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映画「あの頃。」を観て、幸せとは何かを考えさせられる

こんにちは、まさです。

昨日は休暇を頂いたので、1年ぶりの映画を観てきました。観てきた映画は、ハロプロオタクである劔樹人(つるぎしげと)さんの自伝的コミックエッセイ「あの頃。男子かしまし物語」を映画化したもので、タイトルも「あの頃。」です。

劔樹人さんは犬山紙子さんの旦那さんで、夫婦でハロプロオタクという一家ですが、映画はその結婚前のハロプロオタクの仲間と過ごした時間を記録したものでした。劔さんはアイドルとは縁のないロックバンド青年だったようなんですが、ある時に友人からもらった松浦亜弥さんのDVDを観てハロプロ沼にハマったそうです。時期としては2001年〜2002年くらいですかね。まさにモーニング娘。も絶頂期の時代です。

私も以前に記事を書いたとおり、この歳になってモーニング娘。熱が再燃したことがきっかけで「あの頃。」を観た訳ですが、本筋のストーリーとは別にこの映画を観て感じたことを書いてみたいと思います。

人生で今が一番楽しい

学生時代に誰かの家に集まって、ずっと世間話や恋愛話から性の話や少しダークな話まで、他愛もない会話を永遠と友達としていた人って多いと思います。この映画ではそうした学生時代によくある情景を、ハロプロに魅せられた(多分もてない)大人達が遅れた青春時代を謳歌するようにわちゃわちゃしたり、ローカルなイベントを開催してワイワイ楽しんでいる姿を映しています。

そんな中、仲間で行った銭湯のシーンで一番年長のナカウチさんが、「よく昔が良かったっとか言う人がいるけど、俺は今がいちばん楽しいな」みたいな事を呟く印象的なシーンがありました。

この映画の1つのテーマとして「いくつになっても、何かに夢中になれる人生は最高で最強」と言っています。いまその時に「好き!」と思えるものを持っていると、幾つになっても自分らしく幸せに生きる事って出来るんだなって事を、改めてこのナカウチさんの台詞を聞いて感じました。

最近思い思うんですが、この国では「好き!」とか「面白い!」という感情を非優先にすることが他の国の人と比べて少し多い気がしています。幸せとは何かという事を考えさせられるシーンでした。

人間なんて不完全な生き物

映画の中で仲野太賀さんが演じる「コズミン」という人物がいるんですが、このコズミンは悪い言い方をするとゲスな人物で、人の陰口は叩くわ、仲間の彼女を奪って調子に乗るわ、威勢はいいけど最後はうまくいかなくて土下座をするハメになるわと、本当に器の小さい人間として描かれています。ただ、このどうしようもない人物がなんだか憎みきれないんですよね。

コズミンはやることなす事が感情的で行き当たりばったりなんですが、本人の中では正直で嘘がないので、そこに人間味を感じるし、周りも嫌いにはなれないキャラクターの持ち主なのかなと感じます。

こうしたコズミンの行動を見て思うことは、「人間なんて不完全な生き物だな」と言うことでした。当たり前なんですが、人には性格があって不完全な部分は沢山ありますよね。ただ、自分に正直にいる事で確かに嫌がられる部分もありますが、逆に根っこのところで人から好かれることもあるのかなと思いました。そういう意味では自分もコズミンを見て、多少周りに迷惑をかけてもカッコつけずにもう少し素直に生きてもいいだろうなぁと思いましたし、気持ちも少し楽になりました。ただ、仕事ではコズミンみたいな人には会いたくはないかな。面倒くさいんで。(笑)

少しネタバレになります。コズミンは最後に癌で亡くなってしまうんですが、仲間はコズミンのために生前祭や死後もイベントを開くんですよね。死後のイベントでもコズミンの性癖をバラして笑い話にするんですが、死んでも友人達にいじられるって愛されている人にしかされないと思うので、少しだけ羨ましいなぁって思って見ていました。

世代や立場を超えて通じ合えること

映画のいちシーンですが、劔さん役の松坂桃季さんと教師でハロプロ好きな馬場さん(西田尚美さん)とのシーンも印象に残りました。

モーニング娘。石川梨華さんの卒業コンサートのチケットを馬場さんから1枚譲ってもらって一緒にコンサートを見て最後に別れるシーンがあるんですが、卒業についてその日に会った2人がぎこちなく会話するんです。おそらく馬場さんの方が大分年上という設定だと思いますが、教師なので卒業って聞くと感情が高ぶるという事を言っていて、松坂さんも静かに共感するんですね。1カットでずっと続くシーンなんですが、仲間同志のわちゃわちゃしたシーンが多かったので、このシーンだけなぜか異質に見えました。

劔さん(もしくは今泉監督)がこのシーンをどうして入れたのかは分からないですが、個人的には「好き!」という感情は年齢や世代を超える力があるんだって事を言いたかったのかなと感じました。人間って人種や性別や世代など分裂が色んなところで起きますが、「好き!」という感情でそれらを乗り越えられたら素晴らしいですよね。この映画の監督の今泉力哉さんは誰かの「好き」を表現するのが上手いと映画のレビューに書いている方もいましたが、本当にいいシーンだなぁと思いました。

最後に、やっぱり映画を見て感情を揺さぶられることは大事ですね。なかなか外出しづらい時期ですが、また近いうちに映画館に足を運ぼうと思います。

以上、「映画「あの頃。」を観て、気持ちが揺さぶられました」でした。

今日も長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。週2回以上を目標に様々なテーマでエッセイや体験談を書いていますので、またご訪問ください。
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