから(笑)

<ウォレスとグルミット 危機一髪!>

これは他の2作とはちょっと世界観が異なりましたね。ウォレスが窓ふきサービスとして訪れた客先の女性に恋をするところから物語は始まります。ところが、彼女には人に言えない秘密があるんですよ。このロマンス、どうやって展開していくのかと思いきや、この物語の肝は、彼女の飼っている犬にありました。その犬にも大きな秘密があって、これが終盤のクライマックスに繋がっていきます。後半のカーチェイスからの羊毛刈り取り機のシーンなんかはかなりスリリングで楽しめました。先の『ペンギンに気をつけろ!』のおもちゃの機関車のシーンもそうでしたけど、よくクレイアニメであそこまで表現できるなと。この作品だけ、SFチックな世界観とアクションシーンがあって、牧歌的なイメージのある『ウォレスとグルミット』とはいい意味で違ったのがギャップになりました。

あと、ひつじのショーンがここで初登場するんですよ。そもそも、ショーンがこの『ウォレスとグルミット』からの派生キャラクターってのも初めて知ったんですけど(笑)

<そんなわけで>

全体的に、昔のディズニーの短編アニメっぽいノリで、クレイアニメの技術力もさることながら、短い尺でしっかりオチをつけてくる構成力もすごいです。クレイアニメって今も昔も変わらないので、年月を経ても古い感じがしないのもいいですよね。子供と観たい作品でした。


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