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かりそめ【エッセイ】六〇〇字

 早大のオープンカレッジ「エッセイ教室」秋講座。8課題。七転八倒、七難八苦の日々が続いた。そして、ついに最後のお題。「かりそめ」。かりそめ・・・「かりそめの恋」・・・高校時代の1年先輩への想いを書こうかと思ったが、ベタすぎるとの某noterさんの声があり、政治ネタに切替えた。

 安倍・菅政権の「悪夢の」9年間が終わり、最初の衆議院選挙。本来の二大政党制が成熟した国家なら、政権交代があって、然るべきだった。しかし、結果は自民党の安定多数で終わった。
 「自衛隊日報・モリ・カケ・サクラの公文書の破棄・隠蔽」。さらに、「検察法改正案の解釈変更のプロセスの不透明さ」、「コロナ対策連絡会議で議事録が未作成」等々。政権の隠蔽体質が明かになったにも関わらず。
 この透明性に欠く政権を批判する立憲などの野党を、スキャンダルの追及ばかりしていると政権におもね、行政監視という野党の重要な役割を揶揄してきた日本維新の会が、躍進するという、皮肉な結果になった。
 立憲は議席を減らし、ますます政権に対峙する政党の存在が薄れてきている。日本には健全な二大政党制は育たないのだろうか。
 民主党政権の失敗の反動と言う人もいる。しかし、そうだろうか。菅直人元首相が、『民主党政権 未完の日本改革』で、実現したこと、できなかったことを分析している。子ども手当、介護保険制度の充実、高校無償化、政治主導の諸改革など、現在も引き継がれている。必ずしも失敗とは、言い切れない。
 英国の思想家、アクトン卿の言葉「絶対的権力は絶対的に腐敗する」の通り、「一強政治は腐敗する」。一時、多くの国民が望んだ政権交代が可能な政治体制を、いま一度、と強く思う。私の選挙権があるうちに実現するのは、難しそうではあるが。

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