しょだまさし

愛知県は三河地方 御当地シンガーソングライター兼詩人 しょだまさしです。YouTube…

しょだまさし

愛知県は三河地方 御当地シンガーソングライター兼詩人 しょだまさしです。YouTubeチャンネルはこちら→ https://m.youtube.com/channel/UC3RXFn5YFHMnrYxAets7r6Q ♬糖尿病、躁鬱等の症状悪化の為療養中ですが宜しくお願いします。

最近の記事

自由詩:命と命日

長男のあなたにもあの頃 お兄ちゃんがいたのかもね いつもあなたの後をつけて オムツの匂いを嗅いでたわ 迷い込んだ蝉に怯えた あなたが泣いた時には 守ろうと間に立って 吠えたけれど飛び立つ蝉に びくついて驚いた拍子に あなたを踏んづけて 余計に泣かしちゃったり 今思えば自分は お兄ちゃんなんだと 責任を負ってたのよ あの時私は人間の命だけが 特別じゃないと教わった 気がしたものよ 早いもので五年経つねの 愛犬が天に召されてから… 家族でそしてあなたの お兄ちゃんでいてくれて 本

    • 詩:グラスを預けて

      眠れぬ夜は寝床を選ばない 一人で飲む赤ワインが 今夜は眠りを 誘ってはくれない 手放すべき遺恨を強く この身に引き寄せて 頭の中で嵐を起こし 風が紫酒色に渦巻いた 回る頭は考える 眠れない夜とは概ね 眠り忘れるべき夜なのだと 私は諦めて眠れぬ夜に グラスを預け 乾杯をした

      • 恋愛詩:ゴジラと赤っ恥

        桃白紫の中に 赤色を見つけた彼女は 蜜を吸わせてくれたけれど 体調不良の僕にはちょっと 草花の匂いがきつかった でも今日だけは部屋で寝て 過ごすわけにはいかないのだ ツツジの生垣を通り抜けて 商業施設の最上階へ上がった ところまでは覚えてる… ゴジラが火を吹く度に 手品の様に次々と花が咲き 手に取ると温かい… そこで目が覚めた ここは映画館 初デートで眠ってしまった 僕の手に彼女の手が 重なっている 僕の顔は恥と照れと喜びで きっと真っ赤になって いるのだろう

        • 自由詩:ツツジと嫁入り

          ツツジが咲く頃雨が降る 姉の結婚相手は 私の初恋の人 数年前 可愛らしい山娘の姿で 小雨降る中 姉と躑躅の蜜を 吸って遊んでいると 都会から越してきた お兄さんが傘を差し出し 山路の入口まで送ってくれた その後何度も彼に逢いに 私たちは郷に降りたのだ 古き風習の残る人里で今日 姉と彼の婚礼の行列が 青空から降る天気雨の下 白色の躑躅が連なる 山堤を粛々と進んでいた ツツジが咲く頃雨が降る 私は本来の姿のままに 山陰から“コンコン”と鳴き 祝福している

        自由詩:命と命日

          散文詩:君が残してくれたもの

          病に侵された級友から ある日絵葉書が届いた 「自分より不運な境遇に いる人も沢山いるから 今あるこの苦境は 大したことないなんて 本当に苦しい時には 考えなくていいんだよ 気力が湧いてそろそろ 頑張れそうだぞって時に そう考えればいいんだ 今の君はまだその時 ではないのだから 苦しい時こそ身を委ねて 静かに時を待つのさ」 若かりし頃そう言って 私を励ましてくれた彼は もうこの世にはいない 墓参りに訪れた山道には 葉書に描かれていた ミヤコワスレの花が 静かに日陰に咲き 私

          散文詩:君が残してくれたもの

          短歌〈テーマ〉心

          ① ときめいてキュンと鳴ったり矢も刺さる 恋する私の胸の中 ② ときめいてキュンと鳴ったり矢も刺さる あなたに恋する私の的 ③ 笑ったり拗ねたり泣いて怒ったり 僕を惑わす君の胸中

          短歌〈テーマ〉心

          恋愛詩:一本道とチューリップ

          持病の関係で私は毎週末 院内併設の緑地園を歩いて 治療に通っている 門から延びる一本の歩道脇の 花壇の前に毎週いる車椅子の イケメン男子がいつもの様に 歌っているけれど今日は 何故か赤い花を手にしている そして今日来る途中 私のイヤホンの充電が 切れてしまった為 初めてその歌声を 聴くことになったのだ 「君の心へつづく長い一本道は いつもぼくを勇気づけた♬」 祖母の大好きな曲『青春の影』 それ知ってるよと立ち止まり 話し掛けた私の顔を 驚きの目で見つめながら彼は 私にチ

          恋愛詩:一本道とチューリップ

          五行歌:タンポポは練習用

          またタンポポの絵?と言われて だって好きだもんと誤魔化した 花の絵の練習してるの 母の日にも描くから とママには言えないし

          五行歌:タンポポは練習用

          恋愛詩:改札口で会いましょう

          「私は結局前の時とほとんど 同じ様子で過ごしたわ」と 彼に言わなければならない はじめの数日は恋愛を意識せず 身軽に過ごせると楽観的になり その後これで終わりになるかも なんて不安を感じる様になり 今度はそれを打ち消す為に どうせ相手も好きにやってるし と我慢していたスイーツを 食べ漁ってみたりして また少しずつ不安になり それが膨らんできて 弾けてしまい寂し過ぎて 電話しようか迷い始めて そんな心情を見計らった様に 電話がかかってきて泣き声を 聞かせることになるそして 気

