楠木 莉里

仕事がつらい会社員。 双極性障害・適応障害闘病中。 デザイン・ライティングの勉強始めま…

楠木 莉里

仕事がつらい会社員。 双極性障害・適応障害闘病中。 デザイン・ライティングの勉強始めました!

マガジン

  • 豆腐メンタルすぎて病院に行った話

    お豆腐メンタルすぎる私が病院を受診して治療していく過程をつづった、現在進行形エッセイです。 病院で適応障害と診断され、半年の休職を経て現在は徐々に社会復帰をしつつ転職活動中。

  • 【エッセイ】なんでもない話

    楠木の豆腐メンタル以外のエッセイをまとめています。

  • 私の好きなもの

    このコーナーは、私が好きなものを発信することで、同じものが好きな人と繋がりたい、というコンセプトで、私が好きなものを勝手に紹介するだけのコーナーです。

最近の記事

  • 固定された記事

好きだった人の結婚式に行った話

3年ぶりに会ったその人は、最後に会った日と全く変わっていなかった。バージンロードを歩く姿はぎこちなく、緊張が伝わってきた。 私にその話が来たのは2年ほど前のことだ。 「りりちゃんの作風が好きだから、ウェディングフォトを撮って欲しい」 当時、私はアマチュアながらあちこち出向き、ポートレートからスナップまで色々と撮影していた。誰に評価されることもなかったが、カメラだけはずっと地道に続けていた。そんな折の依頼だった。 大好きな尊敬する先輩の大切な瞬間を任せてもらえたことが、す

    • ひとめぼれして、靴を買った。 某有名スポーツメーカーの9,999円のランニングシューズは、社会人1年目の安月給には少しばかり躊躇う値段だったけれど、1週間たっぷり悩んだ末に注文をした。 多分、私は新しい景色が見たかった。 好きをつきつめて就いた職業だったけど、現実は思ったよりもがんじがらめだ。 そんな私を、新しい靴はきっと遠いところまで連れて行ってくれる。 息を切らして朝の空気を吸って、生きていることを確かめたかった。心に隙間を作りたかったんだ。

      • 転校

        *** 全く知らない土地の全く知らない人ばかりの学校に転校した。 午前の授業が終わり、昼休みになった。何もかもが新鮮で、学食も購買もシステムが全くわからない。わたし以外はもうみんな友達グループができていて、ひとりぼっち。ひとりぼっちには慣れっこだ。昼休みの終わる時間だけをかろうじて隣の席の男子に聞いて教室を出た。 1人で校内をぐるっと一周する。 食堂で温かいうどんが売っていた。 今日は小雨で肌寒かったから暖かいものが食べたかったけど、女の子グループが並んでいてやめた。人気な

        • 微かな失望とともに、今まで私を縛っていた現職への未練や執着がスッと消え、胸の奥で何かが動き出したのを感じた。 弾性のある長い何か。例えるならば引き伸ばしたヨガポール。それがうねりを伴って動き出した。 山に囲まれた雪国で生活したい。 もっと“私”を活かしたい。 さあ、仕事を探そう。

        • 固定された記事

        好きだった人の結婚式に行った話

        • 微かな失望とともに、今まで私を縛っていた現職への未練や執着がスッと消え、胸の奥で何かが動き出したのを感じた。 弾性のある長い何か。例えるならば引き伸ばしたヨガポール。それがうねりを伴って動き出した。 山に囲まれた雪国で生活したい。 もっと“私”を活かしたい。 さあ、仕事を探そう。

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        • 豆腐メンタルすぎて病院に行った話
          11本
        • 【エッセイ】なんでもない話
          5本
        • 私の好きなもの
          5本

        記事

          私は本を読むのが早いタイプで昔から褒められていたから、なんとなくそれを誇りにも思ってたんだけど、 3日で40ページしか読めない先輩が、「その分、通勤中とか空き時間にもその小説のことを考えて世界観に入っていられる」と言っていて、素敵すぎた。

          私は本を読むのが早いタイプで昔から褒められていたから、なんとなくそれを誇りにも思ってたんだけど、 3日で40ページしか読めない先輩が、「その分、通勤中とか空き時間にもその小説のことを考えて世界観に入っていられる」と言っていて、素敵すぎた。

          ラーメン

          まだ今月はラーメンを食べていないな。 ふと思い立った休日の夕さがり、私は重たい腰を上げて外へ出た。 昼間は曇っていたが、今は青空がのぞいていた。 太陽はすでに傾いて、アパートの壁にオレンジ色に差していた。 駅を越えて裏道に一本入る。 ラーメン専用写真投稿アプリで調べたところ、この通りにあるラーメン屋が市内で2番目に人気らしい。 急な坂道をくだり、少々帰り道の心配をしながら曲がりくねった道を進む。 「ついた」 想像よりずっと洒落た外観の店に到着した。 店内はコの字型のカウン

          ⑩氣のはなし

          はじめにこんにちはこんばんは。楠木です。 今回は、 豆腐メンタルすぎる私が心療内科・精神科のある病院を受診した話 ⑩氣のはなし です。 私は中学生の頃から、気分の落ち込みや自己嫌悪などの症状で苦しめられていました。 22歳。社会人2年目の秋に、仕事のことを思うと涙がでて過呼吸になり、仕事に行けなくなりました。 病院を受診したところ適応障害と診断されて休職が決まりました。 今回からは休職中に私が元気になるために試したことを紹介していきたいと思います。 ⚠️あくまで個人の

