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モリマガジンvol.7 まねる論:マネベーションは日本を救う

<目次>
1.マネベーシャンとは
2.まねるとは
3.まねるシステム
4.細野さんのまねる
5.ぼくたちのルーツをまねる 
6.マネベーシャンをマネタイズ

表紙絵: ダサワミイロウ


1.マネベーションとは
文:森のマスター

マネベーションは、ぼくが勝手に作った造語で、まねるとイノベーションをくっつけたもの、今、日本は賃上げを猛烈に求めていて、苦戦をしている、どうすればよいのだろうか?、解決策は、イノベーションだ、もしもイノベーションしたものが世界中でヒットすれば、企業の売り上げは大幅アップ、利益もアップ、賃金もアップだ、ではどうしたらイノベーションできるのか?、まずは、まねること、偉大な画家ピカソは言っている、優れた芸術家になるには、まずまねること、偉大な芸術家になるためには、盗むこと、まねしたものを自分のものにすること、ぼくはいつも、偉大なる人の言葉にひれふしてしまう、たとえ考え方が違っていても、なぜだろうかと、考えてしまう


2.まねるとは
文:森のマスター

ぼくたちはなにかを始める時、なにかを求める時、まずは誰かのまねをすること、ってよく言われたり、聞いたり、まねをしていれば自分のアレンジが加わってオリジナルができる、全てはまねから始まる、なるほど確かにそうだけど、世の中にはまねたもの、似たもので溢れている、そんなものに出会った時、いつも思う、だからなに?、むかし大きな映画祭のプロデュースに言われた言葉が蘇る、えーそうなんだ、だからなに?、そん時はいらっときたもんだけど、そうなんだよね、だからなに?、なんだよね、だからこうなんだ、だからなに?、だからこう、その繰り返しでたいていの答えは見つかる気がする。

まねるということ、先日のモリマガジンvol.6で特集したシティポップは、1970.80年代にブームになった音楽で、それを少し前にテクノでリメイクして世界でヒットさせたのが、Night  Tempoさん、韓国のDJだ、日本の歌謡曲、シティポップ、アイドルの曲をテクノでリメイクした、これが盗むということだろう、だから全世界でヒットした、そうしたら当然それをまねたものたちがワンサカ出てくる、だからなに?、そこでぼくは気づいた、まねって、横にスライドするもんじゃなくて、縦に下ろしてから、上にあげるもんだってことに、ようするに、まねたいものをまねてそれをそのまま出すんじゃなくて、自分の深いところに下ろしておく、そしてまた次のものを探してまたそこに下ろしておく、どんどん貯めていく、そうすると自分のベースができる、しっかりとした、そこから世の中を見て、少し先のところで、創る、そういうことじゃないかなあと思う、今話題のトヨタだってアメリカのスーパーマーケットのしくみをまねて、スーパーを出したわけじゃない、それをベースに下ろして、カイゼンと呼ばれる最強のシステムを作り上げた、世の中にNight  Tempoはいくつもいらないのだ


3.まねるシステム
文:森のマスター

ぼくのまねるシステムは、まず世の中を3つに分ける、下から、1.「ベースとなる部分」、2.「時代の流れトレンド」、3.「少し先」に分ける、1.ベースは、自分がいいなと思う人をまねる、本を読んだり、ブログを読んだりして、その人のエッセンスを抽出し吸収する、次は、2.時代の流れトレンドは、ざっくりと社会を見渡して、例えば商売なら、他の人はどういうやり方で商売をやっているのか、ざっくりと把握する、その上で人がすでにやっていることはやらない、やってないことだけを考える、やり方が決まったら、3.自分のビジョン、目指す先を見据え、一気に全て出すのではなく、トレンドの少し先をいくような感じで、市場を見ながらちょい出し、商売をしていく、こんな感じだ、このまねるシステムはいろいろ応用が効くので、とても気に入っている、たとえば、ぼくのブログは、ベースに3人の人の本やエッセイや日記があって、それらの面白いとこ、考え方、視点、文体、雰囲気をまねている、その上で人がやってなさそうな書き方、ぼくの場合は2人でやる問答方式を1人でやる、自分で問いを立て、自分で答えを出して、また自分で問いを立てる、を繰り返し、深堀りしていく、底まで行ったら、今度は上にある自分のビジョンを見て、上へ登っていく、地上に頭が出たら、終わり、もぐら叩きみたいに、頭たたかれる前に引っ込める、こんな感じで日々の出来事から感じたことを書いている、全体的に見て利己心8に対して利他心は2ぐらいの感覚がやっている、それがぼくの中ではいい感じになっている


