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個人ゲーム開発者の生存戦略(3年経過後の景色)


はじめに


みなさまごきげんよう。
毎日寒いですね・・。

さて、ちょうど3年前くらいにこういうエントリを書きました。

・個人ゲーム開発者の生存戦略(リリース前編&room6ケーススタディ)

・個人ゲーム開発者の生存戦略(リリース後編)

なるほど読み返してみますとなかなかおもしろいではないですか。。
と、自画自賛してる場合ではなく、、

このエントリからいつのまにか3年も経過しておりますので、我々の住んでいるインディーゲーム界隈も少し景色が変わってきましたよね。。ということで、再度振り返ったり昨今の状況からみて、、というお話をしてみたいなと思う次第であります。

さて、個人ゲーム開発社の生存戦略ということでちょっと細かくどれくらいのお金が必要なのか、などなど書きました。基本的には概ねいまでも同じような感じなのかなと思います。
ただ、あれからかなり日本のインディーゲームの地位と言いますか注目度も上がっており色々な取り組みが現れました。

中でも大きいのは「支援系の取り組み」がとても増えたことですね。もちろんその頃から日本ゲーム文化振興財団の助成金などはありましたが、選ばれるハードルはそれなりに高く、金額もそこまで大きなものではありませんでした。(もちろん助成金ですので、ある程度用途なども限定されます。生活費として使ったりは出来ません)


支援系取り組み

講談社

この「支援系の取り組み」の中でやはり目立っていたのは出版社系企業からの支援でしょうか。インパクトがあったのはやはり講談社ゲームクリエイターズラボでしょうかね。

講談社ゲームクリエイターズラボ

「年間最大1000万円差し上げますから、好きなゲームを作りませんか?」というキャッチコピーはめちゃくちゃインパクトありますよね〜。いやほしいよ1000万円!!ってなりますね。前回の僕のエントリーでは、月25万円あればなんとか大丈夫ではないかという試算をしていましたので、4人には足りませんが、2〜3人くらいまでのチームならこれで1年生きていける・・!最高ですね。。とてもわかりやすくシンプルな取り組みだと思います。特に使用用途も制限されていなかったと思います。

講談社ゲームクリエイターズラボは、ラボの中の人が本当に出版サイドから来た人が多いというのも特徴。出版というと「編集者」という職業がありますが、それがそのままゲーム開発でも同じように編集者が着いてくれる、そういうイメージですね。漫画の編集者業務で培ったノウハウで、一緒に寄り添ってゲームのクリエイティブを作り上げていくみたいなイメージでしょうか。基本的にはゲームの内容やスケジュールなどに口を出したりすることはほとんどなく、自由にゲームを作ってね、というスタンスかなとおもいます。

講談社ゲームクリエイターズラボからは、弊社もSwitch/Mobile版移植に関わらせていただいた、ところにょり氏の「違う冬のぼくら」が代表作でしょうか。開発の現場も非常に良い雰囲気でしたよ〜。あとは弊社のスタッフである6th Sense Gamesが作ってる「イノウノカルテ」や今は独立してゲーム開発している元スタッフのYonaくんが作ってる「In His Time」などがありまして、room6もいろいろとご縁がございます。

集英社

そしてもうひとつ出版系といえば、集英社ゲームズの「GAME BBQ」でしょうか。こちらは、集英社ゲームズがサービスを展開しているゲームクリエイター向けのコミュニケーションプラットフォーム「集英社ゲームクリエイターズCAMP」の中の支援コンテストです。

集英社ゲームクリエイターズCAMP GAME BBQ

講談社ゲームクリエイターズラボは現在常時支援タイトルを募集するようなスタイルですが、GAME BBQはコンテスト形式となっています。開催間隔ははっきりと名言されてるわけではなさそうですが、1年に1回くらいのペースでしょうか?面白いのは「デモ有り」部門と「デモ無し」部門に分かれているところでしょうか。それぞれ「大賞」作には賞金100万円と「開発資金出資」となっております。開発資金に関してははっきりと明言されていませんが、開発を続けていくにあたって充分な額なのではと思います。

こちらもroom6からは元room6のデザイナーAchaboxが立ち上げたチーム「アクロバティックチリメンジャコ」の「シュレディンガーズコール」が第一回BBQの大賞を受賞していたり、room6のパブリッシングタイトルである「和階堂真の事件簿」を開発している「墓場文庫」チームが集英社の支援を受けて「都市伝説解体センター」を開発★していたりと、こちらもroom6とは色々とご縁がございます。
★こちらはGAME BBQではなく「和階堂真の事件簿」が「Google Indiegame Festival2021」の集英社賞を受賞しての支援取り組み

