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『ONE PIECE』を使ったAdoのミュージックビデオ感が強い『ONE PIECE FILM RED』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:26/119
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★★★
     音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

  製作年:2022年
  製作国:日本
   配給:東宝
 上映時間:115分
 ジャンル:アクション
元ネタなど:漫画『ONE PIECE』(1997-)

【あらすじ】

世界で最も愛されている歌手、ウタ。素性を隠したまま発信するその歌声は“別次元”と評されていた。

そんな彼女が初めて公の前に姿を現すライブが開催される。色めき立つ海賊たち、目を光らせる海軍、そして何も知らずにただ彼女の歌声を楽しみにして来たルフィ率いる麦わらの一味。ありとあらゆるウタファンが会場を埋め尽くす中、今まさに全世界待望の歌声が響き渡ろうとしていた。

物語は、彼女が“シャンクスの娘”という衝撃の事実から動き出す。「世界を歌で幸せにしたい」とただ願い、ステージに立つウタ。ウタの過去を知る謎の人物・ゴードン、そして垣間見えるシャンクスの影。

音楽の島・エレジアで再会したルフィとウタの出会いは12年前のフーシャ村へと遡る。

【感想】

劇場版『ONE PIECE』第15作目。『FILM』シリーズ第4作目。原作連載25周年記念作品。

漫画を全部読んでいなくても楽しめましたのでご安心を。僕も「ドレスローザ編」以降、原作漫画がストップしてしまっている身ですが、特に問題はなかったです。強いて言えば、ビッグ・マム一味が誰?ってのと、コビーって大佐になったんだってぐらいですかね(笑)でも、総じて面白かったですし、最後ちょっと泣きました。ただ、個人的にはハマる部分とハマらない部分でムラがありましたかねぇ。

<基本的にはAdoのミュージックビデオ>

今回、シャンクスの娘という超絶サラブレッドな人物が登場します。それがウタ。映画オリジナルのキャラクターですね。彼女の歌唱パートにAdoが起用されたってのがこの映画のウリですよね。なので、歌のシーンが多いんだろうなとは思っていたんですが、予想以上でした(笑)前半に関しては、もうほとんどAdoです。正直、「これ別にワンピじゃなくてよくね?」ってぐらいに歌の連続で、もはや『ONE PIECE』を使ったAdoのミュージックビデオ状態でしたね。いや、Adoを使った『ONE PIECE』の新境地とも言えそうです。お互いがお互いに客寄せパンダになっている印象はありました。Adoは今の若い子には大人気ということですから、「もう自分はお客さんじゃないんだろうなー」というちょっと寂しい感じはしましたね。連載開始時から漫画を読んでいる身としては、『ONE PIECE』であって『ONE PIECE』でないような気分とでも言いましょうか。僕としてはあんまり刺さらなかったですね。。。

<終盤の怒涛のバトルは大興奮>

で、そのウタが意外な役どころで、彼女の野望を阻止するのが今回のルフィ達の使命です。ネタバレになるのであまり言えませんが、ただ歌うだけじゃないんですよ、彼女。「楽しいことだけをしよう」っていう彼女の主張とそれに対する様々な反応。夏休みの子供たちに向けたメッセージも込められている感じがしましたね。

そんな彼女を含めた大乱闘が物語の後半で徐々に始まっていくんですが、ここは従来の『ONE PIECE』って感じで楽しめました。ド派手な映像と絶妙なカメラワークがかっこよくて!ただ、あまりにも速すぎてちょっと何が映ってるのかわかりづらい部分もありましたけど(笑)赤髪海賊団の面々も勢ぞろいで、久しぶりに『ONE PIECE』に触れる人でもエモさを感じられるのはよかったです。個人的には、後半部分でこの映画もったようなもんかなって思います。とはいえ、戦いの“設定”自体は『ONE PIECE』っぽくなくて、何か別のアニメを観ているようだったんですよ。精神世界とかなんとか。ちょっと悪魔の実の能力から逸脱しているというか、『ONE PIECE』の世界観から逸脱しているような。。。ここはあんまりしっくりこなかったところです。

<シャンクスが出た意味>

ひとつ気になるのは、なんでこのタイミングでシャンクスを出したんだろうかってことです。冒頭にも書いた通り、「ドレスローザ編」以降の話を知らないので、今の原作漫画ではシャンクスがどういう立ち位置なのかを知らないから何とも言えないのですが、、、ここにきてこんな大物出すかっていうのには驚きました。そもそも、ウタもシャンクスの娘じゃなくてもいい気もするんですよね。原作漫画に引き継がれないでしょうし。本編を観ればわかるんですが、ちょっと後付け感あるなーって(笑)シャンクスが出てくるのは、ウタがシャンクスの娘だからなんですけど、そもそもウタがシャンクスの娘でなくてはならない理由が弱いので、そうなるとシャンクス自体出さなくてもよかったんじゃないかなって思います。もっとメインストーリーに絡む話なら別ですけど。ちなみに、僕はシャンクス好きですよ?好きですけど、今回の物語は良くも悪くも『ONE PIECE』っぽくないと感じたので、この内容をワンピでやる必要があったのかなあとも思います。んー、これは僕の勝手な妄想ですが、原作漫画が最終章に突入したことを踏まえて、重要人物のシャンクスをここで出し、休眠ユーザーを引き戻そうという狙いもあったりするのかなーって。確かに、久しぶりにシャンクスの姿を目の当たりにして、もう一度漫画読もうかなとは思いましたから。

<そんなわけで>

まあ、いろいろ書きましたけど、何だかんだで面白いっちゃ面白いので『ONE PIECE』好きやAdo好きな人は観てもいいと思います。やっぱり、シャンクスの存在感はハンパねぇっすから。


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