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中国におけるフリーランス事情

研究生と進めるこの企画。今回は以下の記事を要約してくれました。
網易数読.“自由職業後,我開始羨慕996了”. 自由会客庁.2022-05-25.
キーワード:フリーランス(自由職業者)、出勤(上班)

若者は働くのが嫌いで、自由を求める

一世代前の人から見れば当たり前のことである出勤が、数多くの若者から見ればつまらないと感じるのである。

卒業したばかりものの、もう出勤したくない若者も少なくない。ただし、出勤したくないとは働きたくないという意味ではなく、フリーランスで生計を立てようとするのである。2021年の卒業生から見ると、会社で就職する学生が6割弱で前年より減っているものの、フリーランスの比率が約2倍になった[1]。

また、フリーランスを選んだ理由といえば、56.2%の人が「時間を自由に使えるから」と言われ、40%以上のフリーランスはシンプルな人間関係と自由な職場を求めているからと答えた[2]。

自由をゲットする前に貧しさに打ちのめされた

多くの人が仕事を辞めてフリーランスになるとき、「自由は代償を伴う」ということに気づく。まずはお金の不安である。半数近くのフリーランサーの月収が5,000元(95,596円)未満だという[3]。高待遇を探すのが難しいことに加え、多くのフリーランスの収入が極めて不安定である。さらに、会社員と比べてフリーランスが受けた社会保障も十分ではない。社会保険のいずれも加入していないフリーランスが35.4%いるのに対して会社員が4.5%しかいないという [4]。

自律できないとフリーランスになれない

43.6%のフリーランスは「職業が長期的な計画を形成しておらず、将来の発展について混乱している」と感じている[2]。そして、フリーランスになってから仕事が楽になることがないし、仕事のストレスが多くて生活リズムが乱れてしまうと思われる。自律がきちんとできないと、単なる効率が下がるだけでなく、体調が崩れる恐れがあるという。

つまり、職場の代わりに他の場所で働きたいということが求められている。フリーランスを憧れるものの、自分の状況、また周りの環境を踏まえて真剣に検討した方がいいと思う。フリーランスに関心を持つ側と、フリーランス側との情報・経験の交流も重要だと考えている。

中国でも会社ではなくフリーランスを選択する人が増えているようです。逆に言えば、フリーランスとして働く環境も社会保障はさておき、少なくとも仕事上では整ってきたということでもあるでしょう。

松下の雑感

[1] 智聯招聘.(2021). 2021大学生就業力調研報 .

[2] 尹沢軒.(2019).自由高収入/不穏定不規律/孤独焦慮?——2019自由職業者生存発展報告. 国家治理(08),9-15.

[3] 艾媒咨詢.(2022). 2022年中国霊活用工行業市場調研分析報告.

[4] 楊偉国, 呉清軍, &張建国等. (2021).中国霊活用工発展報告(2022):多元化用工的効率、霊活性与合規. 社会科学文献出版社.2021.


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