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20240114 学会での若手とシニアの交流 日本原子力学会の場合

 本日も飲み会に関する資料集めをしておりましたが、そこでみつけたのが以下の会議報告でした。

【書誌情報】
羽倉尚人・伊下信也・成田 隼 2008 肌で感じた エネルギー教育の重要性!君は飲み会の席で原子力が語れるか?「学生とシニアの対話in東京」より. 日本原子力学会誌ATOMOΣ, 50(4), 258.

 論文ではなく1ページの会議記録ですが、期せずして「学生とシニアの対話」というgenerativityにも関連する内容だったので読んでみることに。

【会議の概要】
 秋も深まる11月末,にぎやかな学園祭の一角で,学生連絡会とシニアネットワークの共催企画である「学生とシニアの対話」が武蔵工業大学で開催された。今回は,武蔵工大を中心に,東大,東工大,東海大,神戸大,東京海洋大から30名を越える学生が集まり,原子力・エネルギーについて活発な「対話」が行われた。また,平成20年度,武蔵工大に新設される原子力安全工学科の先生方も加わり,原子力分野での魅力的な学科作りや,将来の原子力教育のあり方について議論が交わされた。さらに,武蔵工大出身の衆議院議員・大畠章宏氏にもご講演いただいた。

 調べてみると日本原子力学会は会員数が6150名で結構多いですね。
 世代による組織は「学生連絡会」「若手連絡会」「シニアネットワーク」の3つが存在するようです。
それぞれに「加入の条件となる年齢・学年・卒後の年数」などが存在するのかをざっと確認しましたが、若手もシニアも明確な基準は存在していないようにみえました。

学生連絡会: 

若手連絡会: 

https://aesj-ygn.org/

シニアネットワーク: 

 心理学関係の学会で「学生の会」「若手の会」が存在するところは結構あると思いますが、「シニアの会」があるのは自分は知らないです。
 おそらくですが学会の組織として各種委員会などにシニアが集まるのは自然なことですが、それとは独立してシニアが集まるネットワークを組織しているのは珍しい気がします。こうした組織が他の学会にもあるのかを知りたいと思いました。
  会議報告で取り上げられていた「学生」「若手」「シニア」の意見交換会は現在でも行われているようで、generativityの視点からその様子を拝見したいなあと思いました。

 で、具体的にどのような「対話」がなされていたのかを記事から確認すると…

 対話を終えた学生からは,エネルギー教育,特に原子力に対する知識の少ない一般の方々にどう説明するかが重要であることを感じた,という感想が多数あげられた。そうした感想を聞いてシニアの方から「友達と飲んでいるときに,エネルギー問題について語り合うことはあるか?」と質問を投げかけられた。これに対し,学生は「あまり話題にすることはない」,「飲み会の席でエネルギー問題や原子力について話したことがあるが,あっさり拒絶されてしまった」と経験を告白。シニアの方は,「若年層への教育も大切であるが,まずは自分たちの仲間と語り合うことも重要であり,それが一番身近な活動ではないか」と提起した。

 まあ基本的にはエネルギー問題や原子力に関わらず、「研究している専門に関する話題」をいきなりそのまま飲み会で話題に出すと拒絶されてしまうだろうなあと。飲み会で話題に出して興味を持ってもらうためにはまず専門知識をわかりやすくかみ砕く池上彰スキルやYoutuberスキルが必要であり、しかもそれを飲み会の文脈で適切に盛り上がるように提示するソーシャルスキル的なものも必要になるのだろうなあと。
 まあでも、そうしたものがあったうえで飲み会でそういう語り合いができると、「新たな気づきや意識の変化を得られる」期待があるのもまた確かではと思います。
 
 いずれにせよ、ここで挙げられていた若手とシニアのやりとりは学会が良い方向に進んでいくためにはよいものだと思いますので、いろんな学会でこういう語り合いが開かれるようになるとよいのになあと思いました。

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