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【読書感想文】その農地、私が買います

ついに読み終わりました。
結論、なかなか根深い問題でした。

始まりは、東京在住の著者が、父親が実家(愛媛)の農地を、太陽光発電の会社に売ることになったことを知ったことから始まります。
著者の父は、著者(次女)にこのことを知られたら大事になると、秘密裏に物事を進めていました。
結果バレて予想通り大騒ぎになるんです。

家族間の考え方(価値観)の違い、近隣との考え方の違い、東京と地方での文化や考え方の違い・・など違うものが多すぎて、なかなか一筋縄ではいきません。

わたしも大阪生まれの大阪育ちなので、どちらかというと著者と同じような考えを持っているんですが、地方には地方の、田舎には田舎のルールというか生きていく術というものがあり、そのタブーを侵してしまうと、村八分という恐ろしいものが待っているんだなと恐怖を感じました。

地方には地方の、田舎には田舎のルールや価値観、生きる術があると先ほど言いましたが、これが良い意味では地域の結束・団結力、悪い意味で若者が外に出てしまう原因なのかなとも思ってしまいました。もちろん働く場所がないとか他の要因もあるのかもしれませんが、インターネットが発達し、そこで見える世界と現実とのギャップの大きさを感じるのかもしれませんね。

わたしは田舎暮らしをしたことがなく、前にも書きましたが「人生の楽園」というテレビ番組が好きで、早期退職した人が田舎で畑仕事をしながら近所の方の憩いのカフェをしたりして、「いいなー、いいなー」って指をくわえて見てるんですが、もしかするといいところだけ切り取って映しているのかもしれませんね。こればかりは想像でしかありませんが。

田舎の問題はさておき、著者が他に語っていたのは、
・山を守る(定期的な伐採)人がいなくなり、人間と動物の境界線がなくなったことで、山の動物が町まで下りてくる問題
・畜産や養鶏の問題
・F1種という、品種改良された子孫を残せない種のこと

色々、考えさせられました。

わたしが住んでいる町も、どんどん田畑が住宅や倉庫に変わって行ってて、この先10年後、20年後にはどうなっているのかなーって思うんです。

田畑が無くなって、農家が減ってきて、輸入にばっかり頼るようになったときに、今回みたいな謎の疫病とかで食料が入って来ないってなったら、どうするんだろうなぁー。

農業でも漁業でもそうですけど、形のいいもの、規定のサイズのものしか売れないとか聞くじゃないですか?
あれもどーかと思うんですよね。

今日も、節分だから手巻き寿司にしようと思ってキュウリを買ったんですけどね、心の中で「本当は旬のお野菜じゃないんだけどなー」「やたら真っすぐで美味しそうに見えないなー」「いぼいぼが全くないし」って思いながら、でも・・って買ったんですけどね。

トマトも見た目が真っ赤でも、トマトの味がしなかったり。

ついつい楽してスーパーで買っちゃうけど、ちゃんと食材を選ばないといけないなぁーと感じている今日この頃です。

読書感想文から少しそれてしまいましたが、物事には見る角度によって色んな見方があるんだなというお話でした。

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