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【ネタバレあり】信念を曲げられなかった男たちの代償の大きすぎる大喧嘩『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』

【個人的な満足度】

  ストーリー:★×20
 キャラクター:★×20
     映像:★×20
     音楽:★★★★★
映画館で観たい:★×20

【作品情報】

   原題:Captain America: Civil War
  製作年:2016年
  製作国:アメリカ
   配給:ディズニー
 上映時間:148分
 ジャンル:アクション、スーパーヒーロー
元ネタなど:マーベル・シネマティック・ユニバース

【あらすじ】

人類の平和を守るためのアベンジャーズによる戦いは、全世界に拡大。多くを救う反面、その人的・物的被害は膨大なものになり、ついにアベンジャーズは国際的な政府組織の管理下に置かれる事態に。一般市民を危険にさらしたという、罪の意識を持つアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)と、自らの行動は自らが決めるべきという信念のキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)は、異なる見解を持つ。

彼らの対立が生み出す一触即発の緊張の中、壮絶なテロ事件が発生。犯人として、キャプテン・アメリカのかつての親友ウィンター・ソルジャーことバッキー(セバスチャン・スタン)が指名手配された。

“過去”を共にした無二の親友か、未来を共にするはずのアイアンマンら仲間との友情か。ふたつの絆で揺れるキャプテン・アメリカの決断は、最強チーム<アベンジャーズ>を二つに引き裂く“禁断の戦い”を告げるものとなるのだった…。

【感想】

マーベル・シネマティック・ユニバース第13作目。『キャプテン・アメリカ』シリーズ第3作目。フェーズ3最初の作品ですね。来週上映される『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』に向けてのトリビュート上映として、6年ぶりに映画館で鑑賞しました。いやー、やっぱりメチャクチャ面白いですね、これ。

<スーパーヒーローに課せられた重圧>

この映画の一番の見どころは、これまでいっしょに戦ってきたアベンジャーズの面々による仲間割れですよ。事の発端は、スカーレット・ウィッチことワンダ(エリザベス・オルセン)が、ブラック・ラムロウ(フランク・グリロ)を追う過程で、ワカンダ人を11人犠牲にしてしまったこと。もともと水面下では動いていたのかもしれませんが、関係ない一般市民が巻き添えになったことで、かつてのニューヨークやソコヴィアでも多くの人が犠牲になったことも踏まえ、アベンジャーズの強大な力を国連の管理下に置こうという動きが出てきました。多くのスーパーヒーロー映画では、正義が悪を倒して終わりという流れが多いですが、あれだけ大きな戦いをして、人的・物的被害がないわけないんですよ。「大いなる力には、大いなる責任が伴う」じゃないですけど、スーパーヒーローだからといって何でもアリじゃない、きちんとルールを作るべきだというところに焦点を当てたのはとても興味深いですよね。

<分かれる意見>

割と好き放題やるアイアンマンなら、その提案を退けそうなんですけど、意外と彼は受け入れるんですよね、国連での管理を。遅かれ早かれそうなるのであれば、後で押しつけられるよりは、早いとこ受け入れた方が揉めないだろうと。ある意味ビジネスマン的な判断ともいえますが。一方で、キャップが断固として拒否するんですよ。自由が利かなくなるのはよくないと。本来なら真っ先に承諾しそうな人なのに。ただ、彼は『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)で国に裏切られる形となったから、誰も信じられなくなっているってのも大きいんじゃないかなと。だから今回だって、国に従っても必ずしも正義のためになるとは思えないんでしょう。

これ、どっちが正しいとかないんですよね。僕の中では、気持ち的にはキャップ寄りだけど、まわりのことも考えたらアイアンマンの意見も理解できます。優柔不断な感じになってしまいますが、どちらの主張も理解できる分、とてつもない悩ましさを残す内容だと思いました。

<豪華すぎる大喧嘩>

そこからは、アイアンマン側とキャップ側に分かれての大喧嘩ですよ。ワカンダ人が亡くなったことで、今作からブラックパンサー(チャドウィック・ボーズマン)も初登場。さらに、スパイダーマン(トム・ホランド)も出てきて、アベンジャーズ勢ぞろいという構図にメチャクチャ興奮しました。みんながみんな自分の特技を活かして、ボコボコに殴り合うのはかっこよかったですよ。

しかもこの映画、"キャプテン・アメリカ"の名を冠しているから、あくまでも主軸は彼。だから、テロ事件の容疑者として親友のバッキーが出てきて、彼を捕まえる立場のキャップが、逆に彼の手助けをしてしまうという事情もあって。終盤では、そのバッキーがアイアンマンの両親を殺した真犯人ということもわかり、アイアンマンはさらにキャップとの溝を深めてしまうんですよね。アイアンマンとキャップのタイマンはすごく寂しい気持ちにもなりました。

そんな中で明かされる真の黒幕。ソコヴィアの兵士で、アベンジャーズによって家族が犠牲になったジモ(ダニエル・ブリュール)。力では彼らに太刀打ちできないと悟った彼は、アベンジャーズを殺し合わせて内部崩壊させようと目論んだんです。すべては彼の復讐劇だったというオチも、アベンジャーズの強大すぎる力が生んだ悲劇と考えるとやるせない気持ちになります。

<今観ると思うところが多すぎる作品>

それにしても、今この映画を観ると、いろいろ感慨深いというか、「二度と戻らないあの日々」っていう懐かしさを感じるんですよ。アイアンマンは生きていますし。ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)も生きていますし。キャップも現役で戦っていますし。スパイダーマンはみんなに忘れられていませんし。ワンダも闇落ちしていません。みんな、、、元気に生きていて。。。なんか泣きそうになりました。。。

<そんなわけで>

スーパーヒーローが背負うべき重圧と、それに伴う内部分裂が印象的な映画。お互い譲れない信念をかけて仲間同士で争う構図は、テーマとしてもすごく面白いのでぜひ観てほしいです。


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