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雨が落としてくれたもの

雨が降っている。

グレーの空。
いつもよりも、どこか冷たい雰囲気が増している部屋。
振動の少ない、静かな空気。

耳をすませばようやく、雨が屋根や窓に当たる音が聞こえるくらいの
静かに、音もなく降る雨。

空から雨粒をたくさん落としながら

雨は、良くも悪くも
心の起伏も、ほんの少し“下”に落としてくれる。


心の起伏、穏やかに


“感情が激しく動いている時”は
穏やかに、落ち着かせてくれる。

“もともと落ち着いている時”は
気分がいつも以上に落ち込んでしまう日もある。

そのため、落ち込みすぎるのは危険だけれど

私は、穏やかで、静かで、凪いでいる心の状態が好きだ。


どうしても湧き上がってきてしまう感情や
自分でコントロールが難しい時のように

「感情の操縦が、自分の意思ではどうにもならない時」は特に

少し、頭痛はあるものの
雨に、感謝したくなる。


そして

“静かに降る雨”というのがポイントである。
あまり激しい暴風雨だったり
雷が鳴っていたら、その時はもっと心がざわついてしまうかもしれない。


仮に、私がずっと雨の降らない地域に住んでいて
「恵みの雨だ!」となったら
むしろ反対に、喜びで感情は大きく動いてしまうかもしれないけれど

どちらにしても、ありがたいものであることに変わりはないのだろう。


心の鎮静剤


今日は、風もなくて
土砂降りでもなくて

静かに、シトシトと雨が降っていて、なかなかいい感じだ。


レッスンで生徒に勧められたアニメ『葬送のフリーレン』を観ながら

「魔法が使えたらなあ」とか
「旅がしたいなあ」とか

そんなことをフワフワと考えながら

ミルクティーとカフェオレを交互に相棒にして
ひたすら心を穏やかに保ち、過ごす休日。

…これでまた、生徒と会って話すのが楽しみになった。
アニメの続きをみるという楽しみも一つ増えた。


いくら自分で「落ち着こう、落ち着こう」と思って

お酒を飲んで寝てみたり
誰かに話そうとしてみたり
気分転換をしてみても

うまくいかない時もある。


…そんな時。

時々、定期的に降る静かな雨は、

私にとって

心の鎮静剤でもあるようだ。


いつかは止んでほしいな、と身勝手な願いも込めながら
音もなく降る雨の下で
空に向かって小さく感謝をした。

そんな休日だった。



2024.1.20


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