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毒親から自由を得たい美少女が招く悲劇を描いたフィンランド産ホラー『ハッチング -孵化-』

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:49/64
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】

ホラー

【元になった出来事や原作・過去作など】

なし

【あらすじ】

北欧フィンランド。12歳の少女ティンヤ(シーリ・ソラリンナ)は、完璧で幸せな自分の家族の動画を世界へ発信することに夢中な母親を喜ばせるために、すべてを我慢して新体操の大会優勝を目指す日々を送っていた。

ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つける。家族に秘密にしながら、その卵を自分のベッドで温めるティンヤ。

やがて卵は大きくなりはじめ、ついには孵化する。卵から生まれた"それ"は、幸福な家族の仮面を剥ぎ取っていく…。

【感想】

これ、今カルト的な人気を誇っていますよね。今日観に行ったら、館内はほぼ満席でした。フィンランド産ってだけでめずらしい感じがするけど、内容としてはいわゆるクリーチャー系のホラー映画です。なので、そういうのに慣れていないと、だいぶショッキングな映像かもしれません。

<怖さよりも汚さ>

ホラーではあるんですが、スプラッターではないので、血が出るシーンはそんなに多くないです。なんですけど、けっこう汚いんですよ。"それ"のよだれ?が顔についたり、"それ"の食事シーンがひどかったりで。。。これ下手したらもらい〇〇しちゃいそうで。。。そもそもこの手の映画を観に行くぐらいの人なら耐性はあるかと思いますけど、そうじゃない人は注意してください(笑)

<"自由"を主軸にしたストーリーは興味深い>

そんなショッキングな映像ではあるんですが、ストーリー的にはなかなか秀逸だと思いました。ポイントは"自由"です。ティンヤは自分の願望を押し殺して、世間体だけを気にする母親のためだけに生きているようなものです。母親にとってティンヤはあくまでも自分のステータスを上げるためだけの存在に過ぎません。ティンヤは口には出さないまでも、心の中では自由を欲しているんですよ。それが拾ってきた卵の中身に反映されたんじゃないかなって思います。だから、あんな形をしていたんじゃないかと。もちろん、冒頭で死んだ鳥の側にあった卵なので、単純にその鳥の卵っていうこともあるかもしれません。でも、現実離れしてあんなに大きくなった上で、あんなものが生まれてくるってことは、やはりティンヤの想いを受け継いだってことなんじゃないでしょうか。

<人によって受け取り方が変わりそうなラスト>

孵化した"それ"は、徐々にその姿を変えていき、衝撃の結末に繋がっていきます。ラストは完全に観客に判断を委ねる形でしたね。"それ"の変態によって、ティンヤは自由を手に入れたとも受け取れるし、逆に母親が再び彼女を支配下に置こうとすれば、また自由が奪われるとも考えられます。あの母親の行動如何なんですよね。個人的には、母親はこれまでとまた同じことをするんじゃないかって気がしますけど(笑)

<そんなわけで>

正直、万人受けしなさそうな映画ではありますが、お話としては興味深い内容です。グロさや汚さが大丈夫なら観てもよいかと!あと、主演の女の子はとてつもなくかわいいです、はい。


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