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#23 教師の熱意を維持するための経済学 〜資源増強の必要性〜

飲み会後に大好きなラーメン屋の前を通り、食べたいと思ったけれど、翌日にオンライン研修があり、ニンニクの臭いを心配してそのまま店を通り過ぎたオカマサです。オンラインとリアルの区別がつかなくなってきました。

さて今日は、「教師の熱意」に頼らず、「お金」を使おうという話をお伝えします。

教師は熱意にあふれている

まず大前提として、学校において「教師の熱意」は大事であることを押さえておきます。教師が教育や目の前の子どもに対して熱意がなければ、その時点で学校は成り立ちません。私が伝えたいことは、教師の熱意に頼り切っていてはだめだということです。

本校の教員もやる気に溢れています。校長としてとてもありがたいです。職員室では、授業や行事についてよく話をしています。こういう授業がやりたい、ここがうまくいくにはどうするとよいかなど、若手もベテランも一緒になって話をしています。この雰囲気が学校のよさだと思います。

熱意の最大の敵は「疲れ」

熱が入りすぎて、夜遅くまで残ってしまうケースがあります。授業のない空き時間には、生徒のノートを点検したり、生活ノートにある3行日記へのコメントを記入したりしています。このやり取りが、生徒との関係づくりには重要です。やらなくてもよいかもしれませんが、やってみて効果があると時間がかかっても継続します。タブレットが入ったことで、オンライン上でのやり取りを模索していますが、やめるという選択にはなりません。

授業が終われば、部活動の指導です。現在平日は1日休みで週4日やっています。休日は土日どちらか半日です。この時間はほぼ勤務時間外です。週の初めの月曜日ではありますが、休日にリフレッシュしきれてないなあと感じる様子も見られます。疲れてくると熱意を保つよりも休息を身体は求めてきます。その状況で子どもたちと向き合うことは、かなりのハードモードです。

熱意が持続するための「余白」

学校は今、変革期を迎えています。デジタル化、価値観の多様化、個別最適な学び、自由進度学習など、新たに創り上げていくことや変化に伴う課題が山積しています。これを解決していくには、「対話」が必要だという話は、よく見かけます。しかし、その「対話」する時間を生み出せないのが現状です。勤務時間外に自主研修を行っている先生たちもたくさんいます。でも、これは先生の熱意が保たれているからできるわけです。やはり、その熱意が持続するためには、先生の「余白」が必要です。つまり、「時間」です。

3学期は来年度に向けた見直しを行う期間です。3学期始め、私は先生方に『今年度を振り返り、改善することを考える前に、まず「やめること」を考えてください。』とお願いしました。よく「スクラップ&ビルド」と言われますが、スクラップしないままビルドすることを考えてしまう傾向にあります。様々な観点からみると、これまでやってきたことに効果がないことをやっていないわけですから、やめられないところがあります。しかし、新しいものを創り上げていくには、「やめること」も大事です。更地にしか新しいものはつくれません。

教育には「お金」も重要

やめることを決めて、「余白」をつくったとしても、そこに新しいことを創り上げたら、「余白」はなくなってしまいます。常に「余白」をもっておくためには、「お金」が必要です。先生方の報酬を上げることも熱意の維持には重要かもしれませんが、「余白」をもつという観点でみると、「多くの人に教育に関わってもらう」ことです。教育は教師のみで行うことではありません。地域の人材、専門性のある人材など、様々な方に学校に入ってもらうことで、教師がやってきたことを少し担ってもらえる人が増えると、教師が「余白」を持ち続けていられます。もちろん、教員定数の増加が何よりの願いです。

地域の方にボランティアで関わってもらうのもよいのですが、ボランティアでは継続することが難しくなります。たとえボランティアでやってくださる方がいたとしても、その役割を他の方に引き継ぐことがしにくいです。やはり、教育に「お金」をかけることは、元々もっている「教師の熱意」の継続にも繋がります。それが子どもたちの成長へと繋がって、よりよい社会が生まれれば、すべての人にとってwin-winになると思います。キングコングの西野さんも「お金が尽きると夢も尽きる。これが現実だ。」と述べています。

楽しい未来を創る担い手を育てるという「夢」に先行投資することを期待しています。

ご支援いただける方には、全力で感謝申し上げます(^_^)/