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猫型配膳ロボットと、ベローチェのゼリーを前にすると人はみな平等

「それを目の前にすると、人類はみな平等」というものがある。
一つは、コーヒーチェーン「ベローチェ」のコーヒーゼリーだ。

わたしはたまった仕事や細々した作業(オンラインでできる何かの登録など)、noteの執筆、読書などをカフェですることが多い。もちろん家で作業するよりも多少お金がかかるのだが、誰かがいる空間というので集中できるのと、美味しい飲み物や空間そのものが好きなのでよく利用している。作業をしないときも、ただただじっくり美味しい飲み物や空間を楽しむこともあって、外出先でちょっと時間があったり、良さそうな喫茶店を見つけた時は入ることも多い。

作業をするときは作業をするときにベストなカフェというものがある。
もちろん、空席の目立つ混んでいない所が大前提で、店員さんが客を良い意味で見ていない(チェーン店が多い)、飲み物の種類は少なすぎず、価格は安めが嬉しい。そして、客層が老若男女良い感じだと最高。

その典型的なカフェが、わたしの自宅近くにあるベローチェです。
ベローチェって関東に多いんですね。私は関西出身なので、東京に来てベローチェの店舗の数に驚きました。

広い店舗かつ、人の少ない時間に店を訪れて、作業をしてふと店内を見渡すとコーヒーゼリーを食す人の多さに驚く。ベローチェのコーヒーゼリーは、注文してからゼリーの上にソフトクリームがぎゅっと絞られる。ご機嫌に歓談を楽しむマダムも、仕事の合間に涼みに店内に入ってきたであろうOLの方も思い思いにコーヒーゼリーをつるんつるんと楽しんでいる。先日、サラリーマンのおじさま二人組が「あっちい~~」と言いながらわたしの隣の席に座ったので、ちらりと横目でみると二人ともがコーヒーゼリーを頼んでいた。二人組は立ち食いそばのごとく、つるるるるん、とゼリーをたいらげ、さっと出ていった。
その潔さに、「かっけぇ~~」と謎に思ったものだった。
このほか、作業現場の服を着たおじさんがレジでソフトクリームが乗ったコーヒーゼリーをそうっと大事そうに席まで運ぶ姿などを見るのも実に良い。(ベローチェはセルフサービス)

そう、ソフトクリームが乗ったコーヒーゼリーを前にして、人はありのままの姿を見せることができる(壮大)。

ベローチェのコーヒーゼリーはそういう意味で、なかなか良いものだ。と思っていたのだけれど、昨日、同様のシーンをわたしは見つけた。

そう、すかいらーくグループでよく稼働しているあの猫型配膳ロボットである。
テクノホライゾン株式会社が製造しているこのロボットを巡っては、
ツイッターなどで時給が123円とのことでさまざまな観点で賛否両論を読んでいた。まあ、わたしはこんなにも飲食業界ホテル業界を中心に人手不足になっている今、チェーン店などでこういうロボットを導入することは良いことだと思うんですよね。結局選ぶのは消費者であって、ロボット配膳が嫌だと思うならばその店の利用をやめればいいという話だと思っている。この場合、選択肢は消費者に委ねられている。(もちろん、そういう人手不足という課題を社会としてどうしていくのかという別の問題はある)

昨日訪れた「ジョナサン」(めちゃくちゃ久しぶりに行った)では、
店舗内に猫型ロボットが2匹、縦横無尽に動いてせっせと働いていた。
私の左隣の5歳くらいの女の子とお母さんはビールやおつまみ、お子さんのデザートを頼んだようで、ピーヒャラピーヒャラと音をたてながら猫型ロボットが席まで近づくと、女の子は「かわいい~~」と言いながら猫型ロボットをそっとなでた。お母さんはビールなどを料理をとりながら、微笑ましいという感じでその様子を見ていた。

す、すごい。

わたしの記憶では、日本と共存するロボットの代表例というとペッパー君(古い)で止まっていたが、ロボットとの共存ってこういうことなのか??

一方で、わたしが食事をしていたら店内に入ってきた金髪のおじさまは、猫型ロボットに初めて接するようで、料理をとった後にどこを触ったらいいのかわからないという様子で、ロボットの耳の部分を押したり、戸惑っている様子だったが、無事に猫ロボットが「お食事楽しんでくださいね~~」みたいな事をいいながら戻っていく様子を見て、ほっとしているふうだった。

さらにその隣の50代くらいの女性(見過ぎや)は慣れた様子で猫型ロボットから迅速にパフェなどを慣れた手つきでささっと取って猫を見届けていた。手なずけている…。

ちなみに左の親子はお母さんはささっとビールを飲み干し、お子さんはデザートをぺろりと平らげるとさっと帰って行った。

そして、その次の老夫婦とおぼしき男女二人組がその空いた席に座ったときだった。またもやピーヒャラとうたいながら猫型ロボットが生ビールとワインを運んできた時、
おじさんがビールを取る途中で猫型ロボットが帰ろうと、急きょくるりと向きを変えた。
おじさんは「おお~あぶねえなあ」とははっと笑いながら向きを変えて、ビールを取っていた。

ね、猫型ロボットすげ~~。
これが人間でも、おじさまは「ははっ」と受け入れただろうか(偏見極まりないし、多分受け入れてる)。配膳しかできないロボット、という認識かつ、可愛い猫の形という物体を目の前にして人はみな平等だった。

それが何だ、とお思いの方もいるでしょう。
でも、わたしみたいに、こういう「そのものを前にすると人はみな平等」というものを見つけると「いいもの見たな、今日はいい日だ」みたいに思う人間もいるってことです。笑

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