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【読書メーターまとめ】2024年1月に読んだ本

 2024年もあっという間に1か月。能登の地震。羽田の航空機事故などで幕開けた2024年はどんな年になるだろうか。
 今年も読んだ本を毎月振り返っていきたい。

2024年1月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3285ページ

https://bookmeter.com/users/1268958/summary/monthly/2024/1


■自分を支える「論語」の言葉50―20代で読んでおきたい「一生の教科書」

読了日:01月01日 著者:安岡 定子

2024年の一冊目。図書館で見かけ、何の気なしに手に取った本であるが素晴らしかった。著者は、安岡正篤師の孫にあたる安岡定子氏。致知で何度か文章は読んだことはあったが、著書を読んだのははじめてである。とても良かった。論語を「一生の教科書」「いつでも、いつまでもあなたを応援してくれます」といううたい文句もよくわかる。50の言葉の選択も良いし、解説も染み入るように入ってくる。論語についてもっと勉強したくなる一冊である。新年の一言を上げるとすると、「先ず行う、その言は而る後に之に従う」かな。今年も頑張ろう。


■サーベイ・フィードバック入門――「データと対話」で職場を変える技術 【これからの組織開発の教科書】

読了日:01月03日 著者:中原 淳

Kindle Unlimitedにて、新年の帰省の車中で読む。データが、現場を変えるわけではない。効果的にフィードバックされたデータは、現場に対話をもたらし、対話が明日を作るという。職場の同調圧力や現状維持バイアスに囚われ、変化を拒絶する人々に、サーベイは、武器を与える。データは、外在化(他人事に)できるという点とデータで見えるのは、意外なものではなく想定していてものというのは体感的にもしっくりくる。「鏡にうつった自己像を見つめ、対話を通じて自分たちの未来を自分たちで決める。」これに尽きる。

■凡事徹底 (活学叢書)

読了日:01月05日 著者:鍵山 秀三郎

何度も読みたい本。悪いことは後ろから忍び寄り、良いことは前から正々堂々とやってくる。それを掴む「気づく力」の重要性を説く。その力を磨くのは➀微差・僅差を積み重ねること➁一歩踏み込んで喜ばせること。現状維持は退歩なのだ。また二宮尊徳の鍬を借りる話には唸らされた。老子の「終身道を譲るも百歩も枉げず」の精神。「掃除」こそ気づく力を上げる原点。平凡なことを非凡に努める。義務でないことをどれだけやるか。打算ではできない。自ら体験することでしか得られないことである。人から頼りにされるのが人間最大の喜びというのも納得。

■徳川家康―コミック (17) 日蝕月蝕の章 (歴史コミック (17))

読了日:01月07日 著者:横山 光輝

図書館で順番が回ってきてようやく続きが読めた。小田原攻めを経て、家康は、関東入りする。家康と三河家臣団にとって、故郷から離れるという重大決断だが、本書では、北条親子や織田信雄を見て、譲ることを学んだという描き方をする。そして、太閤の晩年の姿をみて、自分はそうはならないと決意する姿を描く。己を律することを学んだ家康。そしてついに、世の安寧のために天下を目指す。北条家臣団も抱え込み、旗本だけで7万人の動員力を持つようになる。本巻は、太閤亡きあとの、豊臣家内の勢力争いを描き、前田利家の死去で幕を閉じる。

■マンガでやさしくわかる中期経営計画の立て方・使い方 ダウンロードサービス付

読了日:01月08日 著者:井口 嘉則

想像以上に勉強になった。特に著者が「はじめに」でいう、「作って、発表しておしまい」ではダメで、その後の遂行・実行につながり、かつ実効フェーズで進捗管理できるものにするという視点は今の私の課題とフィットしていて参考になった。とりわけ、中計の新しいテーマへの取り組みに必要な「コミットメントとオーナーシップ」「体制整備・リソース確保」「早期成果出し」という点はその通りと思う。また「中計の現場へのブレークダウン法」や「活動計画を作った上で計数計画を立案する」などの考え方、数々のフォーマットは今後、取り入れたい。

■「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法 (PHPビジネス新書)

読了日:01月09日 著者:中原 淳

Kindle Unlimitedにて。中原先生の本は、理論的な裏打ちを持ちながらも、素人にもわかりやすく説明してくれる。対話というのは、私を持ち出すということ。自分なりの感じ方というのは今後ますます大事になってくると思うので、それに伴い対話の重要性もましてくると感じた。そしてそれよりも「決断」というフェーズが大事である。良い話し合いは、「私は~と感じる」を表出する「対話」からはじまり、「私たちは~したい」を決める「決断」に至るコミュニケーション。そしてその先の実践こそ「私たちの成果」を規定するのである。

■松風の家 上 (文春文庫)

