【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位：118/147
　　ストーリー：★★★☆☆
　キャラクター：★★★★☆
　　　　　映像：★★★☆☆
　　　　　音楽：★★★☆☆
映画館で観たい：★★★☆☆

【作品情報】

　　　原題：Operation Fortune: Ruse de guerre
　　製作年：2023年
　　製作国：イギリス・アメリカ合作
　　　配給：キノフィルムズ
　上映時間：114分
　ジャンル：アクション
元ネタなど：なし

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
英国諜報局MI6御用達の敏腕エージェント、オーソン・フォーチュン（ジェイソン・ステイサム）に下された新たなミッション。それは、100億ドルで闇取引されるとてつもなくヤバいブツ＝"ハンドル"を追跡・回収すること。

フォーチュンはMI6のコーディネーター・ネイサン（ケイリー・エルウィス）や、クセ強の天才ハッカー・サラ（オーブリー・プラザ）、新米スナイパーのJJ（バグジー・マローン）という即席チームを率いて行動を開始する。能天気ハリウッドスターのダニー（ジョシュ・ハートネット）を無理矢理任務に巻き込み、武器商人グレッグ（ヒュー・グラント）に大胆不敵に接近。

次第に明らかになっていく巨大な陰謀を、フォーチュンたちは阻止できるのか？そして、"ハンドル"の正体とは！？

【感想】

ガイ・リッチー監督とジェイソン・ステイサムのタッグ映画もついに5作目に。僕は映画を観るときは、キャストよりもストーリーや世界観で選ぶことが多いんですが、その中でもジェイソン・ステイサムは数少ない「役者で選んで」観る人のひとりです。こんなに強くてかっこいいハゲ、彼とドウェイン・ジョンソンぐらいですもんね。もはや"ジャケ買い"に近いものがあります（笑）

＜人類最強ハゲの強さがハンパない＞

ジェイソン・ステイサムが大暴れするっていう点では満足できる映画だと思います。技のキレが違うよねっていうぐらいアクションがかっこいいんですよ。パンチひとつとっても、スピードだけでなくパワーもあるなっていうのが一目でわかるぐらいには、攻撃のヒット時のインパクトに重厚感がありますから。撮り方がうまいんでしょうね。当然、敵なんてほぼ全員ザコってぐらい戦闘力に差がありすぎて、ただジェイソン・ステイサムを強く見せるためだけのモブ的な存在になっていました（笑）

＜ツッコミどころの多い設定＞

ジェイソン・ステイサムを観るだけならいいんですが、これをひとつの映画として捉えてしまうと、正直そこまで面白くはないかなって感じました（笑）ストーリーの点では、敵の陰謀を阻止するっていうオーソドックスなものですけど、そのキーアイテムとなる"ハンドル"が何なのか、後半になるまでわからないんですよね。ゆえに、危険を冒してまで任務を遂行する動機が伝わってこないんですよ。まあ、エージェントなんてね、言われた任務を素直にこなしていればいいってのはあるかもしれませんが、そういうのって『ミッション：インポッシブル』シリーズぐらい面白さの保証がないと、なかなか厳しいんじゃないですかねえ。

さらに、フォーチュンたちを妨害するマイク（ピーター・フェルディナンド）っていうキャラクターがいるんですが、フォーチュンと同僚っぽい感じなのに、今回は別の人に雇われているらしく敵対関係にあるんですよ。マイクがMI6に所属しているのかはわかりませんが、そんな簡単に別で雇われていいのかっていう疑問がありました。フリーの傭兵とかっていうならまだ納得はできるんですけどね。

あと、フォーチュン以外のキャラクターの扱いの雑さも気になりました。彼のチームメイトもそれなりに特殊スキルを持っているはずなんですが、その見せ場があんまりなくてですね、ほとんどバリューの発揮どころがなかったんですよ。ハッカーのサラは自身のスキルというよりガジェットに頼ってばかりでしたし、ヒロインという割にはロマンスもなく全体的に地味な印象で。スナイパーのJJはそもそも狙撃のシーンがほとんどなく、フォーチュンのサポートまわりを担うことが多かったですね。極めつけは、90年代～2000年代に大活躍していたヒュー・グラントとジョシュ・ハートネットの小物感です（笑）「もっといい役あるだろ」ってぐらいには脇役感が強くて、すごくもったいない使われ方をしていました。

＜そんなわけで＞

これはもうジェイソン・ステイサムをみんなでわっしょいする映画ですね。彼の強さとかっこよさを堪能することに振り切っていて、それ以外の見どころがないっていう点では、『キャッシュトラック』（2021）と同じかもしれません。そもそも、ジェイソン・ステイサム以外で知名度があるキャストってヒュー・グラントしかいないんじゃないんでしょうか。そういう意味でも、ジェイソン・ステイサムのファン以外には面白さを見出しづらいかもしれません（笑）