ビジネスにおけるフレームワークについて考えてみた。

こんばんは。今日はビジネス書でもお馴染みの”フレームワーク”について考えてみました。物事の構造化のための情報の整理として非常に役に立つフレームワークですが、ただ情報整理のために使うだけでは勿体ないと思ったので、使い倒すために日頃考えていることをまとめてみました。

1.フレームワーク(FW)の使い方

ビジネスにおけるFWとは「PEST」/「3C」/「4P」など思考を漏れなくダブりなく(MECE)行うための枠組みのことを指します。

一般的には事業戦略の立案において、外部環境(=社外の動向)と内部環境(=社内の状況)を整理し、自社の置かれている状況を把握するために用いられることが多いと思います(各FWの繋がり等についても整理のため今後まとめてみようと思います)。

一方でFWにはあまり意識されていないもう一つの使い方があります。それは”強制発想”のツールとしての活用です。物事を構造化していく上ではこちらの使い方も重要だったりするので、今回はそれについて書いていこうと思います。

2.強制発想って?

FWとはその実、「検討しておくべき論点の集合体」です。身の回りの情報をFWに当てはめていくと空いている論点が出てきたりしますよね?そうすると気持ちが悪いので何か入るものはないかと探し始めます。それが”強制発想”です。(事業戦略を作る上でノイズになる場合もあるので、必ずしも埋めなければいけないわけではなく、そこにこだわることが落とし穴だったりすることも往々にしてありますが…)

実は意識していないだけでFWを使う時はほとんどの場合強制発想していると思いますが、意識して使うとより強力になるなということを先日ビジネスアイデアジェネレーションを行っていて実感しました。その時のことを書いてみようと思います。

3.アイデアジェネレーションにおけるFWの活用

アイデアジェネレーションといえば、”とりあえずブレスト!”みたいな流れになりがちです。これまで幾度となくブレストをやってきましたが、それがビジネスに繋がった経験は残念ながら私にはありません。それどころか、きちんとしたビジネスプランを描く段階にすらなかなか到達しませんでした。その原因は何か、を突き詰めて考えると、アイデア出しの対象範囲が広すぎることにあるのではないかと思うようになりました。

一部の天才的なクリエイターはアンテナが高く、身の回りの何気ないことから生活をより良くするアイデアを思いつき、それがブレスト等で磨かれて大ヒットに繋がることがあります。もちろん諦めるのではなくアンテナ高く生活する努力も重要だとは思いますが、身の回りにそこそこ満足してしまっているアンテナの低い私にも出来るような、もう少しロジカルに攻める方法はないものかとずっと考えていました。

そこで思いついたのが、FWを使って思考対象を絞るというアプローチです。言い換えると、これが「解くべきイシューを見つける」ということなのかもしれません。思考対象を絞らず漠然と考えてしまうとイシューの焦点がぼやけるため、思いつくアイデアもぼやけてしまうのではないかと思います。

先日のアイデアジェネレーションの際も、最初はご多分に漏れず最新の技術動向や社会課題などを議論しながらパラパラとアイデアを出していましたが、案の定良いアイデアは出てきませんでした。そこでメンバーの1人の所属する業界に絞り、次の要領でFWを用いてロジカルに攻めてみたところ筋の良さそうなアイデアがいくつか生まれました。その要領とは

①業界の”あるべき姿”とはどのような姿かを言語化する
②業界をバリューチェーン(VC)を分解する(FWによる構造化)
③VC毎にあるべき姿とのギャップを言語化する
④そのギャップを埋めるためのアイデアを出す

といった流れです。肝となるのは言語化と構造化です。1つ1つのVCに区切ってアイデア出しをしていくと、漠然とアイデアを出すよりもクリエイティブでジャンプしなければならない距離が小さくなり、エッジの効いたアイデアが出やすくなります。

こうして出したアイデアの中で、どれがインパクトが大きいのか(=VCのどこの付加価値が最も大きいのか)、テクノロジーで解決できるのは何か、自社の強みとの相性が良いのはどれか、等を検討していくとその後の検討がスムーズに進みます。

4.まとめ

以上をまとめると、「アイデアジェネレーションにおいてFWによる構造化で思考対象を小さくすることで、クリエイティブでジャンプしなければならない距離を小さくすることが大事」ということでした。

”あるべき姿と現状のギャップを見つけ、課題設定をして解く”というのはオーソドックスな考え方ですが、そのプロセスでFWによる構造化→細分化した領域での強制発想という方法論を組み合わせると良いのでは、ということを考えたので言語化しておきました。今後も実践する中での気づき等を追記していこうと思います。


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