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【エッセイ】なんでもない話

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楠木の豆腐メンタル以外のエッセイをまとめています。
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好きだった人の結婚式に行った話

好きだった人の結婚式に行った話

3年ぶりに会ったその人は、最後に会った日と全く変わっていなかった。バージンロードを歩く姿はぎこちなく、緊張が伝わってきた。

私にその話が来たのは2年ほど前のことだ。
「りりちゃんの作風が好きだから、ウェディングフォトを撮って欲しい」

当時、私はアマチュアながらあちこち出向き、ポートレートからスナップまで色々と撮影していた。誰に評価されることもなかったが、カメラだけはずっと地道に続けていた。そん

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黄色い花が舞い散る春の日に、家族親戚、犬までがみんな集まって集合写真を撮る夢を見た。子らは遊び、大人は談笑している。私は微笑みながらファインダーを覗くのだった。
いつか人生の幕を下ろす時、またこんな夢を見ながら目を閉じたい。

続くはずだったもの

続くはずだったもの

続くはずだったものが途切れる。
予定されていた未来が来ないことを目の当たりにした時に、私たちは失ったものを認識する。

LINEは便利だ。登録されている友達の誕生日を教えてくれる。忘れっぽい私はこの機能を重宝している。
今日も何気なく私は誕生日欄をチェックした。

【誕生日の友達1 T島(仮名)】

私は思わず目を見開いた。

T島は、2年前に死んだ。
バイク事故だったらしい。詳細はわからない。彼

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ここに来るときはいつも雨が降っている。
否、雨が降っているから来たくなるのか。

大きな窓から見える景色は、晴れていたらさぞかし綺麗だろうが私はまだ見たことがない。

大切なもの

大切なもの

空に光る星を君と数えた夜
あの日も今日のような風が吹いていた

あれからいくつもの季節越えて時を過ごし
それでもあの想いをずっと忘れることはない

大切なものに気づかない僕がいた
今胸の中にあるあたたかいこの気持ち

(大切なもの 山﨑朋子)

モノ、匂い、そしてメロディ。
それらがトリガーになって瞬間的におでこの裏側に記憶が蘇る。
この曲を口ずさむ時、私は初恋を思い出す。

彼女はかっこよかった

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