集英社さんは、どちらかというとゲーム開発のプロフェッショナルが集まっているという印象があります。ゲームディレクター経歴のある方もたくさんいて、しっかりディレクションしてくれます。そういった意味ではこちらはかなりゲームをどう開発していくかについて、濃いぃ感じにプロジェクトに踏み込んで一緒に作り上げていってるイメージですね。


マーベラス(iGi)

そしてあともうひとつ、こちらは出版社ではなくゲーム企業の「マーベラス」が主催しているインディーゲームインキュベーションである「iGi」がありますね。

iGi

こちらですが、上記2社とは少し毛色が違いまして、基本的には「インキュベーション」を主体とした取り組みです。具体的には最終的に国内外のインディーゲームパブリッシャーとの契約を勝ち取るためのピッチを作るというのが目標です。そしてそのためのゲームそのものの企画やバーティカルスライスを作成していく。。という感じです。そういったことを行うために、いろいろなゲーム業界のツワモノ達がメンターとなって、毎週オンラインミーティングによるレクチャーが行われています。

ですので、こちらは本当にゲーム企画や開発が身につきパワーアップできる取り組みとなってます。基本月に数十時間は割かないといけないので、それなりに夜の時間などを使わないといけないので大変なのですが、それに見合ったフィードバックがあると思います。見ていただくとわかるのですが、本当に様々な企業が支援をしており、ゲーム開発に関わる色々な質問やレクチャーを受けることができまして、かなり内容の濃い取り組みとなっています。

そういったこともあり、実際かなり良いペースでリリースタイトルが出ており第1回の「NeverAwake」と第3回の「Death the Guitar」はBitSummitのアワードで「大賞」を受賞していたり、ちょっとおもしろいところでは第3回の採用作である「Strange Shadow」を開発してるコタケクリエイトさんは最近「8番出口」で大ヒットを出したりなど、色々話題を提供してくれてますね。

ちなみにこちら、恥ずかしながら私もこのメンターの超端っこに在籍させて頂いておりまして、主にパブリッシング周りのおなやみ相談役みたいな感じでやらせていただいております。ただほんと幽霊メンターなので申し訳ないところです。。(あと、マーベラス社とroom6は業務提携させていただいてるご縁もあり)


GYAAR Studio


そしてもうひとつは、バンダイナムコスタジオが主催しております「GYAAR Studio インディーゲームコンテスト」です。

こちらは、バンダイナムコスタジオの新人クリエイターがゲームを開発して発表する「GYAAR studio」という取り組みがあるのですが、そちらの延長として開催されているコンテストです。

GYAAR Studio インディーゲームコンテスト

GYAAR Studio自体はバンダイナムコスタジオ内に閉じた感じですが、コンテストによってインディーゲームクリエイターを支援しよう!という取り組みのようですね。

こちらの支援は結構詳細に支援内容が公開されておりまして、
・プラチナ賞(1作) ・・・ 最大3,000万円の開発資金援助
・入賞(6作) ・・・ 最大1,000万円の開発資金援助
・佳作(10作) ・・・ 100万円の開発資金援助
となっております。

まずはこの支援金の内容としてはかなり広く支援の枠があるのがいいですね。佳作でも100万円いただけますしね。

そして、他の支援内容の特徴としては、いろいろとあるのですが特徴的なものとして
・開発拠点「GYAAR Studio Base」のフリー利用権
・弊社のクリエイターによる受賞作品の定期的なプレイフィードバック
というのがあります。

私も「GYAAR Studio Base」にお邪魔させて頂いたのですが、こういう「集える場所」があるのはとてもいいですね・・!そして、この「GYAAR Studio Base」はバンダイナムコスタジオ内にあるので、バンダイナムコスタジオの方からの定期的なフィードバックがもらえる、というのもとても嬉しいところ。やっぱ開発してると常に「迷う」ものなので、実績あるクリエイターからのフィードバックはめちゃくちゃ心強いです。

いちばん最後に出来た支援プログラムというのもあり、他の支援策の良いところをいい感じにミックスしてると言えるかもしれませんね。あと、最近「SUPERCELL」との連携も発表されて、そちらも注目。



