tama@社会人から看護師、緩和ケアってなんだろう

社会人から2021年に看護師に。2018年看護学校入学2021年3月卒業。中小企業に1…

tama@社会人から看護師、緩和ケアってなんだろう

社会人から2021年に看護師に。2018年看護学校入学2021年3月卒業。中小企業に15年間勤務。家族のがん闘病中に終末期だけではなく治療の初期から緩和ケアが重要であること、家や地域で過ごすことで生活の質があがることを知る。自分も患者や家族を支える看護師になりたいと考え看護師に。

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自己紹介

私が看護師になった理由私は大学を卒業してから中小企業で15年間働いていました。 営業から総務、人事、採用、財務まで小さな会社の何でも屋として色々な仕事をしてきました。 そんな私がなぜ看護師になったのか。 2012年に夫ががんで亡くなったことがきっかけです。夫も私も30歳でした。夫の闘病期間中に私は病院、訪問看護師、緩和ケアチームなどたくさんの看護師さんに出会い、本当にお世話になりました。彼が亡くなったあとしばらくは会社員として働いていたのですが、看護師になりたい、緩和ケアに携

    • 「お墓の準備をしておきたい」??

      先日このイベントを一緒に開催する友だちと414カードをやりました。 イベント紹介ページです。 https://note.com/maru2012/n/n257066492a4f 「414カードとは?」  414     ↓  よいし    ↓  良い死 まさかのダジャレ!笑 たくさんあるカードの中から 「今から最期の時までに大切にしたいことは なんですか?」 の問いを考えなが自分の今の気持ちを選んでいきます。 ともに40代の私たち。 うーーーん。 気持ち的には一番

      • 「人生の最後は誰かにいてほしい」か?

        「人生の最後は誰かにいてほしい。」 これは死生観を語る414カードの中の1枚です。 孤独死は怖い。 一人で死ぬのはいやだ。 誰かにそばにいてほしい。 さみしい。 そういう気持ちはあると思います。 逆に側に付き添う側も 一人にさせたくない。 さみしい思いや怖い思いをさせたくない。 だから側にいたい。 と思うかもしれません。 私だったらどうかなと考えました。 信頼している人や大好きな人に 側にいてもらえたり、手を握ってもらえたら 安心するかもしれません。 でも実際に側

        • 死生観を語る414カードを体験できるイベントを開催します!

          「死生観」と聞くとちょっと怖い感じがするでしょうか? 言葉の意味を調べると、 生きることと死ぬことの価値観や自分の考え方、 行動の基準になる生死に関する考え方を示す言葉。 と出てきます。 私は死生観とは、 死というゴールまで生きることの自分の価値観だと思っています。 自分の死生観について知る、というカードゲームがあります! その名も  「414カード」  414     ↓  よいし    ↓  良い死 まさかのダジャレ!笑 たくさんあるカードの中から 「今から

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          ”その時”を決めるのは患者さん本人

          40代の患者さんの70代後半のお母様が4日間連続で付き添い泊をしていた時がありました。 私は終末期の病棟で働いています。 お看取りが近くなると病院に泊まり込みで患者さんに付き添われるご家族がいらっしゃいます。 40代後半の患者さんの意識がなくなり、お看取りが近い状態だったためお母様が付き添いをされていました。4日間も病院で寝泊まりする70代後半のお母様の体調を私たちは気にしていまいしたが、 「どうしてもそばにいたい。最後はひとりにしたくない。」 というお母様のお気持ちもわ

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          交通事故にあって思ったこと②

          さて私がコンビニを出たところで アクセルとブレーキを踏み間違えた車に 当たられた事故ですが 車の運転手の方は80代の方でした。 ご家族の方から何度も何度も何度も お電話いただいて 「本当に申し訳ない。 車は廃車にして 免許は取り上げましたから。 お身体が心配で心配で。 本当に申し訳ありません。」と。 ガソリンもれてたし、 車グシャってなってましたからね....。 ホントにこれも自分が経験しないと なんにも自分ごととして考えられないもんだなと 改めて思いました。 よくニ

          交通事故にあって思ったこと

          私は最近やっと 「明日死ぬかもしれないと思って生きる」 という言葉が腑に落ちました。 そのきっかけは12月に交通事故に あったことでした。 体の不具合はほぼ治っているのでご心配なく! 【交通事故にあって思ったこと①】 コンビニの自動ドアを出て 2、3歩歩いたところで アクセルとブレーキを踏み間違えた 車に思いっきり突っ込まれて 吹っ飛びました。 幸いにも外傷はなく 飛んだ方向にギリギリ何もなかったのと (ポストが近くにあったけど...) リュックを背負っていたので 頭

