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【ネタバレあり】なぜクロエ・グレース・モレッツが?!ミッションがインポッシブルすぎる今年最大級のB級映画『シャドウ・イン・クラウド』

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:47/57
   ストーリー:★★☆☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【ジャンル】

サスペンス
スリラー
アクション

【元になった出来事や原作・過去作など】

なし

【あらすじ】

第二次世界大戦中の1943年。空軍の女性大尉モード・ギャレット(クロエ・グレース・モレッツ)が、フールズ・エランド号と命名されたB-17爆撃機に乗り込んだ。上官からの密命を帯びたモードの任務は、極秘の最高機密をニュージーランドからサモアへ運ぶこと。

オール男性の乗組員たちから卑猥な言葉を浴びせられながらも、ひたむきにミッションを遂行しようとするモードだったが、銃座の窓から機の右翼にまとわりつく大空の魔物グレムリンを目撃。やがてグレムリンに機器を破壊され、日本軍のゼロ戦の奇襲も受けたフールズ・エランド号は、制御不能のパニックに陥っていく。

果たしてモードは、この絶体絶命の危機を生き抜くことができるのか。そして、ある重大な秘密を隠し持つ彼女が、この機に乗った本当の理由とは……。

【感想】

久しぶりにツッコミどころ満載のB級映画って感じで、個人的には"ある意味"とてもオススメしたいですね。ジャンルとしてはサスペンスやスリラーに分類されながらも、あまりの「ありえなさ」に会場は失笑の嵐。ネタバレせずに感想書けたらいいんですけど、いろいろツッコミたいんで、もう全部ネタバレしちゃいますね。なので、知りたくないよって方はここでページをそっ閉じしていただければと思います。

<いや、グレムリンって何なんだ>

グレムリンと言えば、1984年に同名の映画があって、小さい頃の僕は大好きでしたけど。元はイギリスに伝わる妖精の一種で、主に機械に悪戯をすることで有名らしいんですね。で、今回それが出てきます。別にファンタジーの設定とかじゃないんですけど、突如現れます。そいつが戦闘機を壊す壊す。もはや何でどうやって現れたとか説明なし!とにかく"いる"んだと。

<いや、ゼロ戦って何なんだ>

そんなグレムリンに襲われる恐怖がありつつ、この作品の舞台は第二次世界大戦中。なので、日本軍のゼロ戦からの奇襲も受けます。「こんなところに日本軍がいるわけない」って、戦闘機のクルーたちは文句言うんですけど、現実に来ちゃってますからね。なんでいるのかはわかりませんが、とにかく"いる"んだと。グレムリンとゼロ戦、2つから攻撃を受けるという無理ゲーな状況です。

<いや、クルーの態度の変わりようが何なんだ>

主人公のモードは決して開けることが許されない荷物を機内に持ち込んでいます。「これがグレムリンに狙われる理由なんじゃないか」と疑ったクルーたちが開けてみると、、、その中に入っていたのは、なんと赤ちゃんでした。しかも、母親はモード、父親はその戦闘機に乗っているクルーの一人。今の生活を捨ててサモアに逃げようと、2人は身分や事情を隠して乗り込んでいたってわけなんですね。まあそこはいろいろあるんだろうなってことで渋々納得はできるんですけど、それがわかった途端、それまで散々モードに対してえげつないセクハラ発言ばかりしてた他のクルーたちが、いきなり「赤ちゃんを守れ!」と手の平返し。その優しさ、もっと前々から見せてやれよって(笑)

<いや、モードの強さが何なんだ>

モードはWAAF(婦人補助空軍)という実在した組織の所属で、輸送機パイロットなんですよ。なのに、機関銃の操作には慣れっこでゼロ戦は撃退するし、グレムリンに奪われて戦闘機の外に連れ去られた赤ちゃんも、彼女が機体に張り付きながら無事に奪還します。ここで彼女は手がすべって戦闘機から落ちちゃうんですが、他のクルーが撃墜したゼロ戦の爆発の衝撃でふわっと浮いて、再び戦闘機の中に押し戻される。普通爆発に巻き込まれたら死ぬと思うんですけどね(笑)まさか爆風でまた飛び上がって来るなんて、ここだけアニメのような設定で笑いました。

機体の損傷も激しく、最後は地上へ不時着するんですが、グレムリンも満身創痍で追いかけてくるんですよ。それをモードがフルボッコにしてて。その間、生き残った男たちはただ静かに傍観するのみ。いや、助けろしって思うんですけど、とにかくモードの並外れた強さが際立ってましたね。

<いや、終わり方が何なんだ>

で、グレムリンをボコボコにした後で、お腹をすかせた赤ちゃんに授乳して終わりです。まさかの授乳エンドですよ。赤ちゃんをかごに詰めて、戦闘機に乗り込んで、敵機やグレムリンと壮絶なバトルを繰り広げて、最後は血だらけになりながら授乳って。思いもよらなすぎる展開ですよね。監督、これ作るのメチャクチャ楽しかっただろうなーって思いました(笑)

<本作のまさかすぎるメッセージ>

ここまでツッコミどころ満載な展開でしたが、なんとこの映画にはきちんとしたメッセージがあります。それは「これからは女性の時代」的なものでした。エンドクレジットに映し出される女性兵士たち。彼女らの力強さを称え、これからの女性の活躍を期待するような、いかにも感溢れる演出なんですけど、そのメッセージを伝えるためにこの映画なの?って感じはしましたね(笑)でもこの作品の監督、女性なんですよ。男性がこれ作ったら「舐めてんの?」って言われそうですけど、同じ女性が作っているとなると、うまく自分の趣味と女性の未来を掛け合わせたなとも捉えられます。

<そんなわけで>

そんなわけで、思わず吹き出してしまうほどのびっくり仰天な設定が、この映画の最大の魅力です。いろんな要素を詰め込みすぎかつ都合のよすぎる展開ではあるんですが、ポップコーンムービー(ポップコーンを片手に気楽に鑑賞できるような映画)として、批評家たちからの評判はいいらしいですね。僕も映画としての評価は低いですが、この手の作品は嫌いじゃないです。また別の魅力があるんですよね、こういうB級映画って。平均的な邦画と違って、洋画はこういう上にも下にも振り切ってる作品があるから好きです。怖いもの観たさで観に行くの、全然アリですよ!(笑)


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