支援系まとめ

4つの取組みに共通するものとしては、それぞれイベントなどでのプロモーション支援などに力を入れていたりもしますね。最近では大きなインディーゲームイベントでは各社大きなブースを出されていたりもします。

あと講談社・集英社・GYAAR Studioは最終的にこの3社がパブリッシングを行うということになりますが(GYAAR StudioはPhoenixxさん?)、iGiはパブリッシング機能は持っていません。主催のマーベラス社が優先交渉件を持つことにはなっていますが、必ずマーベラスから出さないといけないわけではなく、他社パブリッシャーからでも良いし、何ならセルフパブリッシングでも良いというのが特徴です。また、iGiは他の支援プログラムと平行して応募もOKです。

というわけで、代表的な4つのインディーゲーム支援について紹介しました。。

個人的には、俺は好きにゲームを作りたいので、自分のペースで作りたいぜ!というアーティストタイプは講談社さんが向いてると思いますし、しっかりゲームの内容を作り込みたい、ちゃんとリリースまで計画的にやっていきたい!というしっかりタイプは集英社さん。そして、ゲームの内容やどうすればセールスを伸ばせるのか、いろいろ学んで良いゲームにブラッシュアップしていきたい、、!という勉学家はiGi、同じ採用同期とリアルで会って一緒に開発したりプロのフィードバックを受けたい!という方はGYAAR studio、という感じでしょうかね。なんとなくですが。

この4社については相互に色々協力したりコミュニケーションを取り合って色々活動されてて、いい感じに棲み分けされてたり、協力しあってるのでほんとうに良いことですね〜。

支援を受けるには?


まあお話が長くなりました。
このような取り組みについては、話しようとおもったらいくらでもネタはあるんですが、書いてたらめっちゃ長くなりそうなので、今回はさらっとご紹介くらいで・・。でもここ数年の日本のインディー界隈では外すことの出来ない話題ではありますね。

さて前回のエントリから3年、こういった取り組みが増えてきたのは本当に良いことですね〜。僕がゲーム作り始めた頃にもこういのがあったらなぁ・・・。いやぜったい選ばれてないと思うけど・・。

まあ、なので今はもう完全に手弁当で作るだけではなくこういった支援を受けることをまずは目指してみるというのが、大きな戦略の一つになってきているのかなとは思います。ただしまぁ、もちろん支援を受ける以上ある程度の制限なども発生したりもすると思いますので、そこはもうトレードオフになるかなとは思いますが。

そして、このような支援を受けるにはどうしたらいいか?どうすれば審査をパスすることができるのか、、。といったところはこれからの課題と言えるかなと思います。イベントなどでよくどうすればこのような支援策に採用されるのか、というのはよく聞かれます。

それがわかれば苦労はねぇ、、!と言いたいところではありますが、いくつかのポイントはあるんじゃないかなとは思います。

まずは「コンセプト」ですね。おそらくここが最も重要だと思います。僕が見てきた中でけっこう多いのが「コンセプトの要素が多すぎる」というのが多いですね。。色々なアイデアがこれでもかと入っているゲーム。それはそれで素晴らしいのですが、やはりちょっと要素が多すぎてわかりにくいし、何を軸にしているゲームなのかがわかりにくい。ものすごい数が応募されてくる中で、ひとつの企画をじーっくり見るということもなかなか難しいと思いますので、個人的にはひとつの「コアコンセプト」をとにかく磨くこと、わかりやすくすること、が大事なのかな、と思います。言い換えるとこのゲームは「どんな体験をユーザーにもたらすのか」「他のゲームと違う強み」がひとつ軸が通ってるゲームはまずは非常に「目に付きやすい」のかな、と思います。

まああとはもう、わかんないことが多いですが、やはりまあ企画書が読みやすいものはオッてなりますし、もしPVがあればそれも目を引くようになっていると有利かも。あとはプレイアブルですが、こちらももちろん完成度高ければ良いですが、こちらはどちらかというと「どう面白いのか?」がわかりやすいことが重要でしょうかね。見た目はプアーでも何かプレイに感じるものがある方が良いかと思います。

まあ総じて「面白そう」「面白い」という感情を起こさせるコアコンセプトや手触りやビジュアル、そういったところですね。それはもう最終的には完成したゲームにも同じことが繋がっていきますし、選んでくれるユーザーもそういったところ見るので、かなり直結したところなのかなと思います。



