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全編パソコン画面で展開していく驚きのサスペンス・スリラーだけど、とにかくGoogleがすげぇなって思った『search/#サーチ2』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:14/60
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★★★
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

   原題:Missing
  製作年:2023年
  製作国:アメリカ
   配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
 上映時間:111分
 ジャンル:サスペンス、スリラー
元ネタなど:映画『serch/サーチ』(2018)

【あらすじ】

ロサンゼルスから遠く離れた場所で行方不明になった母を探す<デジタルネイティブ世代>の高校生の娘ジューン(ストーム・リード)。検索サイト、代行サービス、SNS…使い慣れたサイトやアプリを駆使し、捜索を試みる。

スマホの位置情報、監視カメラ、銀行の出入金記録──人々の行動・生活がデジタルで記録される時代、母は簡単に見つかるはずだった──。事故なのか事件なのか?不可解な出来事はSNSで拡散され、国境を越えて大きなトレンドになっていく──。

バズった状況に翻弄される中、真相に迫ろうともがくジューン──。そこは“秘密”と“嘘”にまみれた深い深い闇への入り口だった──。

【感想】

前作に引き続き、メチャクチャ秀逸なサスペンス・スリラー映画でした!怒涛の展開とまさかすぎるオチに、これ作った人マジで天才だと思います!!

<ただの行方不明者捜索なのに斬新さを感じるワケとは?!>

この映画で一番秀逸な要素、それは物語がすべて「パソコン画面で」進んでいくところです。これの何がポイントかって、行方不明者を捜す行為において「常識」とされる手法を一切使ってないことなんですよ。普通は"足"を使うじゃない。よく刑事モノのドラマなんかで「捜査は足が命」なんて言ってるのを聞きますけど、この映画ではそれが一切描かれていません。ジューンは行方不明になった母親を探すために、足ではなく手を使うんですよ。手でパソコンを操作して、真実に近づいていきます。それも刑事じゃなくて高校生の娘っていう、いわば一般人ですよ。これは前作でもそうなんですけど、常識とされる手法をあえて禁じることで、一気に斬新さが増してるんですよね。

<Googleってすごい>

で、驚くのがパソコン一台で得られる情報の多いこと多いこと。厳密にはパソコンだけでわかるのではなく、あらゆるウェブサービスにアクセスしているんですけどね。前作では父親が娘の行方を知るために、彼女のSNSアカウントをメインに使っていましたが、今回は主人公がデジタルネイティブ世代ということもあってか、慣れた手つきで片っ端からいろんなサービスにアクセスしていきます。それで、母親の泊まったホテルに電話をかけたり、代行サービスで現地の人を雇ったり、Googleマップで移動履歴を確認したり、関係者のSNSをチェックしたりと、正直、途中から何をどうやっているのかパッとわかりづらいほどに情報を集めていきます。そこで思ったのが、Googleのすごさ。特にGoogleマップですよ。ロケーション履歴から母親がどのルートを通ったのかを把握し、それを他の情報と照らし合わせながら、彼女の現在地を突き止めようとします。「そんなことできるんだ」と、普段は目的地までのルートしか見ない自分からは想像もつかない使い方で驚きました。SNSとGoogleマップさえあれば何とかなるんじゃない?って思えちゃうのがすごいですよね。

<デジタル社会の闇>

まあ、母親やその恋人のアカウントに入れちゃうのは、ちょっとできすぎかなとは思いましたけど(笑)他人のアカウントなんてそんな簡単に入れるもんじゃないとは思いますけど、必ずパスワードのヒントとなるものがどこかにあるんですよね(笑)そこから推測して入力するとログインできちゃいます。映画だからそうでもしないと話が進まないんでしょうけど。でも、一度ログインしちゃえば、得られる情報がさらに広がるんですよ。メールの履歴や検索履歴、ページの閲覧履歴を見て、誰と連絡して何を買っていたのかまでわかっちゃいますから。一度アクセスしたページとかって、途中まで文字を入力すると予測変換で全部入れなくても候補が出てきますよね。あれ、普段も便利な機能だなとは思うんですけど、こういうところでも使えちゃうところを考えると、ちょっと怖いですよね。。。まさにデジタル社会の闇だなって。それがまた、ジューンの知る由もない秘密にまで行き着いちゃって、物語がさらに面白くなっていんですけど。

<そんなわけで>

秀逸すぎるサスペンス・スリラーってことでぜひオススメしたい映画です。「行方不明者を捜すのに足を使わない」という常識を禁じた斬新さ。「パソコン画面ですべて完結する」という、裏を返せば情報化社会の闇を浮き彫りにする演出。そして、そういう設定もさることながら、ストーリー自体もまさかすぎる展開でメチャクチャ楽しめます!いやー、デジタル社会怖すぎですよ!(笑)


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