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歌声を思い出して

今日、久しぶりに歌った。

久しぶりに、自分の歌声を聞いた。

音楽講師の仕事を先月辞めてからずっと、思い切り声を出して歌っていなかったため、久しぶりに弾いたら残念になっていたピアノと同様、歌もまた、残念に感じた。

それでも、覚えたてのヨルシカさんの曲を歌うことは特に新鮮で、
思うように歌えなくても、楽しかったと思う。


今日の楽しかった曲たち


『春泥棒』

春だ。と思った。
視界いっぱいに、アニメーションのMVが流れる。

桜。花びら。川。ベンチ。本。犬(コーギー)。…

自分目線(女性)の手。隣にいる男性。

…ストーリーが浮かび上がってくる。
美しくて、気分が良くて、ワクワクして…何だか少し、切ない。

思い切り歌うことが初めてだったので、歌うことに集中したいのに
映像にどうしても心を奪われてしまい、難しかった。

それでも、サビに訪れる伸びやかな高音はまるで“春に思い切り吹く風”のようで、とても気持ちが良かった。

視界いっぱいに桜の舞う映像が広がっていたため
少しだけ早く“春”と“花見”を満喫できたような気分。


『花に亡霊』

「もう忘れてしまったかな」と誰かに語りかけるような口調から始まるので、ちょっとだけ声を作って歌ってみた。

長編アニメーション映画『泣きたい私は猫をかぶる』の主題歌だったことを、映像を見て初めて知った。

映画を観たら、よりこの曲の魅力が増すのだろうな、と思い
歌いながら、今年中に必ず観る決意をする。
そして、映画を観た後にもう一度、歌ってみよう。


『だから僕は音楽を辞めた』

テンポも速いし、言葉も多くて、忙しかった。
…でもそれが楽しかった。

気持ち的に共感できることが多くて、少しだけ胸が苦しくなったりもした。
音楽に限らず、好きなものとの付き合い方。
喜びもあるけれど、葛藤もある。

諦めたり、諦めきれなかったりを繰り返しながら、
また迷って、それでも決断して
距離感を考えながら生きているんだろうなあ、と思った。


個人的にはヨルシカさんの歌う

泣き出しそうな2回目の「間違ってないよな」と
小さく叫んでいるような「昔はそうだった」

の表現が、とても好きだ。

歌っているというよりも、
セリフが歌になったような、そんな感じ。

泣きそうな声や悲痛な叫びのようで
聴くだけの時も、歌っている時も、
自分まで泣きそうになる。

声だけで、歌だけで
感情を動かすような表現って、すごいなと思う。


最近は、新しい曲を聴いて覚えるということをしていなかった。
でもやっぱり、新しく覚えた曲を歌うのって、新鮮で楽しい。


歌っていると
聞き込んだアーティストの歌声を思い出す。

歌って自分の歌声が反響すると
自分の歌声を思い出す。

思い出のある曲は
その時の光景と、そこにいた人の声を思い出す。


色々な曲をたくさん聞いて、
自分と、色々な人の歌声を思い出して、
少しずつ、音楽のある生活に戻っていきたいな。




2024.3.8

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