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こちらあみ子/今村夏子





図書館から借りた今村夏子さんの小説
「こちらあみ子」を拝読しました📖´-
(2023,9,27 読了)




実は本書を拝読したのは2度目です。
去年の12月頃に1度拝読していたのですが、その時は自分の中で消化しきないまま図書館へ返却してしまいました。
なぜまた再読しようと思ったのかというと、文庫版の解説を町田康さんと穂村弘さんが書いていることを知ったから。
お二人の解説を拝読したら、「こちらあみ子」という物語をもう少し理解できるかなと思ったのです。



風変わりなあみ子とあみ子をとりまく人たちを描いた物語。
読んでいる最中ずっと心がザワザワします。
初めの時も今回もそれは変わらずなのだけど、ザワザワしながらもつい読み進めてしまう。
先に町田康さんと穂村弘さんの解説を拝読しましたが、私にはやっぱりこの物語の素晴らしさは分からない。
嫌いなわけではない、でも好きにもなれない。



あみ子にも周りの人たちにも全く共感ができない、共感したいとも思えない。
読書会仲間さんがある作品を読み、八つ当たりされているような感覚になったと仰っていたことがありました。
私はこの作品で読書会仲間さんと同じ感覚になりました。
八つ当たりをしっかり受け止めてあげる器の余裕が私にはもうあまりない。




なぜ分からないことを知ろうとしないのか。
あみ子も家族も、自分の中で解決できないことを誰かに聞くという選択はできなかったのだろうか。
あみ子だけはそこに気づいて知ろうとしたけれど。




ただ自分がもし当事者だったならどうなのでしょうか。
あみ子に振り回される側の人間だったら。
自分で解決できることではないのに解決しようとして疲弊して、臭いものには蓋をしてなにもなかったことにしてしまわないだろうか。あみ子の家族のように。
そして自分がもしあみ子だったらどうなのだろう。
自分のせいで家族が崩壊していっているのを薄々感じているようで、でも何がいけないのかわからなくて。
どちらにしても苦しいですね。



こんな時、客観的に見てアドバイスをしてくれる人がもしいたなら状況は少し変わるのではないかと思います。
あみ子の同級生の坊主頭のように。
坊主頭はちょこちょこあみ子に対して言うべきことを言ってくれます。
あみ子も理解できることが少ないなりに、分からないことは聞いている。
坊主頭のような存在があみ子の家族にもいたら、家族が崩壊するようなことはなかったのではないかと悔しくなります。
最後に涙が滲んだのは悔し涙です。



なんとも言えぬもどかしさだけが残る物語でした。
この物語から何を伝えたいのか私には理解できないけれど、今頭の中でぐるぐるしている言葉は

無知は罪





さて…
今村夏子さんの描くものが好きか嫌いか、この物語だけで判断するのは少し危険な気がします。
もう1冊図書館に予約している今村夏子作品があるので、そちらが手元に届くのを楽しみにするとします。




しかしなんだなぁ、八つ当たり系文学は最近の流行りなのかな…
今村夏子さんの次の作品に行く前にちょっと心を鎮めたい。











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