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料理で、自分のご機嫌をとれる人になる

令和に入り、今後もっと積極的にトライしてみたいことの1つが

一人でレストランフルコース

です。
職業柄(フードエディターです)、
リサーチのためでなくても一人で飲食店に入ることはあるんですが、
一人フルコースってのは、なかなかハードルが高い。
出張先で取材のために……という機会はありますが、
経験値の少なさをちょっぴり恥ずかしく感じています。

ある時、フードジャーナリストの小松宏子さんが
「大阪出張の際、気になっていた【hajime】の予約が取れたので、一人、来訪したところ、
あまりの美味しさに、途中で涙があふれそうになった」と
話すのを聞いて地味に大感動してしまいました。
大御所の食ライター小松さんが、
一人フルコースを楽しんだばかりか、感動して泣きそうになったとは。
一人でワインをオーダーし、
一人でスタッフから料理の説明を聞き、
一人で料理と向き合う。
…………という一連の流れを、どこか「しんどいな」と考え、避けていた私は、
それらを果たした上、落涙寸前に至るまで
料理と向かい合った小松さんは
本当にすごい、追いつけないと感じたのでした。

しかし、今ならもしかしたら出来るかもという気がしています。
なぜなら、仕事だからという以外に

結局、自分のご機嫌を取れるのは自分しかいない

という気づきを得たから。
ご機嫌が不調にある時、食は最強の手段です。
これはファインダイニングだけでなく、
自宅での一人ごはんでも同じではないでしょうか。

食べる理由が業務というならいざ知らず、
美味しいものを味わうという行為は
自分に対する最高のご褒美。
まるで「孤独のグルメ」の主人公、
井之頭五郎さんみたいです。

仲良しの友やラブラブの恋人と味わっても食事はいいものですが、
やはりそこには、多少の気配りや思惑が入り混じり、

味を堪能し、料理の奥に想いを馳せる

という原始的な喜びから遠ざかります。
この時ばかりは、スマホからも離れた方がいいんでしょうね、たぶん。

昨今、テレビやSNSの世界では、
健全に不条理への怒りを叫んでいる人に混じり、
個人的な不機嫌を
土俵入りの力士が手にする塩のごとく、撒き散らしている方も多く見かけます。
私ももしかしたら、職場や家で不機嫌の塩をまいているのかも……。怖。

ヤバいと思ったら、一人グルメに走りましょう。
抗えないいら立ちにさいなまれたら、
とびきりいい店に行って食事をします。
それでも収まらないなら?
もう、一人旅ごはんしかないでしょうね。
時間とお金と料理で自分を甘やかし、
私は、
自分という厄介者のご機嫌をとれる大人に成長したのだ!
と、胸を張りたいと思っています。

#令和元年にやりたいこと #料理 #レストラン #フード

フードトレンドのエディター・ディレクター。 「美味しいもの」の裏や周りにくっついているストーリーや“事情”を読み解き、お伝えしたいと思っています。