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クリスマス・イブの東京で、『チーム・ジンバブエのソムリエたち』を観て、ワインを30分飲んで帰った話。

みなさん、メリー・クリスマス!🎅⭐🥂

さあ今年も、1年でいちばん高いワインが飲める、このイベントがやってきましたよ!(イエスもびっくりの新解釈)

▶ 昨年のクリスマスに飲んだ「高ワイン」はこちら

今回も例にもれず「いいワイン」を飲んでいるわけですが、それはまたどこかでまとめるとして、今回の記事のテーマは、「クリスマスワ活2022」でございます。

今年のますたや家は、ワインの映画を観てきました。
ワインにまつわる映画を観てワイン飲んだら、すんごい楽しかったので、ここにご報告したいと思います!🍷

※ 映画の内容に関してはネタバレなしの記事ですが、全体の構成や筋書き程度には触れています。また、わたしの個人的な感想についても述べているので、前情報まったくなしで観たい方は、鑑賞後にお楽しみください!

チーム・ジンバブエのソムリエたち
2022年12月16日 公開 絶賛上映中
地域によっては、これから封切のところもあるようです。あまり長い期間の上映ではないと思われるので、行かれるご予定のある方は、1月初旬をめどにどうぞ。

クリスマスイブ2022のワ活は、映画を観ようということになりました。
チーム・ジンバブエのソムリエたち』、正真正銘のワイン映画でございます。

主軸に描かれるのは、毎年フランスでおこなわれる「ブラインドテイスティング・コンテスト」。ここに、史上初の黒人チームであるジンバブエのチームが参戦することになります。
ワイン不毛の地、ジンバブエ。この国にルーツを持つ陽気な4人のソムリエが、コンテストに向けて切磋琢磨していきます。そんな彼らの姿と、コンテスト当日の様子、そしてその後までを追った、ドキュメンタリー映画。

実はドキュメンタリー映画って、わたしあんまり観ないんですね。というか、映画をそもそもそんなに観ないんです。映画館に行くのは、年に5回くらい。決して苦手なわけじゃないし、観ると楽しいこともわかってるんですが、なんせ2時間座っていなきゃいけないと思うと反射的に緊張するんですよ…(基本落ち着きがない)

だから普段は本とかラジオとか、自分のタイミングで好きなときに閉じることができる作品を選びやすいです。クラシック音楽やミュージカルはよく行くんですが、それはたぶん、作品の見通しが立つから。こと映画となると、そう慣れていないこともあって、毎回どうも腰が重いのでした。

というわけで、映画を観ることにそこまで気乗りしないし、しかもクリスマスイブにあえてのジンバブエ?とも思ったりして、実は映画を観ようと言われたときには、「え~、また今度…」と渋っていました。
そんなわたしに、夫が言い放ちます。「絶対に行く」。まじか。

そう。うちの夫氏、実は大の映画好き。今でこそ貴重な休日をすべてワインに全振りしている彼ですが、そうじゃなければ本当はひとりでも、映画鑑賞に出かけたいひとなのです。

というわけで、「いや、なにがなんでも行く」と言い張る夫に連れられて、クリスマス・イブで華やぐ銀座の町を駆け抜けました。
東京のクリスマス、本当に華やかですねぇ。あちこちにクリスマスツリーがあって、イルミネーションがきらめいてて、街ゆく人々も心なしか浮足立っているように見えます。
はっは~ん、さてはみんな、今夜はいいワインでも飲むんでしょう?!(たぶん違う)

こうしてたどり着いたのが、『ヒューマントラストシネマ有楽町』です。こんなところに映画館があったことも初めて知った、ミニシアター。
さあ、微妙に渋りながらやってきたわたし、90分後には、一体どういう感情になっているのでしょうか――

――そして90分後

いやめちゃくちゃよかった…!!!(ちょろい)

いや~~~、よかったです。これ、いい映画でした…!

テンポがよくて全然集中が途切れないし、ドキュメンタリーのわりに起承転結のある構成もいい。ワインにまつわる話や風景が次々に現れてくるのは楽しいし、ブドウ畑のすがすがしさも、車窓に流れる街の風景も、どれもリアルな情景としてそこにあるのがよかったです。たぶん、ワインにそんなに詳しくない方でも、十分に楽しめるんじゃないかなぁ…!単純に感動したり、すごいなーと思ったりすることもできる、楽しい映画でした。

なによりもよかったのが、登場人物たちの背景にある文化や歴史の存在が、じわじわと描かれて行くことでした。一見陽気で楽しい彼らですが、物語が進むにつれ、それぞれがこれまでに辿ってきた人生の重みが見えてくるんですよ。「ワイン」を軸にしていながら、実は本質的には「社会」や「文化」の重みを描く、骨太な作品となっていたのでした。

国の違い、文化の違いのなかでは、どうしても理解しがたいことはあると、わたしは思っています。誰もが大切にしている「正義」があって、文化が変われば、あるいは、生まれや育ちが変われば、「正義」だって簡単に変わり得る。これはなにも国籍の違いに限った話ではなく、同じ民族、同じ文化圏、同じ言語圏にいたって、理解し合えないことはいくらでもあります。

