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UXの絶え間ない改善を、DXを起こしにくい日本企業で実現するために

こんにちは、beBit 事業戦略室 室長の矢部です。このnoteでは、事業開発や社内での取り組みを発信しています。

過去2回のエントリーでは、beBitが提供しているUSERGRAMに対するお客様の期待と、その期待にお答えできていない理由というのを分析してきました。

お客様の中にあるボトルネックを解消するサービス

前回の記事で書いたように、日本企業がデジタルを活用し、継続的に顧客への価値提供を改善し続けることができないのは、その人事体系や意思決定の構造に要因があると考えられます。

そうであるなら、もし本気で日本企業を"UXを重要な要素であると考え、デジタルを活用して顧客への価値提供向上を実現しようとする"会社に変えるのであれば、その「企業内に存在している要因(ボトルネック)」を解消するソリューションを提供することが必要ではないか・・・と私たちは考えるようになりました。

こういったソリューションは、戦略コンサルティング会社や総合コンサルティング会社が既に一部取り組んでいる内容です。そもそも、beBitがUXに注目したコンサルティングを提供するようになったのも、日本市場においてDXが重要なテーマとして取り上げられるようになったことが一つのきっかけです。


既に多くの企業が何らかのソリューションを提供している領域に新たに参入するにあたっては、お客様に対してユニークな価値を提供できるかどうかが何よりも重要になります。他社ができなくてbeBitであれば出来ること/得意なことは何か・・・?そう考えると、結局のところbeBitのコアの能力である顧客を中心した体験設計(beBitではUCD: User-Centered Designと呼んでいます)こそが何よりの差別化要因であるということに気がつきました。

お客様の変革を実現するにあたっては、詳細かつ包括的な計画も必要となりますし、組織体制の変革も必要になります。また、計画を実行するためのITシステムの整備も必要になるでしょう。しかし、これは「顧客に最上のUXを提供する」ことそのものを保証してくれるものではありません。当初の意図とは違い結果として組織変革そのものが目的となってしまったり、実行過程で目指している方向とは違う方向に進んでしまうこともあるでしょう。

そこで、beBitでは「最上のUXを提供するためにサービスを継続的に改善する」活動をお客様とご一緒することを通じて、お客様自身の変革も実現するようなアプローチを採用することにしました。このアプローチは、すごく簡単に言ってしまえば以下のプロセスを継続的に繰り返します。

① 改善の企画立案や実装を、beBitの伴走付きで体験する 
② 立案した企画や施策が効果を実現することで、改善プロセスが正しかったことを実感する
③ beBitの伴走を必要としないように、徐々にお客様内のCapabilityやプロセスを改善していく
④ 価値を理解した方が、社内で伝道師のように価値を広めていく

このアプローチは時間がかかりますし、最初は改善の及ぶ範囲も狭くなってしまう。しかし、これまでのUX改善施策の提供を通じた経験から、日本においては大上段から「UXとはかくあるべき」と言う提言をするだけでは十分ではなく、それぞれの現場で日々活動をされている方々が、その価値を理解することが重要であるとbeBitは考えているのです。

”UXグロース”を提供する組織の立ち上げ

上ではサラッと書きましたが、このような結論に至るまでは社内で数ヶ月間の議論を行いましたし、パイロット的に提供をしたお客様からのフィードバックを受けて複数回の検討の見直しを行いました。また、提供しているソリューションは継続的に見直しを行っており、beBitとしてもソリューションが完成をしたとは全く考えていません。お客様の状況も常に変わっていきますし、我々の能力も拡張されているので、もしかしたら「完成」と言えるような状況は永遠に訪れないかもしれません。

beBitではこのソリューションをUXグロースと名付けて、新たなビジネスの核として育てていこうと考えています。変化への対応が遅いと言われがちの日本の大企業ですが、この領域に対する関心は非常に高く、多くのお客様からお引き合いをいただいています。

その増え続けるご要望にお答えするために、beBitでは"UXグロースコンサルティング”と言う組織を2021年より立ち上げました。この組織はこれまでのUCDと外部からの獲得したコンサルティング能力を組み合わせて、お客様の組織変革を実現する専門部隊です。まだまだ人員が足りず、継続的に採用活動を行なっている状態ですので、もし興味を保たれた方がいたらぜひコンタクトをいただけると嬉しいです。

ちなみに、今回ご紹介したサービスの考え方や実践方法についての詳細を紹介する書籍を2021年9月に出版することになりました(私は執筆者ではありませんが・・・)。UXグロースの考え方にご興味を持たれた方は、ぜひ手に取ってみてください。


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