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欠陥品であるという武器【自己紹介:出生~学生時代編】

自己紹介note。
客観的に自らの人生について振り返り、出来事の意味を改めて考察し論理立てることは、今後の人生における道筋をつける上でも有用だと思い、つらつらとnoteにまとめてみる。

欠陥品であるという武器【出生~高校】

まずは自らの生い立ちについて。
この場では先天性の身体障害者として生まれたことに焦点を当てたい。
当時は意識的に考えられていなかったが、今振り返ってみると、この「障害者」であるという身体的特徴は、自身のモノの見方や考え方を形成する上でとても大きな因子だったと思う。

病名は「ファロー四徴症」という心疾患で、3歳で心臓にメスを入れる大手術をしたが完治はしなかった。
小中学校は、親の意向もあり健常者の通う一般的な公立校に通わせてもらったが、心臓に過度な負荷をかけられないため、駆けっこや鬼ごっこの児戯をはじめ、サッカーやバスケなどのスポーツにもほとんど参加することができなかった。

地方の小中学校の男子というのは、運動神経の良さこそがヒエラルキーの全てみたいな世界観があり、その土俵にすら上がれない中、友人となってくれる子を探したり、対等な立場で友情を育むのはなかなかにハードなミッションだった。子供たちは障害者に対する大人的な配慮も無いためいじめもあったし、スクールカーストを生き抜くためには、幼いながらも打算的に賢く立ち振る舞う必要があった。

言い換えれば、自らの立場を客観的に捉え、その立場を向上させるためのベストなアクションを思案する実践をしていたとも言え、この時期にそのような経験ができていたのはとても良かったと今では思っている。

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人生で一番モテてた時の写真


その後、高校では価値観も多様化して世界も広がり、駆けっこが全てという世界観ではなくなりとても生きやすくなった。

障害を持つメリットを間接的に感じ始めたのは高校に入ってから。
障害者に対して発行される「障害者手帳」を持っていると、公的機関等で料金の優遇などを受けられる特典がある。中でも映画館は本人と同伴者(正確には介護者という位置づけ)がいつでも900円で観賞できたため、映画を見に行きたい高校生に自分(が持っている障害者手帳)は引っ張りだこで、当時クラスで一番可愛いと噂されていた女子よりも頻繁に映画に誘われていたのではないかと思う。この特典は、宿題や掃除当番を代行してもらうという取引にも使えることに気が付き、交渉の仕方を学ぶ良い機会になった。

また、小中学校での経験からマイノリティーの立場で物事を考える癖が身につき、当たり前とされている物事の中にある小さな違和感や矛盾に気づく視点を持つことは、創作活動においても役立つことを国語の作文や美術の作品制作を通して知ることができた。

健常者の中で生活できる程度の軽度な障害だからだというお叱りもありそうだが、ウィークポイントというのは、他では真似できない希少な経験を積める好機にもなり、捉え方次第で大きな武器にも転換できると気づいた。


頑張らない。夢中でいる。【大学・大学院】

大学、大学院では建築学を学んだ。
建築を選んだ理由は、実家が一戸建ての住宅を2軒建て、「ハウスメーカーに依頼したピカピカな2軒目の家よりも、地元の建築家と工務店に依頼した1軒目の家の方が良かった」と両親が常々話しており、その2軒で実際に暮らしていた身として住空間の違いに興味を持ったから……というのは建前で、理由のほぼ9割は、オシャレな職業に就きたいという短絡的な考えだった気がする。

もともと勉強はあまり好きではなかったが、建築学は「頭の中のアイディアを、手を動かすことでカタチにできる」のがとても面白く、学生時代はアルバイトの時間以外は全て学業に費やすような生活をしていた。
おかげさまで、国から奨学金を貰ってスウェーデンの王立工科大学というところに1年ちょっと留学をさせてもらったり、卒業設計や学外コンペでいくつか賞を頂いた。

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「卒業設計日本一決定戦」という大会で日本二(631作品中)に。
卒業設計『記憶の器』については下記のnoteにもエッセイを載せてます。


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「木愛の会 第二回設計競技」で、最優秀賞(107作品中)に。
間伐材の丸太をある秩序で乱立させることで現象としての内部空間が形成されるという作品。最優秀賞の作品は実際に施工される約束だったが、広い敷地が必要だったため、代わりに優秀賞の作品が実現化した、未だに悔しい作品。


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住空間ecoデザインコンペティション Real Size Thinking」で、最優秀賞(214作品中)に。
被災地で使用できるバス停の提案。最優秀賞を頂き、実際に1/1モックアップも作ることができた。



最終的に、大学院の卒業時には特待生に選んでもらい、授業料の免除や奨学金の全額返済免除までしてもらえた。

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JASSO(日本学生支援機構)から借りていた奨学金が全額返済免除に。
この選考は大学ごとで定員が決められており、東大の中から選ばれるのはなかなか大変なので自慢!


地元の公立小中学校では、5段階評価の成績が2と3ばかりで地頭も悪く、パッとしなかった自分が大学でそれなりの成果を出せたのは、好きなことであれば努力をすること自体を努力だと認識せず、学び続けることができたからだと思う。

「頑張らないといけない、頑張って成長しないといけない」と考えるよりも、その行為を夢中で楽しみ続けられることが、結果的に成果にも繋がるとこの頃から考えるようになった。ただ、楽しめることを見つけるためにトライアンドエラーを繰り返す努力は必要かもしれない。

社会人編はこちら



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