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結婚式の"あるある"と"ないない"を織り交ぜたウェディングコメディ『ウェディング・ハイ』

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:34/42
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【ジャンル】

コメディ

【原作・過去作、元になった出来事】

なし

【あらすじ】

結婚式、それは新郎新婦にとって人生最大のイベント!プランナーの中越(篠原涼子)に支えられ、新郎・彰人(中村倫也)と新婦・遥(関水渚)も幸せな式を迎える、はずだった…。

しかし、スピーチに命を懸ける上司・財津(高橋克実)をはじめ、クセ者参列者たちの熱すぎる想いが大暴走!式はとんでもない方向へ…!?中越は披露宴スタッフと共に、数々の問題を解決しようと奔走するが、さらに新婦の元カレ・裕也(岩田剛典)や、謎の男・澤田(向井理)も現れて…。

果たして、“絶対にNOと言わない”ウェディングプランナーは、すべての難題をクリアし、2人に最高の結婚式を贈ることが出来るのか――!?

【感想】

結婚式にまつわるあれやこれやを面白おかしく仕立て上げた映画でした。いろんな登場人物が出てきてわちゃわちゃする、邦画の王道コメディのような形ですね。結婚式を挙げたことある人、参加したことある人なら、なおさら楽しめるお話だと思います。

<面白くなるのは後半から>

始めに言っちゃいます。正直、個人的には前半はあんまり面白くはなかったです(笑)結婚式にまつわるあるある(夫が乗り気じゃないとか、誰を呼ぶか悩ましいとか)がメインなんですよ。過去に何回も結婚式に参加したことがある人なら、耳にタコができるぐらい聞く話です。なんで始めにこれを言ったかというと、ここが退屈でこの映画全体がつまらなかったと思ってほしくないからです。なので、前半はけっこう長くてダラダラ進みますが、ここは耐えどころです(笑)隣に座っている人なんか、いびきをかいて寝てしまってましたけど(笑)

この映画が面白くなってくるのは後半、実際に式が始まってからです!プロフィールムービーや新郎上司によるスピーチ、新婦上司による乾杯の挨拶など、お決まりのパターンからスタート。で、ここが今回の騒動のすべてのきっかけなんですよね。お願いされた人たちが「自己実現の場」と言わんばかりに、TPOをガン無視したパフォーマンスをぶちかましたことで、式は思わぬ方向へ。こういうのに命を懸けちゃう人がいるのもわかりますし、かといって「それはやりすぎだろ」っていうありえなさのバランスがよかったです(笑)

<ウェディングプランナーの神がかった手腕>

致命的な状況に陥った事態を収拾するのが、ウェディングプランナーである中越の腕の見せ所でした。これがまた秀逸なんですよね。誰も傷つけず、何も失わず、新郎新婦の希望をしっかり取り入れて、まわりの人までも笑顔にした彼女のマネジメントには圧巻ですよ。まあ、実際ああいう事態になったら、何とかするマニュアルはあるんでしょうけど、それにしてもすごい。もちろん現実には劇中で起こったようなことはできないと思いますけど、ここがこの映画で一番楽しめるところです。個人的には、コメントムービーの作成を担った相馬(中尾明慶)の編集力に驚きました。僕もムービーは作ったことありますけど、まさかああいうやり方があるとは(笑)

あと、この映画で徹底してるなって思ったのが、中越を演じた篠原涼子の立ち位置です。個性的で目立つキャラクターかと思いきや、逆に全然目立ってなくて。むしろ存在感は薄かったです。ウェディングプランナーとして一歩引いた立場から、主役である新郎新婦を立てるっていうポジションを貫いているんだと思いましたね。

<終盤はファンサービスみたいなもの>

ラスト30分はあんまり本編とは関係ないんですが、小学生が喜びそうなまさかすぎるオチに驚きました。個人的には好きですが、、、岩田剛典のファンはどう見るんでしょうか(笑)もしかしたら、ちょっと好みが分かれるかもしれませんね。となると、この映画、実際に多くの人が面白いと感じるのは、中越の手腕が発揮される真ん中30分ぐらいだけかもしれません。

<そんなわけで>

結婚式に参加していればしているほど、この映画における式の"あるある"と"ないない"のバランスのよさがわかると思います。ちょっと登場人物が多すぎて、全体的にキャラクターが薄くなってしまったのと、前半がやや退屈だった部分は否めませんが、内容的には楽しい映画だと思いました。


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