          「死を思って生きる」という言葉が大嫌いだったこと

          「死を思って生きる」とか 「明日しぬかもしれないと思って生きる」とか 「あなたが生きる明日は誰かが生きたかった明日」 みたいな言葉にとらわれすぎて 大っ嫌いだったことがありました。 明日死んじゃうかもしれないから ダラダラ生きるんじゃなくて、 やりたいことをやろうよ という意味だと思うんですけど、 がんばれない、 やる気が起こらない、 無理、辛い。 明日があると思うから、 来年も一緒に生きていられると思うから、 やりたいことがあるのであって、 明日がないなら、 一緒に生き

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          看護師のコスト意識の話

          医療業界で看護師として、いちスタッフとして働き始めて思うこと。 コスト意識が持ちにくい。というか持てない。 病棟で働いていて、入院費用など把握できないことも理由のひとつだけど、それ以外に大きな理由がある。 病院が請求した額と患者さんが支払う額は等しいけど、実際はそれ以上の費用がかかる。 社会保障費と税金から患者さんの3割負担を除いた7割がまかなわれる。高額療養費も。 民間企業で働いていた時は、毎月の試算表の読み方として売上高と原価、コスト、営業利益とどんな部署の新入

          患者の家族は看護の対象である。

          患者の家族は看護の対象である。 「実は患者さんよりあなたが心配。あなたの話が聞きたかったんです。」 11年前に、緩和ケアチームの看護師さんから言われた言葉です。 患者さんの話が聞きたいと呼ばれた食堂で、実はあなたのことが心配だったと。 患者の家族は、看護の対象であると5年前の看護学校1年生の授業で学んだ時は本当に衝撃でした。 あの看護師さんたちがただ親切だったわけじゃなくて、自分が看護の対象だったとは!! 「一番大変なのは患者だし...。」 「私は別に大変じゃない

          自分の死生観に気づくカードゲーム

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          死生観についての講演を聞いて思ったこと。

          高野綾子さんの「『自分を大切にする生き方と逝き方』 ーセネガルで感じた死生観のお話ー」という講演を聞きました。 高野さんがまとめた内容はこちらから https://note.com/ayako_holon/n/n231c166bd76d 講演者の高野さんは、大学病院の看護師をへてセネガルの青年海外強力隊に参加した女性。 セネガルの死生観として紹介された言葉。 「神様がその人を生かそうとすれば自分で食べる。食べないのならば神様がもう十分だよと言ってるんだよ。」 その言葉で思

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          ご家族との信頼関係

          患者さんご家族と信頼関係を結べていないと感じることが最近、病棟で続きました。 ドクターからは「まずは信頼関係を結ぼう。」と。 私が働く病棟は、終末期の方が多い緩和ケア病棟。ギリギリまでご自宅でがんばって過ごして、入院して1週間で亡くなる方もいらっしゃる。自分のシフトの関係で患者さんだけでなくご家族とも1回しかお会いできないこともある。 今でも思い出す、私が患者の家族としてお会いした緩和ケアチームのドクターと看護師さん。 初めてお会いした日に色々聴いてしてくださって「能動

          WHO緩和ケアの基本方針のポイント!

          WHOの緩和ケアの基本方針の 1番目は、 「痛みやその他の苦痛な症状から解放する。」 なのですが 5番目は、 「死を迎えるまで患者が人生を積極的に生きていけるように支える。」 なのがすごくいいなあと思っています。 難しいけど、でもこんな風に生きられれば、痛みと辛さがやわらぐのではないかと思うのです。 私と家族はまさにそんな風に支えてもらっていました。 WHOの緩和ケアの定義を簡単に言うと、 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 命にかかわる病気にかかった患者と

          残されたご家族にできるひとつのカタチ

          尊敬する方の友人が急逝されて家族葬だけど 残されたご家族にできることは、 「我が娘は、妻は短い人生だったけど たくさんの人に愛されて 楽しい人生を過ごしていた の可視化じゃないかと思う。」 と葬想式へのメッセージを募っていた。 この言語化がすごい。 確かにそう。 私も夫の中学校の同級生60人が 葬儀だけじゃなくて、 火葬場まで来てくれてホントに嬉しかったんだと 10年たってあらためて思った。 高校、大学の同級生も、 職場の友人たちも遠くまで わざわざ泊まりで来てくれ

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          「ライオンのおやつ」小川糸著 感想②

          「ライオンおやつ」小川糸さん著 死ぬのが怖くなくなる本。 読んでいる途中から感じていたことは、「この本を読んだら死ぬのが怖くなくなるかも」ということでした。 〈あらすじ〉 余命を告げられた33歳の主人公が最期の日々を過ごす場所として選んだ場所は、ある島のホスピスでした。そこでの数ヶ月の日々が丁寧に綴られています。 毎日提供される様々なお粥、毎週日曜日の入居者のリクエストで作られる思い出のおやつ。そんな食べ物のひとつひとつに、ボロボロだった主人公の心と体が癒やされていきます

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