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その転職ちょっと待った [前編](ほのまる)

今から2年前、新卒で入社した大手SIerから、Web系の中小企業に転職した。
転職の理由はのちほど詳述するが、簡単にいうと「やりがいのある仕事がしたい」というのが一番の理由だ。

転職から2年経った今、「やりがいなんて求めるもんじゃない」という結論にたどり着いた。
この記事では、やりがいを求めた転職の結果、上記の結論に至った経緯を解説したい。
この記事を通して、「不幸な転職者」を一人でも減らすことができれば幸いである。

転職に至るまで


先述の通り、私は「やりがい」を求めた転職、いわゆる「やりがい転職」を経験した。
転職を経験した当時、私は社会人歴数年といったところで、まだまだひよっこもひよっこという状態だった。

そんな若輩者の私が、当時「やりがい」として捉えていたのは、「自分の仕事がだれかに影響を与えている」という手応えであった。
クライアントであれ、社内の人間であれ、私がまとめた資料なり何なりが「新しい視座を与える」「仕事に対するモチベーションを与える」といったことにつながれば、労働者冥利に尽きると考えていたのだった。

金融系SEの「やりがい」

前述の通り、新卒で私は大手SIerに入社し、長い研修を経て金融業界向けソリューションを扱う部署に配属された。
いわゆる「金融系SE」としてキャリアをスタートしたわけである。

詳細は別記事に書こうと思うが、金融系SEというのは、その専門性の高さから特殊性の高い集団であるといえる。
ここで存在感を発揮できるのは以下のいずれかの人間である。

  • 大学で数理系を専攻していた人

  • 特定の銀行の案件を長期にわたって担当しており、その銀行の金融商品を知り尽くしている人

上記いずれにも該当しない私は、「コストが安い」ことだけが取り柄の一作業者にすぎず、「だれかに影響を与える(つまり、私にとってのやりがい)」なんてことは到底できそうもなかった。

そんな環境で惰性的に数年間働いたのち、「もっと自分の真価を発揮できる場を」と考えて、私は「やりがい転職」を決意した。
自分の真価が何であるかは正直わかっていなかったが、いつかの人事面談で言われた「君には総合力がある」という言葉だけを頼りに、それを活かせる環境を探し始めた。

「やりがい転職」とは


ここで今一度、今回の記事のテーマである「やりがい転職」とは何たるかを明確にしておきたい(ちなみに、当たり前のように使っている「やりがい転職」という言葉だが、これは私の造語である)。

「真価の発揮」を望んだ私が求めていたのは「自分の強みである「総合力(?)」を活かして、だれかに影響を与える仕事ができる環境」であった。
ただ、こんな訳のわからないことを軸とした転職活動は困難を極めたため、結局「挑戦できる環境で裁量のある仕事がしたい」という軸に切り替えて転職活動を進めていった。
そして、そうした仕事にありつけるのであれば、年収や会社規模が下がっても構わないという覚悟も決めた。

つまり、「やりがい転職」とは、

待遇とトレードオフに、自由や裁量を得ようとする転職

であったといえる。

そして、紆余曲折あり(このあたりもいずれ別記事で書くことにしたい)、転職を決意してから約半年後に、晴れて中小規模のWeb系開発企業のPM職に転職することとなった。組織規模が小さくなる代わりに、自由・裁量を得たという格好である


▼ 後編はこちら

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