Steamについて

はてさて、なんだか支援系取り組みの解説みたいなエントリになってしまいましたが、それだけこの3年でここが大きく変わったところだなあ、、とは思います。

あとは、ここ3年で伸びたのは「Steam」ですよね。日本でもこの3年でかなりユーザーが増えてきて、インディーゲームリリースの主戦場になったと言っても過言ではないかなと思います。

Steamについてもいろいろありまして。Steamについては本当に色々やることやれることのノウハウがあります。そこが良いところでもあり、面倒なところでもあり。。

ウィッシュリストマラソン

特に「ウィッシュリスト」についてはひとつのポイントかなと。今後どうなるかはわからないですが、現状「ウィッシュリスト」が多いほど、Steamのアルゴリズムによりフルリリース時の露出などが有利になると言われています。なので、まずは最低限10,000は集めましょうと言われており、可能であれば30,000、もしくはそれ以上、あればあるだけ良い・・と言われています。

ということもあり、ゲームを作るだけではなく、この「ウィッシュリスト」をどう集めるのか、、というところがゲームリリースまでの大きな課題となっています。こちらはゲームリリースの1年〜2年前くらいから集め始める活動を開始するので別名「ウィッシュリストマラソン」などとも言われております。

どうやって集めるの?ということですが、こちらも色々な施策があるのですが現在のところこういったことを行って集めます。

・オンラインShowcaseイベントでの露出
・リアルイベントでのSteam特集ページ参加
・SteamNextフェスへの参加
・SNS等での呼びかけ
・メディア露出
・有料広告

といったところです。

まずはオンラインShowcaseイベントですが、まずは日本では「Indie Live Expo」が有名ですね。

Indie Live Expo

こちらで紹介されることによりウィッシュリストが増えたりします。特にプレミア枠などの個別特集枠での紹介は大きく数が増えます。最近では中国や北米での同時放送の方もかなり伸びてきているらしく、実際我々も最近はこの番組経由での海外からのウィッシュリスストの登録はかなり目に見えて増えております。

あとは海外系のShowcaseイベントですね。こちらは本当に数多くありますが、room6で実績のあったイベントと言いますと、オーストラリアのパブリッシャーであるFellowTravellerが主催する、ナラティブ系ゲームを紹介するイベント「LudoNarraCon」ですね。

LudoNarraCon

こちらは年々参加ハードルが上がっていますが、視聴者数も増えておりそれに伴いウィッシュリストへの影響も上がってます。
他にも、MIXやDay of the Devs、SummerGameFestaなど色々な海外イベントがありますので、そういったものにくまなくエントリーするといったことをします。

リアルイベントでのSteamページについては、こちらたとえばBitSummitや東京ゲームショウなどでは、Steam作品についてはSteam社と連携して特集ページを設けてくれます。こちらにSteamページを掲載していただくことでそこから期待の作品へのウィッシュリスト追加を促すわけです。こちらも年々こういったイベント経由での追加数は増えていってますね。もちろんリアルイベント内でのアワードに取り上げていただいたりだとかの露出や注目が増えると、それに比例して効果も高まります。

忘れてはいけないのは年3回あるSteamNextフェス。こちらもSteamページを登録するわけですが、こちらは今は1回しか参加できないので、いつ、どのタイミングで参加するかはけっこう重要です。そして、NextフェスではSteam上での配信などが出来まして、実はこれがけっこう重要でして。ストリーミング配信も出来るのですが、けっこうハードルが高いので、PVだけでも配信するとよいでしょう。余裕がありましたら、制作の様子をまとめたビデオですとか、そういう目を引くコンテンツの動画を作れれば理想です。海外ではけっこう開発者自身がゲームをプレイしてる配信動画をやってたりしますね。

あとはまあ普通にSNSなどでウィッシュリスト追加を呼びかけたり、メディア露出からというのもあります。

そして最後に「有料広告」というのもあります。
これがまあ昨今は色々難しい問題もはらんでおり、海外ではもうビッグインディーは広告でウィッシュリストを積んでいくのは当たり前の状況となっておりまして、まあかなり商業的になってるなぁという感じです。まあ商業なんですけどね。

PV

まあ、そんなこんなで大事なウィッシュリスト集めという作業ですが、まあまあ大変です。そして、それにも絡むんですが昨今ほんとうに大事なのはPVというかトレーラーですね。まあもうこれがまずはユーザーの目にはいるものですから、めちゃくちゃに大事です。ここは本当に拘ったほうがいいし、お金を掛けていいところとなります。昔からもちろん重要なものだったとは思うのですが、こういったSteamの仕組みなどを受けて、更に大事になってきていますね・・(もちろん前述の支援や、SNS反響、パブリッシャーへの受け・・いろいろと影響していきます)

