見出し画像

Design Thinking (デザイン思考)と楽天技術研究所パリ。人は島ではない。孤独ではない。

デザインについて語ろう。


楽天技術研究所パリに関する投稿です。以前の投稿で楽天技術研究所パリ拠点のVRソリューションをご紹介しました。アートやプロダクトデザインにも通じ、新しい体験を生み出していくのが得意なチームであったりします。

楽天技術研究所のパリ拠点は、お国柄もあってか、デザイン思考を取り入れたアプローチを行っており、楽天フランスや各ヨーロッパ事業、ビジネスパートナーと一緒に研究開発を行っていくスタイルを試みています。

楽天技術研究所はあくまでもビジネス戦略にアラインした研究開発組織であり、直接のクライアント(消費者や店舗や広告主等の顧客企業)と対峙しているわけではありません。しかし、ビジネス部門とともに、クライアントと長期のパートナーシップを構築していくための触媒として様々な共同のプロジェクトを実施しています。ビジネス部門やそのクライアントのパートナーとして、相互理解を醸成し、信頼関係を構築していくことが、研究開発を進めていく上でも成功の鍵を握っています。

楽天技術研究所パリでは、仮説がありました。伝統的な技術開発のプロセスよりも、よりエンドユーザーを中心に置いたプロセスを採用し、多様な視点をとりこんだ包括的なアプローチを用いた方がより多くの関係者にとって便益をもたらす研究開発ができるだろうと。

そこで、外部の力も借りて、UX design, design thinking, design sprint のトレーニングをまずメンバーと行い、スキルを磨き上げ、そして、仮説を実証すべく実践に移りました。我々自身を高めていくために、ユーザー中心かつ包括的なアプローチが我々に何をもたらすのかを見出すために、どのようにビジネスパートナーとの関係をより未来志向的な発展的なものにできるかを体現するために。

我々誰もが誰かとつながり、協力し合い、支え合って生き、仕事をしています。仕事は人と人の間にあり、真に孤独な仕事はありません。インターネットサービスの世界では時にそれが見えにくいものではありますが、ジョン・ダンがその詩の一節で表した通り、我々は誰も広大な海の中にぽつんと存在しているような孤立した島ではありません。

パリのメンバーはそれゆえ、人とつながるための考え方と道具とは何かということについて議論を重ね、我々のエコシステムの豊かさを実感するように色々なことを試しました。考え方とは、すなわち、デザイン思考で、道具とは、サービスデザインメソッドです。

画像1

8週にわたる最初の実践で、研究開発の現状を、人間性と技術的な側面の両方を融合させていくプロセスへと変える方法を見出していきました。そして、更に一ヶ月トライアルを繰り返し、パリのメンバーは信念を深めながら、グループとして考え抜いたこのソリューションを鋭意実装しています。実のところ、我々はこのトライアルから何か具体的なものが得られるかどうかについて多くを期待していたわけではありませんでした。恐らく後に役立つ知見や経験、何らかの挑戦の記録が残ればいいと感じていた程度でした。結果として、ビジネスパートナーを含む参加者のオープンマインドを共有し、養い、楽天技術研究所パリとビジネスパートナーたちの本当の関心事を反映させる方法を学び、そしてそれらに基づく、我々の知識や考えを裏打ちしてくれるソリューションを多くここから着想することができました。

画像2

最も重要な学びは、イノベーションも高度ないかなるテクノロジーも、それを生み出していくためには、設計、開発、統合という全ての段階において人と人の交流とインタラクションこそが必要なのだということです。まさに人は島ではないのです。真に成功するためには、どれほど革新的な、どれだけエキサイティングなテクノロジーであれ、人と人がお互いに関わるという過程においてこそその価値が埋め込まれていくのだということをどの時点においても忘れてはならないのです。

画像3

楽天技術研究所パリはこの経験をもとに、他の様々なオフィスやチームにも、ここから得られたスキルやツール、ノウハウを広めていきたいと考えています。組織内の改善でも、お客様とのコミュニケーションや関係の強化でも、プロダクトやサービスの開発でも、チャレンジに一緒に取り組み、サポートしていくべく活動を続けています。楽天技術研究所のコアミッションは、研究とビジネスをつなぐことです。イノベーションに向けてこれからも走り続けていきます。

おまけ

楽天技術研究所は世界5カ国に拠点があります。他の拠点の記事も以下にあります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?