オランダからドイツにお引っ越し

ジョブサーチイヤーのビザが切れるのも93日と100日をいよいよ切った。

生活をどうしようか分からなかったので、このビザが切れるまでオランダ生活やりきろう、と日本に帰るつもりでプロジェクト精算をしていたら、調子が上がってきたようで、このままオランダで生活を継続できる兆しが見えてきました。

活動内容としては、とにかく色んなオーガナイズをしました。
グループ展の企画で人を集めたし、マーケットに出店して一人でお店もやった。アトリエも借りて、シェアできる仲間を集めてコントラクトパーソンにもなった。お金も人もとにかく巡るようになった。(とはいえ生活できるほどの利益はまだない。)

でも、色んな場所や人とイベントで毎日が充実して、自分自身のバランスがすごく整った。

ADHDで自律神経失調症で摂食障害もあったしパニック障害もあって、生活そのものがままならない時期を経て、オランダで出会った長期恋愛の彼氏は既婚で泥沼恋愛。その後も出会って親密になる人はみんなアル中ジャンキー。自分の人生酷かった。とにかくとにかく乱れていて、それをものすごく変えたかった。

そして最近ようやく変われたと思う。

悪い所を見抜く力がついてきたと思うし、自分を毒から守るための境界線を張るスキルがついてきたと思う。


ものすごくいい時期に、環境をステップアップした方がいいのかもしれない。

挙げてみれば住む環境に不満はある。もっと友達が欲しいし、もっと質の良い遊びがしたいけど、なんか違う。でも、長年住んだことで知っている安心感や落ち着きが愛おしい。

恋愛でもそうなんじゃないか。不満はあるものの、関係のスタートを切ってかけた時間と居心地を終わらせるのが惜しいからその場所を選ぶ。

でもどこかのタイミングで、そんな不満を一度リセットして、新しい環境に自分を置くことって必要で、その環境の変化が外から巡ってくることって本当にありがたい。


というのも、ベルリンに住む学校の同期の仲良しが、一緒に家探そうって誘ってくれたんです。
無言で分かり合える仲とはこのことで、共通の音楽の好みがあるからか、何か通ずるものがある。
普段連絡とるわけじゃないんだけど、私がたまに電話をかけて、彼女はいつも応答なしで、テキストで話す日取りを決める。

私は先週、ここ最近のプロジェクトをやり切って、疲れと溜まったストレスで気怠い1週間を過ごしていた。笑えるくらいひどい金曜を過ごし、スタジオで一人ワインを一本開けることにした。(ワインを自分で開けるために飲むなんて何年ぶりやら)シェアスタジオなのになんで誰もいない。親しい友達はなんで誰もきてくれない。そんなことも心によぎることもないくらい、ロッテルダムの孤独な生活には慣れて開き直っていた。

ボトルを半分飲み明かした頃、ベルリンの仲良しに電話を入れることにした。彼女が出ないのは知っている。でもまあ近況報告のきっかけ作りになるからと電話すると案の定出ない。

ただテキストの返事がいつもより嬉しそうだった。
なんだかいちゃついて、また電話する日取り決めようーということになって、今日月曜。13時にかけよう、ということになった。

なんの近況報告もする前に、彼女は一声目からベルリンで一緒に住む計画を話し始めた。

最初は話半分でファンタジーくらいのつもりで聞いていたけど、彼女が本気で説得し始めてきた。

それでいよいよ、自分のコンテキストを振り返ると、確かに今ここでオランダでフリーランスビザを申請するのかベルリンでアーティストビザを申請するのか考え直すべき気がしてきた。

というのも、オランダでフリーランスビザを出すにあたって経済的な懸念がある。私の場合学生のうちである2年前に事業登録をして、会社の経営としては赤字。残高証明の4500ユーロもギリギリ。
ビザ取得後の2年間で4500ユーロを下回らないように生活をすることはバイトをしたりなんやらで可能だけど、それって自分がリサーチし続けていたアートから遠ざかるのでは。ここ数ヶ月はその両立を目指していたけど、経済的や商業的な数字が念頭にあっては、やはり洗練された良いものは作れない。

オランダのインクルーシブなアートシーンはとても平和で素敵だけど、これまで刺激や成長は得られなかった。とはいえ着実性や現状維持の安定感を身につけることができた。

5年間の間に、辛くてどうしようにも後味が悪い縁も気にならなくなるくらい自分の生活を大逆転させた。

そうして今、非常に満たされている。こんなにありがたいことってないと思えるくらい仕事も自分の仕事の基盤も、人間関係も家族の理解も。
でも、この状態が、自分のポテンシャルの最大限ではない。
ポテンシャルを磨けるくらいには、スタートに立てたくらいの準備万端な段階だ。

こんなタイミングで、最高のインスピレーションをくれる友達からの誘い。

ずっと都市部で活動しなくてはという意識があったので、今こそ移動するタイミングなのかもしれない。