中国

あとは中国の台頭ですね。いちおう公的には中国からは直接Steamに接続することは出来ません。それゆえに中国内の企業にライセンスアウトしている中国版SteamであるSteamchinaがあります。
が、おそらく皆VPNを使って本家Steamにつなぎます。Steamchinaにリリースするには版号がおそらく必要なため、本家Steamよりはだいぶゲームの数が少ないのではと思われます。(詳しくはわからないが・・)
まあ、そういったこともあり、皆Steamにつなぐわけですがもうこの3年の間に中国の伸びが凄まじいことになっており、ユーザー数トップの北米をビュンと抜き去って、現在ではユーザー数・売上ともにダントツのトップです。

そういったこともあり、Steamでリリースにはもう今は中国語へのローカライズは必須と言っても良い状況です。そしてちゃんと中国語へローカライズしてるよ、ということ自体のプロモーションも必要です。Steam内のコミュニティ機能を使うのはもちろん、Weiboなどの中国SNSを使ったり、BiliBiliなどの動画サービス、TikTokなどもですかね、いろいろなチャンネルで告知等ができれば理想的という感じです。(このあたりはまた別のエントリででも・・。我らもまだまだ手探りです)

まあそういう感じでSteam内の景色もどんどん変わっていっております。

他にもリリースまでにやることはたくさんあるんですが、まあなかなか大変になってきました。

ということで、もちろん俺のゲームは最高だから、出すだけで間違いなく売れるぜ!というストロングスタイルのスーパークリエイターの方もいて、実際本当にすごいものは、どうやっても売れるみたいなのはあるので、それも有りだと思いますが、そうでない場合は、やはりある程度の準備やプロモーションなどなどが必要になってくる(まあ可能であればだけど)という感じです。

なので、この3年でますますパブリッシャーに頼ったほうが楽な場面ってのは増えてきましたね・・。ちょっとそこは感じるところです。

まあでも、実際やることは増えてますが一人で出来ないんかって言うと、やろうと思えば出来るとはおもいますので、こういったプロモーション活動が苦ではない、嫌いではない、という人はセルフパブリッシングがやはりいちばん最強かな、とは思います。ノウハウはどんどん共有してければと思いますので、パブリッシャーを頼るもよし、自分で頑張って行くもよし、、という感じですね。


出資・支援・パブリッシャー

この3年で、日本のパブリッシャーも増えましたね。上記の集英社さん講談社さんもそうですし、最近だと産経デジタルさんが「HYPER REAL」を立ち上げられたりとかもしましたね。あとは「わくわくゲームズ」さんも最近注目ですね。。!あと大手の会社さんがゲームパブリッシングに乗り出すケースも増えましたね。松竹さんや、TBSさん、あとはアニプレックスさんなどのアニメ企業も。まあ、大手の企業は「インディー」とは言ってないかもですが。

ほかは中国系の企業が日本のゲームクリエイターにアプローチしてくることも凄く増えましたね。前からけっこうあったのですが、前は大手のテンセントやその配下の会社というのが多かったのですが、いまはテンセントの方はあまり見かけず、どちらかというとインディーゲームパブリッシャー系の会社さんが多いかなと思います。

それぞれ特徴を持った会社さんが増えてきて、本当に群雄割拠の様相を呈しておりますね。いやそんな悠長にしてる場合ではないんですけどね・・!
戦々恐々というとこはあるんですが、まあroom6の場合はまだまだ規模も小さいですし、かなり絞ってやってるところもあるので、まあ実際あまり焦ってるわけではありません。そしてroom6の主体はゲーム開発にあると思いますので、パブリッシング事業についても企画立ち上げや作り上げていくところを今後は主体としていければというのもあります。

はてさて、まあそんな状況でして、ゲームクリエイターとしては3年前と比べますとかなり「売り手市場」となったのかなと思います。相当チャンスや支援の可能性が増えてきた、、という実感。

とはいえ、支援受ければ良いってものでもないのがこのインディーゲームの難しいところなので、ぜひ支援のお話が来た時も、すぐ飛びつくのではなくじっくり条件などを検討してから決定してもらえればと思います。先日のIDCでもPLAYISMの水谷さんが契約書について講演されていましたが、とても参考になるお話でしたので、ぜひ記事などをご覧になってくださいませ。


