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マイケル・ダグラス×高倉健!しかも悪役が松田優作!豪華キャストすぎる日米の夢の共演!映画史上最も洋画と邦画がうまく融合しているんじゃないかと思った『ブラック・レイン』

【個人的な満足度】

「午前十時の映画祭13」で面白かった順位:4/19
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★☆
     音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

   原題:Black Rain
  製作年:1989年
  製作国:アメリカ
   配給:UIP
 上映時間:125分
 ジャンル:アクション
元ネタなど:なし

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
NY市警のニック(マイケル・ダグラス)と相棒のチャーリー(アンディ・ガルシア)は、凶悪事件の犯人・佐藤(松田優作)を逮捕し、大阪まで護送してきた。だが、受け渡し直前に佐藤は逃亡。

汚名返上のため、二人は府警の松本刑事(高倉健)の監視下、菅井親分(若山富三郎)がトップに君臨する大阪暗黒街への捜査を開始する。ニックと松本は事あるごとに対立するが、事件の背景に偽札製造を巡る組織内の暗闘があることを突き止める。

【感想】

※以下、敬称略。
午前十時の映画祭13」にて。1989年のアメリカ映画。松田優作の遺作となった作品でもあります。これメチャクチャ面白かったですよ!!いやもうこんなに日米がうまく嚙み合っている映画、他にそうそうないんじゃないかってぐらい!!

<見事なまでのハリウッドと日本の融合>

ストーリーとしては、日米の刑事がヤクザを追うというオーソドックスなものなんですけど、これはとても衝撃的な映画でしたね。なぜなら、ハリウッド映画ながらも、その中身はハリウッドと日本の合作と言っていいんじゃないかってぐらい日本勢の存在感が強かったからです。今までそれなりにいろんな映画を観てきてますが、ハリウッド映画に日本人の役者が出るときって、「お邪魔させていただいている」ってぐらい扱いが小さく、おまけ程度に感じることが多いんですよ。まあ最近は、真田広之なんかがアクション映画において目立ってきてはいますけど、それでも”アメリカの中”という範疇を超えることはないですよね。ところが、これは舞台が大阪かつ、日本人のメインキャストが高倉健と松田優作というレジェンド級のメンツだったこともあってか、もはやリドリー・スコットが撮った邦画なんじゃないかと思うほど、ハリウッドと日本がうまく融合していました。やっぱり、キャストやエキストラ、街並みを含めて、どこの国かってのは大きいかもしれませんね。もしこれで舞台がアメリカだったら、また違った感じ方をしたかもわかりません。

<後にも先にもなさそうな豪華キャスト>

現代においてもハリウッド映画に日本人が出ることは少なくありません。先に書いた真田広之と、あとは渡辺謙もよく出ていますよね。でも、定期的に出ているのはそのお二方ぐらいでしょうか。この映画では、日本人が高倉健と松田優作(脇役でガッツ石松や安岡力也なんかも出ていますが)で、アメリカ側がマイケル・ダグラスとアンディ・ガルシア。こんな豪華な顔ぶれ、後にも先にもないんじゃないかって思いましたよ。よくキャスティングができましたよねね。ちなみに、マイケル・ダグラスを自分がちゃんと認知したのがマーベルの『アントマン』シリーズからなので、ちょっとおじいちゃんになってからなんですよね。それが若い頃はこんなにワイルドでかっこよかったなんて、、、!

そして、実は僕、松田優作が動いているの初めてちゃんと観たんですけど、メチャクチャ渋いし、手足長いしですごくかっこいいですね。。。この映画の公開時、今の僕とほぼ同い年なんですけど、、、いやあ、、、同じ人間でごめんなさい(笑)本作の撮影時には、すでに癌であったそうなんですが、本人はそれを隠して撮影に臨み、これが遺作となってしまったんですよね。。。もしまだ生きていたら、その後もハリウッド映画にたくさん出ていたんじゃないかなあ。

<松本刑事のキャラクターはビジネスマンとして見習いたい>

あと、この映画で秀逸だったのがキャラクターの描き方です。お役所的な仕事の進め方で融通が利かない日本側と、個人主義でスピーディーに事を進めようとするアメリカ側の対立。その中で、アメリカ側の立場を理解しつつ、日本のルールを守ってもらうよう毅然とした態度で接し、かつ全編英語で会話する松本刑事には感激しました。日本人らしくチーム主義で和を重んじるタイプなので、そこをわかってもらうよう話しはするんですけど、かといってアメリカ側をぞんざいに扱うことなく、彼らのやり方も尊重するようにうまくコミュニケーションしていく彼の姿は、ビジネスマンとして見習いたいと思いましたね。いや、すごいですよ、全員を立てる彼のやり方。それを高倉健が演じてるんですから、この方の下で働きたいと思いましたね。そんな彼がチャーリー役のアンディ・ガルシアとクラブで歌をうたうシーンはなかなかシュールな画でしたけど(笑)

<当時の日本での撮影事情がなかなかにハード>

余談ですが、当時から日本は映画撮影に非協力的で、本来は新宿の歌舞伎町でロケを行いたかったのが許可が下りず、大阪になったそうです。ところが、その大阪でも規制が多くてうまく撮影ができず、親日家であるリドリー・スコット監督も「二度と日本では映画を撮らねぇ!」と激怒したとか。結果、「日本は規制が多くて撮影できない」という悪評がハリウッドに広まってしまったらしいんですよね。あれから35年近く経ちますが、あんまり変わっていないような気はします(笑)

<そんなわけで>

日米の大御所俳優が夢の共演を果たした最高の和洋折衷映画なのでオススメしたいです!ここまで日本とハリウッドが共存できている作品、そうはないんじゃないかなって思いますね。もっと日本でもハリウッド映画の撮影をしてもらいたいな~。


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