          恋愛詩:改札口で会いましょう

          恋愛詩:花と言葉と足し算と

          私達は過去の恋愛で負った 傷心を舐め合うだけの 関係だったはずなのに…  イラストレーターの私は 一枚の作品を前に嘆息した 十七本のチューリップ 花言葉は『絶望の愛』 彼を励ます中で気づけば 本気で好きになっていた 裏切られた過去の傷が疼く 彼女の傷の裏側には誠実さと 秀麗な人柄が隠れていた…  時間の問題だったのだ 僕が彼女に真愛を抱くのは また恋愛に裏切られるのは 怖いけれど寄った花屋の 人気の春花が語りかける さぁ私を彼女に贈りなさいと 四本のチューリップを手に

          恋愛詩:花と言葉と足し算と

          恋愛詩:山道に燃ゆ

          山躑躅が美しく燃えている 考え事をしていたら 仲間に置いてかれて 山道に独り佇んでいた 傍にはツツジが赤く咲いている 先日同期の女性に言われた 「貴方なんて大嫌い」が 頭の中を巡っているのだ 彼女を愛する気持ちは ずっと隠してきたつもりだが 今思えばある時期から 彼女の様子はおかしかった 二人きりで話す時は 彼氏との別れ話ばかりになり そしてあの日彼女は あれは全部嘘だったのに 何で気づいてくれないの と私の胸で泣いたのだ 山の中腹で私の恋慕が今 燃える様に咲き誇ってい

          恋愛詩:山道に燃ゆ

          (スピンオフ)小話:ちいかわ部長

          「ぶ…部長それって…」 なっ!ノックぐらいしなさい… 見られたからには 説明をせねばなるまいな 先日君のを見せてもらって 部下が興味を持つ物について 私も勉強しようと思ってな 栞を1枚手に入れたのだが… いかんせん…他のデザインをな… そう!君の言う通りメルカリでな 確認していたらつい ポチッとな… タイムボカンシリーズ? それは知らなんだが… そのアニメもポチッとする 作品なのかね?違う? まあいいとにかく私もこの ちいかわの白色が気に入って… 何?白以外のちいかわは無い?

          (スピンオフ)小話:ちいかわ部長

          恋愛詩:私を旅行に連れてって

          あなたは歳上なことを気にしていた あなたは稼ぎのことを気にしていた あなたは周りの人の目も気にしていた あなたは誰の目も気にしなかった あなたは最初好きだけど無理と言った あなたはあの時年下の自分を嘆いた あなたは少しずつ本気を信じてくれた あなたはその後も変わらずにいた あなたは数回目の告白を受けてくれた あなたは何度も好きだと言ってくれた あなたは山登りに誘ってくれた あなたは私の趣味に付き合ってくれた あなたはこれはアセビの花よと教えた あなたは花言葉をネッ

          恋愛詩:私を旅行に連れてって

          「金色の道標」:連作自由詩(屋上のアネモネ)

          『もしもしいいえ 相談事はもう済みました 誰かの悩みを聞く側に 私もなりたい そう思って電話しました』 死に場所を探し求めていた時 この生垣は白黒の壁に見えた でも今はレンギョウの黄花が 私に歩むべき道を示している 簡単なことだったのだ 何故か屋上にアネモネと 珈琲を持って現れた人に 苦しい日々に追い打ちを かけた失恋を打ち明けてから 相手の悩みも聞いてあげた ただそれだけのことで 負の願望がしぼんだのだ そして一階のコンビニで いのちの電話のカードを 見つけて帰路につき

          「金色の道標」:連作自由詩(屋上のアネモネ)

          自由詩:屋上のアネモネ

          『裏切られるのは これで何度目だろうか もう何もかもに疲れた 大好きなこの春花が 苦のない世界へと 私を導いてくれるだろう』 珈琲を片手に屋上に出ると 先客がいて様子がおかしい 「死ぬ前に話を聞かせて」 と彼女を思いとどまらせて 持参したアネモネを その手に握らせてから 失恋の苦を互いに共有し 二人で無事下階へ降りた 思いがけず人助けをして 部屋に戻ると書き置きした 遺書を破り捨てて 私は新たに購入した 白のアネモネを窓辺に飾った

          自由詩:屋上のアネモネ

          恋物語:バーデンベルギア

          「紫の花が連なる植木の側で 女性が貧血で倒れており 近場の診療所まで背負い 彼女を預けた後私は 営業先へと急いだのだが… その時から時折 赤い毛糸が私の手に 絡まって見える時がある 一年前の不思議の始まり」 『帰宅途中 誘われる様に寄った花屋で 小町藤を衝動買いし 道へ戻るとその先に 赤い紐が延びていて その方向から突然 悲鳴が聴こえた 男性が倒れた様子 一年程前 誰かに助けてもらった経験が 私の足に力を与え 「看護師です」と 叫びながら走り寄り 大事ではない事を確認して

          恋物語:バーデンベルギア