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2024年のパリ五輪のために取り壊しが決まった団地を守るために抵抗を続ける少年を描いた『GAGARINE/ガガーリン』

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:47/52
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】

ヒューマンドラマ

【原作・過去作、元になった出来事】

・住宅
 ガガーリン団地(1963-)

【あらすじ】

パリ東郊に位置する赤レンガの大規模公営住宅"ガガーリン"。この場所で育った16歳のユーリ(アルセニ・バティリ)は、部屋の天体望遠鏡から空を観察し、宇宙飛行士になることを夢見ていた。

老朽化と2024年のパリ五輪のために取り壊す計画が上がった団地では、次々と住人の退去が進むが、ユーリは返らぬ母との大切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友達のフサーム(ジャミル・マクレイヴン)とディアナ(リナ・クードリ)といっしょに取り壊しを阻止しようと動き出す。

自由で明るいディアナに恋心を抱き、彼女やフサームとの触れ合いの中で、不器用ながらも少しずつ成長していくユーリ。消えゆく世界に留まりたい、団地から抜け出して夢を追いかけたい気持ちとの間で揺れるユーリは、団地解体の刻が迫る中、空っぽになった無人の住宅を大好きな宇宙船に改造して守ることを決意する。

【感想】

タイトルから宇宙に関する映画かなと思うんだけど、まったく違いましたね(笑)住む場所を追われる主人公の些細な抵抗を描いた話です。

<ユーリの守りたかったもの>

今回舞台となる団地自体は実在しているもので、ソビエトの宇宙飛行士、故ユーリイ・ガガーリンの名前にちなんでつけられたそうです。この団地、老朽化とパリ五輪のために取り壊すが決まったとのことで、東京五輪における都営霞ヶ丘アパートみたいな位置づけでしょうか。

取り壊しを阻止すべく、ユーリがひとり団地の電球を交換したり、壁を綺麗にしたりと、その健気さが印象的でしたね。なぜ彼がそこまでするかと言えば、ここを追い出されたら他に行くところがなくなってしまうのと、何よりも母親との思い出が詰まった場所だからです。その母親は、別の男と出て行ってしまったんですけど。でもユーリは母親の帰りを待ち続けています。何度も携帯電話に連絡をしては、留守電にメッセージを残しますから。そんな母親との唯一の繋がりを感じられるものが、この団地だったわけですね。

<ほぼ一人の孤独な戦い>

とはいえ、その動機がそこまで強く描かれているわけではないんですよ。観ていて何となくそうなのかなって感じる程度で。なので、彼はいつまでこの些細な抵抗を続けるんだろうなーと、やや冷めた目で見てしまいましたが(笑)フサームやディアナは彼の味方ではあるものの、彼らが具体的に何かをしているかと言うと、、、団地を修理するための資材を運んだぐらい、、、?他の住民はほぼ誰も協力していません。みんな運命をただただ受け入れるのみでしたね。まあ、ユーリ自身も他に協力を仰ごうとはしていなかったってのもあるんですけど。だから、これってユーリがほぼ一人でがんばっているようなものなので、ちょっと可哀想は気持ちにもなりました。

<そんなわけで>

正直、個人的にはストーリーもキャラクターもやや薄いかなっていう印象があって、あまりハマれませんでした。予告からもわかる通り、アートや雰囲気寄りの映画なので、好みは分かれると思います。画は綺麗だったんですけど。


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