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映画のはなし:行って帰ってくるだけじゃない!『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

2016年のアカデミー賞は盛り上がりましたね。個人的に。ジョージ・ミラー先生の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が最多6部門受賞した年です。ちなみに、主演男優賞を『レヴェナント』でレオ様が受賞したのもうれしかったし(受賞スピーチの最後はなんとも……だったけど)。
ホント、2016年の授賞式は楽しかった……。
どうせならV8してほしかったけどね。マッドマックスに。

今年のアカデミー賞授賞式は、長編アニメーションのデル・トロ先生の『ピノッキオ』は受賞確定として、『トップガン マーヴェリック』がどこまで賑やかしてくれるかが今から楽しみで仕方ありません。
マジでトムちんに功労賞あげてほしいよ。

というわけで、上映期間中は何度も映画館に足を運んだ『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。

トッカーターこと、ヒュー・キース=バーンがイモータン・ジョー様としてシリーズに復帰してるとか、シルク・ドゥ・ソレイユみたいなみょんみょんしてる人たちがステキとか(本当にシルクの人もいたらしい)、炎を吹き出すギター+大量のスピーカー搭載トラックがイカつくてイケてるとか、肩のこぶしかお友達がいないニュークス最高!とか、ぶっちゃけストーリーとしては行って帰ってくるだけの話だよね!とか、まぁいろいろあるんですけど!!

簡単に言うと、マジで最高!!!!ってことですよ。

そしてなにより、当初からジョージ・ミラー御大が「モノクロ版のが最高だから」とおっしゃっていた、「ブラック&クロームエディション」。
どうしてもスケジュールが合わなくて上映で観れなかったのですが、Blu-rayはソッコーで買いました。
そして思った。

おっしゃる通り、モノクロ版、さらに最高。

くすんだカラー版も、もちろん何度観ても面白いし、あの勢いとイカついビークルたちで押し切る感じはたまらないのですが、モノクロになった瞬間、すべての画がとてつもなくアーティスティックになる。
特に、フュリオサ大隊長が砂漠で膝をついて叫ぶシーン。
「VOGUE」かな?ってくらいに美しくて芸術的。

イモータン・ジョーさまの本拠地、シタデルを中心としたディストピア感も倍増するし、ウォーボーイズのスケキヨ並みの白塗りの異様さも際立つ。
砂嵐のグラデーションも繊細で美しいし。
もちろん、水のない枯れ果てた大地の中でもシタデル内だけに緑がある、という画から入る情報は制限されてしまいますが、それを引いても余りある映像美。めちゃくちゃモード。
一時期、とりあえず家で何か音が欲しいなと思う時に、BGVとして流してたくらい好きです。
配信されていないので、もしかしたら観ていない方が多いかもしれないのが本当に残念!

ちなみに『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の裏話で私が一番好きなのは、

オーストラリアで撮影してたけど、季節外れの大雨で撮影地がお花畑になって仕方なくナミビアで撮影再開した。

ってことです。
群を抜いてこのエピソード好き。
お花畑って!!なんだよ!かわいいかよ!!!

そしてアカデミー賞で6つのオスカーを手にしましたが、本作でアクション映画の編集を初めて担当したジョージ・ミラーの奥さん、マーガレット・シクセルの言葉が最高なんですよね。

「男が編集するとほかのアクション映画との違いがなくなる」

ジェンダージェンダーって叫ばれる昨今ですけど、こう言えるのって素直にかっこいいと思う。
470時間あったフィルムを120分にまとめたのも、マジで超人だけど。
そら編集賞獲るわ。


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