読了日:01月16日 著者:宮尾 登美子

久しぶりに小説を読む。裏千家で茶道を習っているが、お茶の先生から借りた本。裏千家をモチーフにした後之伴家を舞台にした小説。幕末から明治という時代の流れに翻弄される、家元一族の愛憎の歴史を描く。特に女性の心理描写が秀逸であった。中興の祖・徳々斎の妻、鞆子。その娘であり、夫である婿の家元・恭又斎が出奔するという苦悩を抱える真鏡院・猶子。そしてその二人に愛され、一家の観世音菩薩と言われる、由良子。運命としか言いようのない展開にあっという間に読み終える。人には、誰にもそっとかくしておきたいことがあるのである。

■松風の家 下 (文春文庫)

読了日:01月18日 著者:宮尾 登美子

下巻も続けて一気に読む。下巻は、家元一家を陰で支える由良子を中心に描かれる。そして、舞台は、突然、仙台へ飛び、紗代子の物語として再開する。運命に翻弄されながらも、夫に愛される2人の姿は、伴家が徐々に隆盛の時代を迎える姿とマッチする。また旧家ならではの苦しみが小説を彩る。人の運命は、紙一重。時には人の助言に流された方が良い結果を招くことも、その時の自分が信じる道を歩むのが良いと思った。裏千家で茶道をならう身としても面白かった。良い小説と出会えた。

■日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

読了日:01月20日 著者:森下 典子

最近なんだか疲れ気味であり、気分転換も兼ねて再読。以前読んだ時は、図書館で借りたが、いつかまた手に取るだろうと古本屋で購入しておいてよかった。読んでいてやっぱり泣けてくる。「過去や未来を思う限り、安心していきることはできない。道は一つしかない。今を味わうことだ。過去も未来もなく、ただこの一瞬に没頭できた時、人間はさえぎるもののない自由の中で生きていることに気づくのだ」「気づくこと。一生涯、自分の成長に気づき続けること」お茶を始めて1年半近くになるが、こういう感じ方をできる時間を増やしていきたい。

■天才

読了日:01月20日 著者:石原 慎太郎

出版時に読みたいと思っていた本書を、図書館で見かけ手に取る。とても面白く数時間で読み切ってしまう。石原慎太郎の本を読むのは初めてであるが、田中角栄の自分語りの文体に惹きこまれる。「社会の底辺」からの見え方に立脚しつつも、本質をとらえた構想力や大蔵官僚をも魅了する人間力。とりわけ、中国との国交正常化での交渉の描写に人物の大きさを感じる。彼はアメリカの策謀で陥れられたのか?また「長い後書き」も素晴らしかった。著者との個人的なエピソードも印象的だ。巻末に掲げられた角栄による議員立法の数々も同じ政治家ならでは。

■夜と霧 新版

読了日:01月21日 著者:ヴィクトール・E・フランクル

再読。「20世紀を代表する作品」とのキャッチフレーズ。その名にふさわしい内容。人間は何事にも慣れる存在であるという指摘や、屈辱にまみれ感情をなくしていく中、心の中に妻の姿を思い浮かべ会話し満たされていく姿は人間の強さを感じさせる。また多くの被収容者がクリスマスには家に帰れるというありきたりな素朴な希望にすがり、その希望が満たされず落胆し死者が増えたという話は興味深い。愛する人や仕事に対する責任を感じた人間は生きていることから降りられないという指摘は重い。また収容所から解放された後の心理の変化も興味深い。

■言志四録(1) 言志録 (講談社学術文庫)

読了日:01月27日 著者:佐藤 一斎,川上 正光

言志録は、佐藤一斎が42歳から52歳の間の十年間の語録集である。現在48歳の私は、この語録を書かれた間の年代にある。江戸時代という今と寿命が異なる時代のこの年代に書かれたと思われないほど、「志」や「自省」に満ちた書である。まだまだ年は取っていられない。私としては、「31 実事と閑時」が数ある項目の中でぐっと来た。つまらない仕事を必要な仕事だと思って時間を使うのは、本当に何かしようとする志のあるものがやってはいけないこと。振り返ってみて、そのようなことはないだろうか?志もって有限の時間を生きていきたい。

■2040年の日本 (幻冬舎新書)

読了日:01月27日 著者:野口 悠紀雄

2040年、私は65歳、息子は30歳。まだ先だが、自分もまだ現役だろう。印象に残った点。➀成長なくして社会保障制度の維持無し。政府は現実的な成長率を前提とした数値を見せるべき。➁中国は日本のGDPの10倍規模に。防衛費1⇒2%論は無意味。新興国との差が縮まり、円安で貧しい国に。③かつては、黄金時代は未来にあると考えていたが、今は過去のことに。しかし、未来とは選択するもので、与えられるものではない。人口構成など所与とした上でどんな選択をするかが重要。「近視眼的バイアスを克服せよ」というメッセージは心に響く。

最後に:1か月の読書を振り返って

 今月は、レポート書いたり、大学院入試のための勉強したり、疲れていたので現実逃避か小説を手に取る場面が増えた。
 小説の中の世界に没頭できる時間というのはなんとも贅沢である。忙しくてもやっぱり手に取るべきだと再認識。自分を豊かにしてくれる。


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