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日本が大好きな外国人が作ったであろうヤクザ×忍者の剣劇アクション映画『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:154/222
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】

アクション
忍者
ヤクザ

【元になった出来事や原作・過去作など】

・おもちゃ
 G.I.ジョー(1964~)

・アニメ
 『地上最強のエキスパートチーム G.I.ジョー』(1983~1987)

・映画
 『G.I.ジョー』(2009)
 『G.I.ジョー バック2リベンジ』(2013)

【あらすじ】

日本の闇の組織から、ある男の命を救ったスネークアイズ(ヘンリー・ゴールディング)は、秘密忍者組織“嵐影”への入門を許可される。600年の間、日本の平和を守り続けた“嵐影”は、悪の抜け忍集団と国際テロ組織“コブラ”連合軍による攻撃にさらされ、危機に瀕していた。

スネークアイズは嵐影の“3つの試練”を乗り越え、真の忍者となり、迫りくる“忍者大戦”から、世界を守ることが出来るのか!?

【感想】

『G.I.ジョー』は、もともとアメリカのハズブロ社が販売している男児向けアクションフィギュアが始まりです。そこからアニメ化や映画化もされているんですが、今回は前回の映画から8年ぶりの新作。キャストも設定も一新され、リブート的な扱いなんですが、興行的には今のところ大失敗らしいです。。。ウィキペディア情報ですが、「8800万ドルの製作費と1億6000万から1億7500万ドルの損益分岐点に対して、全世界で3700万ドルの興行収入」だとか。。。

<アクション映画なのにテンポが、、、>

観ればわかります、評判が高くないのが。。。(笑)この映画、というかこのシリーズ、ストーリーもキャラクターもメチャクチャ薄くて、ほとんど面白みが感じられないんですよ(笑)ただ、1作目に関しては、その薄さゆえに長ったらしいドラマパートが皆無。次から次へと激しいアクションシーンがやってきて、テンポよく進んだので、個人的には高評価だったんですよ!

ところが、続く『2』がですね、、、唐突に主人公は変わるし、長ったらしいドラマパートも増えてしまうし、せっかくのウリだったテンポのよさがなくなったので面白さが激減してしまい。。。

今作は『1』のような形を期待したんですが、残念ながら『2』寄りです(笑)予告で観たような激しくてかっこいいアクションの連続を楽しめるかと思いきや、ちょいちょいくどいドラマパートが入って、なかなかテンポよく進まないんです。。。

<作品の立ち位置としてはよかったけど、気になるところが多々、、、>

今作は、過去作において、チラッとしか描かれていないスネークアイズとストームシャドーの因縁の発端がわかる話です。まさに、スネークアイズがスネークアイズになるまでを描いている点で、シリーズの1作目にふさわしいポジションではあります。

とはいえ、いろいろ気になるところも多く。なんでストームシャドーはスネークアイズを我が家に招き入れたのか。そして、いきなり3つの試練を与えたのか。しかも、なぜかスネークアイズもそれをすんなりと受け入れちゃって。ここの関連が弱くて、あんまりしっくり来なかったんですよ。まあ、スネークアイズの強さを見込んで、迫りくる危機に対する戦力にしようってのはわからなくもないですが、あまりにも唐突かなと。

スネークアイズが最初から強いのも謎なんですよー。荒れた生活を送っていそうだったので、ケンカが強いのはわかるとしても、武術や剣術までこなせるとは一体。。。ストームシャドーは由緒正しき忍者の家系だから、最初から強くて当たり前だとは思いますが、それでもスネークアイズと互角なんですよね(笑)この戦闘力の差のなさって。それほどスネークアイズが強かったということなのでしょう。なんでそこまで強いのかはわかりませんが。

<日本が大好きな外国人が作ったってのがよくわかる>

今回、ストームシャドー側は忍者組織、敵側はヤクザってことなので、総じて忍者とヤクザの戦争映画って感じですかね。監督の趣味なんだろうけど、基本的にみんな武器は刀でした(笑)それで、試練だの心を無にするだの、本当に日本が大好きなんだなって思います。ロケも日本で行われたっぽいですから。

わかりやすいストーリーに激しいアクションってのはよかったですよ。殺陣シーンのかっこよさはこの映画の見どころのひとつだと思います。まるで『るろうに剣心』みたいだなーって思ってたら、アクション監督が同じ谷垣健治さんっていう。やはりか!って(笑)高速道路でのバトルも、バイクから飛んだり跳ねたりしながら刀を振り回すのは、『ファイナルファンタジーⅦ アドベントチルドレン』の影響もある気がします。

それなのに、イマイチキャラクターに入り込めなかったのは、様々な動機が不十分と感じてしまったからでしょうねぇ。。。

<英語の発音問題>

今作では日本人の役者も出ておられますが、やっぱりヘンリー・ゴールディングとの英語の発音の差は気になりますね。いや、同じアジア人の顔してるのに、片やネイティブ、片やカタコトで。仕方ないんですけど、ちょっと耳が疲れる感じがしました。もしかしたら、吹替版の方がよかったりして。。。

<その他>

本作そのものはやや微妙ではありましたが、シリーズは続けて欲しいんですよ、僕は。だって、せっかく過去作でほとんど触れられていなかったスネークアイズとストームシャドーの因縁が深掘りされたわけですし、今後の展開が楽しみですから。サマラ・ウィーヴィングの活躍も期待したのに、今回はほとんど出番がなく。これも次があるなら期待したいところです。

そんなわけで、過去作を観た人ならまあまあ楽しめる映画かなって思います。初見だとちょっとキツイかもしれませんが(笑)


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