インディーゲームイベント

これも増えましたね・・!
前は春のTokyoSandbox、夏のBitSummit、秋のTGS、初冬のデジゲー博が4大インディーゲームイベント?という感じでしたが、いまはこれに加えていくつもインディーゲームイベントが増えてます

東京/横浜ゲームダンジョン

まずは東京/横浜ゲームダンジョンでしょうか。
こちらは、2022年の夏から開催されまして、いままで東京が4回、横浜が1回介されております。

特徴としましては、まずはゆーったりしたブース配置。でかい机にゆったりとした間隔。これはもう主催者様自身がゲームイベントに多数出展されているから「わかってる」感じですね。

あとは大変にゲーム開発者フレンドリーなイベントであること。毎回改善を繰り返しており、参加者と運営の間も非常に良い関係です。

落選を出さないイベントとすることを目標にしているとのことで、どんどん参加人数も増えてきて、次大丈夫かな?とちょっと心配になったりもしますが、もしかすると次は3日間開催とか2フロアになるのかもしれませんw

どちらにしてもかなり熱いイベントだと思います。我々もだいたい毎回出てますよ。おすすめ。



TOKYO INDIE GAME SUMMIT


こちらは、インディーゲームパブリッシャーの「Phoenixx」さん主催のイベントで、場所は吉祥寺で開催されます。2023年から開催されていまして、今年で2回め。今年は「ヨカゼ」も参戦!

特徴としましては、インディーゲームだけではなく、音楽系やアニメーションスタジオなど、いろいろな企業や団体も出展していること。吉祥寺といえばそういったクリエイティブ系の企業やスタジオも多くおられる街であり、そういった様々なクリエイターがマッシュアップしている場所でもあります。

なので、単なるゲームイベントというだけではなく、そういった多種多様なクリエイティブを紹介するというのもひとつの特徴なのかなと思っています。

ステージイベントなどもあったり、今年は本当にたくさんの協賛を集めているようでかなり勢いを感じますね・・!実は僕も参加するの初めてなのでちょっとどんな感じか探ってまいりますね。


ゲームパビリオンjp

こちらはいままで関西のゲームイベントはBitSummitしかなかったのですが、ようやく現れてくれた関西インディーゲームイベントです!

場所は、梅田のスカイビル。関西人ならおなじみですね。あのあたりは今日本最後の大型再開発と呼ばれている梅田北の再開発地域でもあり、非常に良いロケーションですね〜。

内容としましては、こじんまりとしたイベントではありますが、非常に和気あいあいとした良きイベントで、久しぶりの関西のイベントということもあり人もたくさん来てくれている模様です。そして面白い取り組みといえば、イベント内イベントのような形で、あるジャンルに特化したミニイベントも開催しているところ。前回はロボゲーの特集もやっていましたね。

開発者同士の交流なども重視しているらしく、交流に飢えている人にもおすすめです。

などなど、この3年の間にイベントも増えてきて、ゲームを発表したり見ていただける機会も増えました。ゲーム開発者も増えてきていると思われますので、とても良いことだなと思います。


おわりに

めっちゃ長くなった、のでこのへんにしましょうか。何か思い出したら、追記や別記事など書きますね。

いやもうでもこの3年かなり景色は変わったかなと思います。インディーゲームクリエイターにとってはチャンスが増えたとも言えますが、ただプレイヤーも増えている印象もあり、ライバルも増えているかなと。知らぬ間にこんな凄いゲームが・・!みたいなのも増えましたし、企業系からの参入やいろいろなパターンが出てきました。総じてライバルが増えて群雄割拠という感じですね。。まあそういう意味では相変わらずサバンナと言えるでしょう。。

今回はPC/コンソール系の話ではあったんですが、スマホゲームの方もいろいろお話はあって、実際room6の主力ゲームはスマホの「ローグウィズデッド」です。こちらはお陰様でかなり好調で、いろんなノウハウがたまりました。一部昨年のIDCで開発のkoheiちゃんが登壇したりもしましたが、まだまだいろんな話はあります。こっちも面白いのでまたどこかで書けたらなと。

まあそういうわけでして、みなさま長々とした文章を読んで頂きありがとうございます。ごきげんよう、さようなら。

(2024/1/29 追記)
iGiのセクションで支援金について記載しておりましたが、現在は記載した支援金については支給されていないようでしたので、削除させていただきました。申し訳ございません・・!

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