219日目 抜釘手術のための入院 ~顔~

転落事故で救急搬送され、2カ月の入院生活を終え、退院してから6カ月ほどがたった。実家での療養生活を経て、職場復帰することができた。車の運転もできるようになり、自分の行きたいところに自由に行けるようになった。開放感を味わう。心配をかけた人に挨拶にいったり、同窓会に参加したり、会える人には会えるうちに会う、がモットーになっていた。

さて、今日は顎と頬に入っている金属プレートを除去する手術のために、入院する日だ。長く入院生活をしていたので、入院セットの準備はばっちりだ。前回は緊急だったので、入院に必要なものの用意は家族がしてくれた。今回は前回とは別の病院だ。隣の病院、といってもいいくらい近い。

朝10時前に入院受付に来てくださいと言われていたので、夫に車で連れて行ってもらう。手続きをすると、8階に行くよう指示があった。病棟につくと、東京カランコロンのせんせいに似たかわいらしい看護師さんが迎えてくれた。ベッドに案内される。窓際だ。日の光が浴びられる、窓際だ。荷ほどき、整理の後、体温、血圧をはかる。手術の同意書の提出を求められた。

しまった、忘れた。

看護師さんも夫もぎょっとした顔でこちらをみる。入院セットの準備はばっちりとかいいながら、肝心なものを忘れてしまった。なんてこった。申し訳ないけれど、夫に家までとりにいってもらう。ごめんなさい。

昼食は12時前にきた。魚のフライ、キャベツ、つけもの、おひたし、ごはん、味噌汁。箸は持参で、自分で洗って保管するシステムだ。シャワーは予約制になっていて、シャワー室の前のホワイトボードに自分の部屋番号と名前を書き入れる。15:30の枠に記入した。テレビカードは買わず、本を一冊持ってきた。話題の「君たちはどう生きるか」。手術前の今日しか読めないだろう。左目の近くを切開するのだ。読むなら今のうちだ。

読み終えた。夫が手術同意書を持ってきてくれた。シャワーの時間がきたので、シャワー室へ。ドライヤーが、古いビジネスホテルや銭湯にあるものよりちゃんと強い風がでるもので、感心した。

夕食までの時間は、ラジオを聴く。ちょうどくるりの岸田さんが生ライブをやっていた。勝手に手術前の応援ライブだと思って、じっくりと聴く。


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