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もう議員の要望を聞くのはやめませんか?〜役所のみなさんへ

 市民のみなさんにとって、役所に要望したいことは色々あるはず。中には実際に要望した経験がある方もいるでしょう。ですが、そのような時、役所側の対応は門前払いとは言わないまでも、なかなか色良い返事が返ってくることは少ないかと思います。ならばと全く同じ内容の要望を、議員を通じて行ったところアラ不思議!即実現したなんて話も。

 僕も議員になって実感していますがコレ、実話です。実際に何回か市民からの要望を役所に伝えたことがあります。内容にもよりますが、即実現したこともあります。こんな時、僕は市民のお役に立てた嬉しさや達成感もある反面、正直、とっても複雑な気持ちにもなります。というのは、これって果たして良い事なのか悪い事なのか?と思うのです。

 まず、役所が議員の要望を特別扱いしがちな理由については、1人の議員の声はその人に投票した何千人、何万人に値するものと考えるからのようです。確かにその理屈は分かります。でも何かおかしくないか?とも思ってしまうのです。全く同じ内容でも、誰が言うかによって対応に大きな差が出る。つまり、内容よりも誰が言うかの方が重要なの?と。

 で、またこれが議員にとっては力の源泉になっている訳です。悪い言い方になってしまいますが、この力に群がる支援者が現れます。でも、効率良く利益を得るための当然といえば当然の行動とも言えます。このことの行き着いた先の代表的なものが、故安倍元首相のモリカケ問題です。

 前にも書きましたが、議員が行う要望は、ある特定の人の利益ではなく、市民全体の利益に繋がるものでなければなりません。とはいえ、議員からすれば、大変お世話になっている支援者からのお願いは断りにくいのが本音でしょう。たとえ明らかに特定の人の利益しかならない要望であってもです。ま、僕みたいな新人末端議員にはそんな要望が来ることはありませんが(笑)。逆に、そういうお願いが来るということは、実力が認められたということになるのかも知れません。

 だから僕はいっそのこと、議員は市民からの要望を一切受け付けてはダメだと規定された方がいいような気もします。議員は市全体に関わる広い視点での政策提言のみに専念して、その内容、実績で評価される。現実的には無理ですけどね。市民からの要望なのか、議員自身のものなのかは客観的に判断できないので。

 それにしても役所側は、たった1人の市民、どんな小さな市民団体からの要望であっても、必要性、妥当性で判断して、施策を実行してもらいたいものです。そうすれば、議員を通じて要望する必要はなくなるので。

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