4.細野さんのまねる
文:森のマスター

まねるシステムのまねるのは、底にある「ベースの部分」で、その上に「世の中のトレンド」があって、一番上には、今より「少し先」を見据えたものがある、素晴らしいものは3つの層でできている、この視点で、世の中を見ると、いろいろ面白い、名付けて、まねメガネ、勝手に命名した、さっそくまねメガネをかけてみてみよう、まずは、ぼくの大好きな細野晴臣さんの名盤、HOSONO HOUSE、まもなくカバーアルバムが出される、日本国外いろんなアーティストが細野さんの曲をカバーする企画、1973年に作られたアルバムは、いまだに日本のみならず世界中で影響力がある、いろんな情報を集めて、まねメガネで見てみると、底の「ベース部分」には、サティ、ラヴェルらの古典音楽の戒律、カリプソ、ニューオリンズR&Bのリズム感、古いアメリカのポップスのメロディがあり、まんなかの「世の中トレンド部分」は、当時のポール・マッカートニー、ジェームス・テイラー、ザ・バンドの自宅録音アルバムがあり、細野さんも狭山のアメリカ村に移り住み、仲間とともに自宅録音を行なった、一番上の「その先」には、のちに細野さんが出される日本ポップ史に残る屈指の名作、トロピカル三部作、それらの根源にあるエキゾティシズムという癒し、人の本質の癒し、今人々が求めている癒しがある、しっかりと時代の先を見据えていた、HOSONO HOUSE、面白い構造になっている、縦に深く、上にも伸びる、横にも広い、厚みがあるつくり、それゆえに名盤、これからも語りつがれるだろう


5.ぼくたちのルーツをまねる
文:森のマスター

日本のまねる文化を探っていると、意外な事実に出会う、日本映画の傑作、いやいや世界の名作、「東京物語」、日本人の心の故郷、意外にベースとなる部分は、アメリカの保険会社が作った家族ドラマだったり、映画「男はつらいよ」、通称寅さんのベースはフランスの有名劇作家の戯曲だったり、日本の文化は、多くが欧米文化の上に乗っかっている、意外だ、でも待てよ、ベースとなる部分が欧米文化でなく、もしも日本文化だったら、どうなるだろうか、細野さんはヒントをくれる、「いつか自分たちの足元を見る時が来る、足元って、日本でもなく西洋でもないんだよね、歌で言えば唱歌だね、いい曲が多い」、なるほどなるほど、言葉で言えば、和洋折衷、モノで言えば、民藝の世界、和でもあり洋でもあり、時代で言えば昭和初期あたり、それをベースに今のトレンドを積み上げ、少し先を見て、創る、やっぱこれなんじゃないかと思う、創ることに関しては、売ることに関してはまた別の話になるが、世界中に大勢ファンがいるスタジオ・ジブリの作品は、まさしく、和洋折衷の上に、今のトレンドや技術が乗っかり、物語は少し先を見据えている、だからなに?という問いにも、少し先の先にあるビジョンが答えてくれるだろう、そして、風の谷のナウシカが、今もなお輝いているのは、その作品のビジョンが絶対的なとこを突いているからだろう


6.マネベーションをマネタイズ
文:ダサワミイロウ

確かに、スーパーマーケットもアメリカのショッピングモールを模した形で再構築ときいたことがある。まねる、がMoneyるだとしたら、尚更おもしろく日本語的には真似るのはマネタイズと深い関わりがあるのかもしれない。
人体を創成した遺伝子プログラムがあるとしたら、人類はみな個々の在りかたで原初のアダムカドモン(原人間)をまねているのだとも言える。しかしながら、霊的経済原理。あるとき、この言葉に触れて、それら仕組みはどうなっているのか。天界の創成からして、つまり、真似る中に恩恵の代わりとして経済原理が産まれた。次々と世界を継承して行くそのうちに繁栄の礎が築かれて行った。やはり、まねることは、イノベーションなのだ。マネベーションとして一対をなすwordの結びつき。深く、うなずく。
モリノマスターの絶妙な造語には舌を巻かれるような思索の跡が追って辿れもしないのだが、なんだか啓示みたいに降ってくる天使の羽みたいな軽さがあって香ばしいのだった。
ぼく自身は、模倣衝動がある幼児期に代表される、コピーをなんでもかでもしてしまう模倣体質を持てることが、この集合意識全盛時代にとてもしあわせな事とさえ思われる。全コピー&ペーストをその都度アートに用いることが出来れば、とてつもない創作ができるであろう。とか、なんとかおもい思われ津々浦々。




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