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主人公を取り巻くマイペース過ぎる人々が面白い『天空の結婚式』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:11/29
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】

ヒューマンドラマ
LGBT
同性婚
ミュージカル

【あらすじ】

役者としてベルリンに暮らすアントニオ(クリスティアーノ・カッカモ)は、恋人で役者仲間のパオロ(サルヴァトーレ・エルポジト)に、"人生を一緒に歩んでいくならこの人"と確信し、遂にプロポーズ。

2人は結婚を決意するが、問題は互いの親の理解を得ること。

パオロはゲイであることをカミングアウトして以来、母親と疎遠になっている。一方、アントニオはイタリアで村長を務める父と母に、カミングアウトと同時に結婚の意志を伝えに行こうとするが―。

【感想】

クスッとした笑いが散りばめられた陽気な映画で面白い映画でした、これ!最近、LGBT映画メッチャ多くないですか?ただ、どれもけっこうシリアスというか真面目なものが多いですよね。その中で笑いがメインの本作は観やすくて、どんな人でも楽しめると思います。

両親に対するゲイのカミングアウトと結婚の承諾という流れはオーソドックスですが、この映画の一番面白いところは、メイン2人を取り巻く脇役のマイペースさなんです(笑)

まず、メインの2人と新しく同居(ルームシェア?)しに来たドナート(ディーノ・アッブレーッシャ)。彼が内見しに来たタイミングで、アントニオたちが帰省することを知るのですが、ひとりじゃ寂しくて何かやらかしてしまうかもしれないということで留守番を断り、帰省に同行してしまいます(笑)当然、アントニオの家族とは最も関係ない赤の他人。それなのに、ずぶとすぎる神経の持ち主で、一番まわりに気を遣わないキャラで、さらには女装が趣味というぶっ飛んだ役柄ですw

アントニオとパオロの家主であるベネデッタ(ディアナ・デル・ブーファロ)という女性も曲者です。彼女も帰省に同行するも、ヴィーガンという理由で出された食事には一切手をつけず、隙あらば勝手に歌をうたい出すという、これもまた空気を読まないキャラなんですよねw

そして、アントニオの元カノであるカミッラ(ベアトリーチェ・アルネラ)は、別れたにも関わらず、アントニオにしつこく付きまとい、結婚を阻止しようとするメンヘラ極まりない人ですw

そんな彼らに加えて、村の村長であるアントニオの父親は、村の人口減少を止めるため、村をオープンな雰囲気にしてあらゆる人種を受け入れようとするも、自分の息子の同性婚には賛成できないという立場を取り、母親だけは唯一結婚を認めるも、条件をいろいろ突きつけるという、まさに前途多難すぎる環境。

それらを面白おかしくまとめつつ、ラスト5分のまさかの終わり方が個人的にはツボすぎて、とても幸せな気分になれる映画でした。明るいラブコメを観たいならオススメです!

ちなみに、僕は山羊と会話する修道士さんが一番好きでした(笑)

同性婚も前よりは認められつつあるのかなと思いましたが、やはり頭ではわかっていてもいざ自分の身内で起こると戸惑うものなんでしょうか。特に、この映画のように田舎に住む親世代とかには。


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