【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位：15/42
　　ストーリー：★★★★★
　キャラクター：★★★★★
　　　　　映像：★★★★★
　　　　　音楽：★★★★☆
映画館で観たい：★★★★★

【作品情報】

　　　原題：Puss in Boots: The Last Wish
　　製作年：2022年
　　製作国：アメリカ
　　　配給：東宝東和、ギャガ
　上映時間：104分
　ジャンル：CGアニメーション、アクション、アドベンチャー
元ネタなど：映画『シュレック』シリーズ（2001-）

【あらすじ】

愛くるしいモフモフにして、心はワイルドでダンディ、しかも剣を持てばキレッキレのスゴ腕の、長ぐつをはいたネコ：プス。剣を片手に数々の冒険をし、恋もした。

でも、気づいたら、9つあった命はラスト1つに。急に怖くなり、レジェンドの看板を下ろして家ネコになることにしたが、「賞金首」であるプスを刺客たちは放ってはおかない。

そんなとき、どんな願い事も叶う「願い星」の存在を聞き、再奮起。命のストックを求める旅の道中、プスが出会ったのは、ネコに変装したイヌ・ワンコと、かつて結婚も考えた気まずい元カノ・キティ。プスを狙う賞金稼ぎや、「願い星」の噂を聞きつけた手強い奴らもモチロンやってきて、前途多難な予感しかない。やれやれ、次死んだら、ホントに終わりなのに。

果たして、プスを待ち受ける［うっかり死ねない］大冒険の運命とは──！

【感想】

『長ぐつをはいたネコ』シリーズ第2作目。前作がそこまでハマる内容ではなかったんですが、今作は興奮と感動のバランスがよくて、想像以上に面白かったです！

＜元ネタは大昔の寓話ではなく『シュレック』＞

今回の主人公である"長ぐつをはいたネコ"って、シャルル・ペローが1697年に出版した寓話集に収録されたものが一番有名らしいですね。で、観たことある方もいるかもしれませんが、東映でも昔アニメをやっているんですよね。今でも東映の過去のアニメ作品を観たりすると、冒頭のロゴのところに出てきたりします。でも、今回の映画、というよりこのドリームワークスで扱うネコはそれらとはまったく関係なく、『シュレック2』（2004）に初登場したキャラクター、プスによるスピンオフ作品です。実は、キャラクターデザインがあまり好きではなかったので、これまで『シュレック』シリーズはスルーしてました。で、今回この映画を観るためにイチから全部観たんですけど、、、まさかの今回の映画が一番面白かったっていうね。

＜アクションシーンにとにかく興奮＞

今回の映画で何が一番面白かったかといえば、それはアクションシーンに他なりません。特に、冒頭の巨人との戦いはカメラワークが最高にかっこよかったです。『進撃の巨人』（2009-2021）のように、プスが立体機動装置で戦うかの如く、縦横無尽にピュンピュン飛び回ってて。もともと『シュレック』シリーズってコメディに寄った話で、あんまり戦いに軸を置いた話じゃなかったんですよ。だから、プスも腕が立つとは言われていたものの、そこまで目立った活躍があったわけでもなく。それが、今回は冒頭で巨人との、終盤でラスボスとのド派手バトルを繰り広げるもんだから、あのかわいい姿とのギャップに悶絶しました。おなじみの"目ウルウル"もあって、プスファンにはたまらない映画じゃないかと。

ちなみに、このキャラクターのモチーフは怪傑ゾロだそうで。これ、プスの声優をやっているアントニオ・バンデラスが『マスク・オブ・ゾロ』（1998）とその続編の『レジェンド・オブ・ゾロ』（2005）で演じた役なんですよ。だから、ある意味運命的な配役とも言えますね！

＜ストーリーはオーソドックスながらも感動的＞

アクションだけじゃなくて、ストーリーもよかったですよ！あらすじにも書きましたが、プスは9つあった命が気づいたら残り1つとなってて、いきなりいろんなことにビビっちゃうんですよ。次何かあったら死んじゃいますから。そんなときに「願い星」という、願えば何でも叶えてくれる星の噂を聞き、再び9つの命をもらおうと画策します。「願い星」を狙う他勢力と三つ巴の状況になる展開も面白んですが、プスが本当に願いたかったことや、実はそれが身近にあったんじゃないかっていう流れは感動的でしたね。まあ、大切なことほすぐ側にあるっていうのは王道中の王道ですけど、その分わかりやすくて誰にでも楽しめる形なのもいいですよね。

＜そんなわけで＞

テンポもいいですし、尺も短めですし、大人でも子供でも楽しめる間口の広さもありますし、総じていい映画だったと思います。前作にはなかった『シュレック』シリーズとの絡みもあって、過去作を観てきた人にはうれしい演出だったのもポイント高いです！