          ⑩氣のはなし

          ⑨疲労の話

          こんにちは、あるいは、おはようこんばんは。 お久しぶりです、楠木です。 今回は、 豆腐メンタルすぎる私が心療内科・精神科のある病院を受診した話 ⑨疲労の話 です。 異様な疲労感専門学校で3年、入社してからもうすぐ2年、この業界に身を置いて5年目の夏のおわりことでした。 疲労で何もできない日が徐々に増えました。 片付けができない、ゴミをゴミ箱に捨てられない、皿をシンクまで持っていけない、と、昔からのズボラで悪いくせが出たと思っていた。 そのうち、開けた引き出しを閉められな

          ⑨疲労の話

          期待することを辞める

          どうして私がつらい時、誰1人として私の隣には居てくれないんだろう。 つらい、悲しい、苦しい。 自分だけが可哀想な気がして涙が出る。 最近、心の体調が回復してきたと思っていたがそれは違った。同僚が私を連れ出してご飯を食べてくれ、先輩や上司に支えられてなんとか普通の生活を送っているだけだった。かろうじて仕事に行って、なんとか帰ってきてご飯を食べる。 久しぶりにひとりぼっちの休日を過ごす。 今日一緒にいる予定だった友人は、別の友人の誘いを断れずに東京へ行ってしまった。 他人に

          期待することを辞める

          黄色い花が舞い散る春の日に、家族親戚、犬までがみんな集まって集合写真を撮る夢を見た。子らは遊び、大人は談笑している。私は微笑みながらファインダーを覗くのだった。 いつか人生の幕を下ろす時、またこんな夢を見ながら目を閉じたい。

          黄色い花が舞い散る春の日に、家族親戚、犬までがみんな集まって集合写真を撮る夢を見た。子らは遊び、大人は談笑している。私は微笑みながらファインダーを覗くのだった。 いつか人生の幕を下ろす時、またこんな夢を見ながら目を閉じたい。

          続くはずだったもの

          続くはずだったものが途切れる。 予定されていた未来が来ないことを目の当たりにした時に、私たちは失ったものを認識する。 LINEは便利だ。登録されている友達の誕生日を教えてくれる。忘れっぽい私はこの機能を重宝している。 今日も何気なく私は誕生日欄をチェックした。 【誕生日の友達1 T島(仮名)】 私は思わず目を見開いた。 T島は、2年前に死んだ。 バイク事故だったらしい。詳細はわからない。彼は留年していたから、元同学年とは思われず私たちに学校から連絡はなかった。 葬式も

          続くはずだったもの

          ここに来るときはいつも雨が降っている。 否、雨が降っているから来たくなるのか。 大きな窓から見える景色は、晴れていたらさぞかし綺麗だろうが私はまだ見たことがない。

          ここに来るときはいつも雨が降っている。 否、雨が降っているから来たくなるのか。 大きな窓から見える景色は、晴れていたらさぞかし綺麗だろうが私はまだ見たことがない。

          ⑧心理検査の結果を聞けなかった話

          回復傾向にあったメンタル仕事も再開して軌道に乗り始め、上司にも相談した。そして何より、信頼している同僚に相談をした。 同僚は、私が引きこもって食事を摂っていないのを心配してか、買い物に連れ出してくれたりご飯をいっしょに食べたりしてくれていた。 2週間ほどかかって、私はかなりメンタルが回復してきたのを感じていた。 ご飯を食べる、ちゃんと寝る、他人と過ごす。 たったそれだけのことが満足に出来ていなかった。そう気付かされた。 最近あんまり泣いてないな。もしかしたら、私はこのままケロ

          ⑧心理検査の結果を聞けなかった話

          大切なもの

          空に光る星を君と数えた夜 あの日も今日のような風が吹いていた あれからいくつもの季節越えて時を過ごし それでもあの想いをずっと忘れることはない 大切なものに気づかない僕がいた 今胸の中にあるあたたかいこの気持ち (大切なもの 山﨑朋子) モノ、匂い、そしてメロディ。 それらがトリガーになって瞬間的におでこの裏側に記憶が蘇る。 この曲を口ずさむ時、私は初恋を思い出す。 彼女はかっこよかった。そしていつも孤独だった。艶のある長い髪、アーモンドみたいな目に、健康的に焼けた

          大切なもの

          豆腐日記 なにがしたいかわからない

          このコーナーは豆腐メンタルシリーズ番外編です。 私、楠木の心理状況を暴露するだけの記事の第一弾です。 なにがしたいか、わからないみなさん、休日はどうお過ごしですか? 私はなにもしていません。 何がしたいのか、何をしたらいいのか、さっぱりわからないんです。 以前の私は、カフェめぐり、パン屋めぐりが趣味でした。ひとりで愛車に乗って穴場でおしゃれなお店を見つけるのが楽しい。予定のない休日はそうやって過ごしていました。 休日が楽しめない休日が楽しめなくなったのは今年の7月ごろ。

          豆腐日記 なにがしたいかわからない

          また理由もなく、落ち込んでしまいそうになる。そういう時は何かを作るにかぎる。 創作欲で脳みそをいっぱいにする。

          また理由もなく、落ち込んでしまいそうになる。そういう時は何かを作るにかぎる。 創作欲で脳みそをいっぱいにする。