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かすがい食堂/伽古屋圭市





積読本📚の中から、伽古屋圭市さんの小説「かすがい食堂」を拝読しました📖´-
(2024,1,8 読了)



本書は読友さんからいただいた一冊。
正月休みらしい休みもなく、あれよあれよと年始を迎え疲弊していたのでとにかく軽やかなものが読みたくて本書を手に取りました。



心身ともにダメージを受け会社を退職し、祖母が営む駄菓子屋を継ぐことになった主人公。
駄菓子屋にくる子供たちが色んな問題を抱えていることに気付きなんとか救えないかと駄菓子屋の傍らで食堂も始めることにするといった内容の物語です。



少し強引な展開だと感じるところもありますし、主人公のお節介さにドン引きするところもあるけれど全体的にハートフルで心温まる物語です。
前に拝読した「子供たちの光るこえ/香葉村真由美」を思い出しました。
子供のいない私には関係ないと知らないふりをしてもいいのだろうけれど、なんとなくそんな気にもなれません。
親だけではなく、この物語のように周りにいる大人たちがもう少し子供たちのことを考える必要があるのだと思います。



私よりもう少し前の世代には近所のお節介なおじさんやおばさんがいて煩わしかったりもしたでしょうが、みんなで子供たちを見守っている感じだったようです。それも今となっては大切なことだったのかもしれません。
私が子供の頃くらいから近所づきあいというものは段々と減っていき、両親が共働きという家庭が増え鍵っ子と呼ばれる子供たちがいて。
そういう私たちが大人になり親になり子供を産んで、その子供たちが根深い問題を抱えているのが現状。
プライバシーの問題とかもあるのでなかなか難しいところもあるけれど、本書の主人公のようなお節介さを少し見習いたいものです。



私が関東に住んでいた頃行きつけの居酒屋があったのですが、そこで様々な人間模様を垣間見ることができました。
その中で今でも心の片隅に引っかかっている子供がいます。
当時5歳だったその子はとても複雑な家庭環境に育った子でした。お父さんと一緒によくその居酒屋へ来ていたのですが、いつも寂しそうでまともな食事もしていなかったようにも見受けられました。
私もやっぱりほっとけなくて、よくお家に呼んだりしていたなと本書を拝読しながら思い出しました。
私が帰福してしまったので今はもう連絡が途絶えてしまったのですが、中学生くらいになっているのかなぁ。どうしているんだろう。



本書を拝読して食って大切だなとも改めて感じました。
生きる基本ですし、食を通して人の心が癒されることも多々あると思います。

わたしたちは「食は栄養を摂るもの」という思想に、ルールに、囚われすぎているのではないか。

「呪われた少女が望んだもの」より




本来食事は楽しくするもの。
今私は食に関わるお仕事をしています。
子供たちとの関わりはほとんどないですし、私が料理を作っているわけではないけれど、お料理とともに楽しく食事できる空間や癒しをご提供できるように心がけていきたいものです。




物語のテーマは重々しいものですが、全体的に軽やかでさらさらと拝読できる一冊でした。




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