Twitterで見かける意見の違いに、瞬間的に憤怒することがあります。人からの指摘を受けて、ひどく傷つくことがあります。身近なひとの価値観の違いを知って、「わかってないな」と思うこともあります。ニュースで見かけたできごとに気持ちが落ち込んだ翌日、そんなことを忘れて平然と暮らしている自分に気づいてぞっとすることもあります。

でも、その「違い」を内包しながらも、理解しようとし続けたい。わたしはそのために「この人」の考えを、感情を、痛みを、歩んできた人生を、できる限り想像し続けたいと願っています。
それは「誰か」のためなんかじゃなく、ましてや「優しさ」なんかでもなく、狭量なわたしがこの世界で幸福に生きていくための、数少ない選択肢なんだと思います。

――と、そんな考えが、映画を観ているあいだ、じわじわと脳内を巡っていました。きっと観るひとによっても、見る観点や感じる感情がまったく違う映画なんじゃないかなぁ。物語の背景に流れる普遍的なテーマ設定が、観る人それぞれの「大事な部分」に触れるような、そんな作品だったと思います。

夫氏は夫氏の観点でいたく感動していて、なんならパンフレットまで購入してました。

パンフレットには、文化人類学者から見るジンバブエの歴史や、南アの日本人生産者「ケイジ・ワイン」の佐藤圭史さんのコメントなどが掲載され、さらに物語に厚みが加わってすごくよかったのですが、

実は少し前にアフリカーさんでいただいた無料のフライヤーが、「ほぼ同じ内容」だったことにあとから気づきました。フライヤー、気前がいいかよ…!

パンフレットのほうが装丁が豪華になり、寄稿文が若干(2名分)増えています。ちなみにわたしは、その増えた記事を読んで腑に落ちたところがあったので、結果的には大満足でした!

パンフレットの購入は映画の売り上げを後押しすることになりますので、いい映画を観たらパンフレットを買いたい派ではあるのですが、
みなさまがご購入される際には念のため、一度思い起こしてみることをオススメいたします。「最近アフリカーさんに行ってなかったっけ?」と――


そんなわけで、すがすがしくもしっとりした気持ちになりながら、映画館をあとにした我々。有楽町のイルミネーションが、地上の星のように輝いています。

「・・・・なんか、ワイン飲みたくなった」「わかる

ワインの映画を観て、ワインを飲まずにいられるかーい!

というわけで、乾いた喉をワインでうるおすため、有楽町の高架下にあります『nomuno』さんで駆け込み1杯をキメてきました🍷

こちらのお店は、立ち飲み形式のワインバーです。30分間1500円と、定額制でワインが飲み放題にできるというユニークなコンセプト。しかもフードの持ち込みも自由なので、ワイン会前にちょっと時間をつぶすなんてときにも大変使い勝手のいいお店なんです。ありがたみ…!

いやぁ、いい映画を観たあとって、感想を共有したくなるじゃないですか。ときには議論や解釈もしたくなるじゃないですか。そんな面倒くさいオタクである我々に、気楽なワインが寄り添ってくれるなんてそりゃもう、最高の時間すぎるんだよなぁ…!

まずはロゼカヴァで乾杯!
「そういや最近飲んでないな~」と言いながらミュスカデをいただく
以前飲んで美味しかった超ハイコスパのルーマニア・ピノノワール「ラ・ヴィ」。どんな味だっけ?と思い出し飲み。やっぱり美味い。これが1000円台は破格…!
チーズたっぷり(※トッピング)のボロネーゼも最高

というわけで、きっちり30分間だけ、楽しんで帰りました。ほんとに30分で出ても、全然嫌な顔なんてされません。むしろ、来月のワインラインナップも丁寧に教えてくださったりして、こりゃファンが増えるわけだ…!ごちそうさまでした🍷

nomunoさんはいくつか店舗があるのですが、有楽町店はヒューマントラストシネマから徒歩5分ほどでうかがえますので、映画を観たあとのワイン処としても、ぜひお使いください。絶対ワインが飲みたくなるのでね…!(断言)

▶ 12/30配信の回では、チーム・ジンバブエのネタバレありの感想をお届けする予定です(収録はこれからです)。よかったら、映画を観たあとにでもお聴きくださいませ!

【余談】イベント割 ムビチケ作品共通券

なお、今回の映画鑑賞は『イベント割 ムビチケ作品共通券』なるものを使って行きました。Twitterのタイムラインで知ったのですが、ほんとTwitterのタイムラインはなんでも教えてくれる…

今般1900円となっている映画料金。このチケットだと、なんと1200円で鑑賞できます。いま話題の『すずめの戸締り』なんかも対象映画になっているようです。(すずめの戸締りも大変すばらしい映画でした)

コロナワクチンの接種証明書をスマホでアップするだけで利用できますので、年末年始に映画を観られるみなさんは、利用の対象かどうかをご確認の上、ぜひお使いくださいませ✨


それでは、引き続き素敵なクリスマスの夜をお過ごしください🎅⭐うちは今夜は高ワインですよやったーー!
3000円ワインの民ますたや、年末年始は3000円ワインの民返上じゃーーーい!(※年が明けたらすぐに戻ってきます)

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■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)、夫婦で1本を分けあって飲みます。2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得、2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパート・WSETLevel2(英語)を取得、現在はWSETLevel3(英語)に挑戦中の、ワイン大好き夫婦です!

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