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最強悪魔とのガチンコバトル!14年間、1日平均約14回も悪魔祓いをし続けた実在の神父が題材となっている『ヴァチカンのエクソシスト』


【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:57/106
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★★☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★☆

【作品情報】

   原題:The Pope's Exorcist
  製作年:2023年
  製作国:アメリカ・イギリス・スペイン合作
   配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
 上映時間:103分
 ジャンル:ホラー
元ネタなど:回顧録『An Exorcist Tells His Story』(1990)
      回顧録『An Exorcist: More Stories』(1992)

【あらすじ】

1987年7月――サン・セバスチャン修道院。アモルト神父(ラッセル・クロウ)はローマ教皇(フランコ・ネロ)から直接依頼を受け、憑依されたある少年の《悪魔祓い》(エクソシズム)に向かう――。

少年の変わり果てた姿。絶対に知りえないアモルト自身の過去を話す彼を見て、これは病気ではなく“悪魔”の仕業だと確信。若き相棒のトマース神父(ダニエル・ゾヴァット)と共に本格的な調査に乗り出したアモルトは、ある古い記録に辿り着く。

中世ヨーロッパでカトリック教会が異端者の摘発と処罰のために行っていた宗教裁判。その修道院の地下に眠る邪悪な魂――。

すべてが一つに繋がったとき、ヴァチカンの命運を握る、凄惨なエクソシズムが始まる――。

【感想】

ラッセル・クロウのホラー初主演映画。。まさかこんなにも悪魔とのガチンコバトルが繰り広げられるなんて、ちょっと意外な内容でした。

<あの有名映画とは無関係>

タイトルに"エクソシスト"が入っていますが、あの有名な『エクソシスト』(1973)とは無関係です。実在した神父ガブリエーレ・アモルト(1925-2016)を主人公にしたまったく別の物語なんですよ。ちなみに、『エクソシスト』はディレクターズカット版が「午前十時の映画祭13」にて9月に上映されるだけでなく、新たな三部作が10月以降に公開されるようなので、興味のある方は頭の片隅にでも入れておくといいかもしれません。

<主人公のモデルになった人が悪魔祓いしすぎな件>

で、このガブリエーレ・アモルトって神父が実際にはとんでもない人なんですよ。生涯で7万回も悪魔祓いをしたというんですから。海外のウィキペディアを見ると、1986年にエクソシストに任命され、1990年に国際エクソシスト協会を設立し、2000年に引退するまで会長を務めていたそう。だから、その14年の間に7万回もの悪魔祓いをしたと仮定して計算すると、1日平均約14回もやってるわけですね。「そんな悪魔祓いの需要あるの?」とか「そもそも悪魔なんていなくない?」とかって疑問もあるんですが、まあ、世の中には科学では解明できない不思議な現象はありますし、悪魔祓いつっても内容はピンキリだろうから、どこまで正確かはわかりません(笑)ただ、映画の中においてはそんな実績はまったく本編とは関係がないです。そもそも、主人公は実在した人物だけど、お話自体はフィクションですからね。

<悪魔 vs 神父の命懸けの戦い>

この映画で一番面白かったのは、やっぱり悪魔と神父との壮絶な戦いですよ。少年に悪魔が憑依したってんでそのお祓いに向かうアモルト神父でうsが、この悪魔がメッチャ強くて。幻覚は見せるし、サイコキネシスは使うし、一度に複数の人間に憑依できるし、もういきなりラスボス並みの強さなんです。そんな悪魔とガチで戦う神父2人ですが、終盤はアクション映画かってぐらい派手な戦いに興奮しました。

映画って尺の関係でゲームや漫画のように主人公たちが徐々にレベルアップしていく過程は描けないですからね、相手がどんなに強くても今持っている力で対処するしかないんですが、すんごいギリギリのところで戦っている姿に観ているこっちがハラハラしました。「本当に勝てるの?」って。

<神父といえども普通の人間>

その2人の神父が実に人間らしいっていうのも、この映画の魅力です。聖職者って神様に仕える立場だから、さぞできた人間なんだろうなと思いがちなんですけど、ゆーても超人でもなんでもなく、ただの人間ですからね、2人ともそれぞれやましいというか、知られざる過去があって。そこを悪魔が傷口に塩を塗り込むかのようにネチネチ責め続けて精神的にダメージを与えるんですよ。さすが悪魔っていうだけあって、やることが陰気だなって思いましたけど(笑)悪魔を倒さねばならないのに、心に引っかかる暗い過去に飲み込まれそうになるっていう設定は、人間そんなに強くないよっていうふうに感じられて共感しやすかったです。

<そんなわけで>

ホラー映画ということで夏にひんやりできる内容かというとちょっと毛色が違いますが、これはこれで面白かったです。話の流れ的にもこのまま続編作れそうな勢いではあるので、ぜひ検討していただきたいですね(笑)


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