労働歌 〜Worksong〜
私が子供のころ「船頭さん」という歌がありました。
「♪村の渡しの船頭さんは、今年六十のおじいさん …」
私の船頭さん? ろがしなる? と疑問を抱きながらも元気に歌っていました。
※YouTubeで聴くことができます。
「村の鍛冶屋」のフイゴの風は、後に実物を見て分かりましたが、
「茶摘み唄」の八十八夜は今でもはっきり分かりません。
これらの歌はみな「作業歌」というか「労働歌」で、六十になっても元気いっぱい働く人たちを讃えた歌だと思います。
NHKは日本の伝統的な童謡は放送しないので、残念ながら今時の子供には伝承されないでしょう。
また日本各地にある民謡も労働歌ばかりのようで、馬子唄、牛追い唄、木挽き唄、櫓こぎ唄、ソーラン節は網引き、稗(ひえ)つき節は臼に入れた稗の糠を取るときの歌です。
運動会の綱引きでも掛け声を合わせると力が入るように、リズムを合わせると仕事の能率が上がったり、追分を上手に歌うと人も馬も疲れなかったといいます。
貧しかった東北地方は民謡の宝庫だといわれていますが、今世界中から非難されているロシアなども乏しい寒冷地だったので、ロシア民謡には労働歌がたくさんあるようです。
アメリカの黒人音楽のブルースは、奴隷の苦しさを歌ったのが始まりだそうですが、ブラジル音楽の代表はサンバです。
その起源は奴隷たちが打楽器だけで歌ったものが、時代と共に穏やかな音楽になって大衆化したものです。
外国のフォークソングのテーマは恋や愛が多いですが、牧畜民は殖やした家畜を食べるので、生殖はそのまま生産性につながります。
ですから生殖は利殖であり民族の繁栄につながりますので、人前でのキスは微笑ましいのですが、農耕民にとっての生殖は、食い扶持が増えるので好ましくないとも言えますでしょうか。(しかし労働力が増えるとも考えられます)
【今日の名言】
幸せを感謝するのではない。感謝することが幸せなのだ。
※編集協力
和の国チャンネル:https://wanokuni.me/
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