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恐怖、スリル、スプラッター、死に方、すべてが柔らかくなった『CUBE 一度入ったら、最後』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:187/220
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【要素】

サスペンス
スリラー
ホラー
キューブ
閉塞感
脱出ゲーム

【元になった出来事や原作・過去作など】

・映画
 キューブ(1997)

【あらすじ】

突然閉じ込められた男女6人。エンジニアの後藤裕一(菅田将暉)、団体職員の甲斐麻子(杏)、フリーターの越智真司(岡田将生)、中学生の宇野千陽(田代輝)、整備士の井手寛(斎藤工)、会社役員の安東和正(吉田鋼太郎)。年齢も性別も職業も、彼らには何の接点もつながりもない。

理由もわからないまま、脱出を試みる彼らを、熱感知式レーザー、ワイヤースライサーや火炎噴射など、殺人的なトラップが次々と襲う。仕掛けられた暗号を解明しなくては、そこから抜け出すことは絶対にできない。体力と精神力の限界、極度の緊張と不安、そして徐々に表れていく人間の本性…。

恐怖と不信感の中、終わりが見えない道のりを、それでも「生きる」ためにひたすら進んでいく。果たして彼らは無事に脱出することができるのか?!

【感想】

1997年に公開された『キューブ』の原作者公認のリメイク作品です。正直、個人的には「う~ん、、、」っていう感じだったんですけどね。ネタバレはできないので、軽く感想を書いておきます。

<基本設定はオリジナル版と同じだけど……>

世界観の設定や話の流れはオリジナル版と同じです。違いと言えば、登場人物と一部のトラップに変更があったぐらいですかね。僕はこの映画のためにオリジナル版を観てから臨んだのですが、本作で一番微妙だなと感じてしまったのは、テンポがよくなかったことなんですよ。いやね、それを観ていない人からしたら、「知らねーよ」って話なんですが、すみません、オリジナル版を観てしまったので、どうがんばっても比較しないということはできません(笑)

<後藤を深掘りしたことでテンポが落ちた>

テンポが悪くなった要因としては、後藤の人物背景を掘り下げてしまったからだと思います。オリジナル版は、集められた7人の人物像についてはほとんど触れていないんですよね。簡単な自己紹介や、セリフの中で職業だったり、性格だったりを知るぐらいで。とにかく、脱出に向けてどんどん進んで行くんです。その間に極限状態に追い込まれた人間同士のいさかいがあって、最後の最後まで気が抜けない展開がよかったんですよ。

今回の映画では、後藤の過去を交えることで、彼の抱える秘密を知ることができます。その人物の深掘りはオリジナル版との一番の違いですね。でも、「それいる?」って思っちゃいました(笑)脱出に直接関係はしませんし、テンポのよさがなくなることで、やや退屈な映画になってしまった感は否めません。

ちなみに、他の人物についてはそこまで触れられていないんですよ。職業すらわからないまま終わる人もいます。特に麻子はね~、もう少し見せ場が欲しかったんですよ。事情はあるにせよ、紅一点なのに映画の登場人物として
何のバリューも発揮しておらず。。。彼女に下心を持った男が……なーんて展開もちょっとは期待しましたけど。それこそ、極限状態に陥って欲望がむき出しになった人間の最たる例かなって。

<柔らかくなった残虐シーン>

あと、個人的にこういう映画で期待するのはスプラッターシーンですね。いかにグッチャグチャになるかっていうのが、恐怖と緊張を生むポイントになると思っています。オリジナル版もね、冒頭のサイコロやら酸で溶けた顔やら、かなりおぞましいシーンが衝撃的でした。それが、今回お亡くなりになられる方たちは割と綺麗に亡くなられてて(笑)とある人の死体なんか、「そんな綺麗な肉塊はないだろ!」って思っちゃいました(笑)

<その他>

この手の映画って最初に出したもん勝ちな部分はありますよね。しかも、似たような映画もたくさん作られたし。その上での公式リメイク作品っていうのは、かなりチャレンジングですごいなとは思います。

ただ、昔の方がよかっただけに、恐怖、スリル、スプラッターにおいて、だいぶ弱くなってしまったのは残念でしたね。。。これを観るなら、オリジナル版を観て欲しいです。ものすごく秀逸な映画なので。


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