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謎にモテる男の有り様

私の母。

一緒に暮らすには、なかなか大変な部類に入ると思うのです(笑)。

母の実母(祖母)は、母が小学校2年生の頃から一緒に暮らし始めたのですが…。

とても、手を焼いていた模様。

まあ、一旦は母を捨ててしまったのですから、上手く行く訳もないのですが…。

誰からも守ってもらわずに幼少期を過ごした母は、幼くして強烈な自我を確立。

実母を見て思いました。

「こんなアホな考えでおるから、不幸から抜け出せへんのやわ!」

そして、実母に説教。

「しょうもない男(祖父)にしがみついとらんと、サッサと別れんかー!」

小学校低学年生とも思えない、可愛げのない母に嫌悪感を覚えた祖母。

親子間の対立は、激化します。

ちなみに、祖母は祖父のことが大嫌い。

祖父の酷い仕打ちに耐え続け、死にかけたことも…。

不幸な家庭で育った母を見て、皆が思いました。

「あの娘は、きっとロクな人生を歩まない!」

敏感な母は、その様な空気感を察知。

「けったクソ悪いんじゃ~」

周りの人達の予想に反して、母は大手企業に就職。

受付嬢を経て、副社長秘書になっていました。

元々、人を見る目が厳しかった母ですが、社会人となってから、その傾向は更に強くなります。

そんな母の前に、一見、冴えなさそうな感じの男性が現れます。

この男性、美男子でもなく、おまけに超貧乏。

しかし、何故だか、異様にモテるのです(笑)。

母を見て、この男性は思いました。

「この人には、自分しかおらんと!」

(なんか、厚かましくないかい?)

気性が激しくて気難しい母に、それと知ってアタック。

母が唯一信頼した他人となることに。

「お父さんは、お母さんと上手くやって行けると思ったと!」

訳の分からない自信を見せる父(笑)。

とぼけた様子で、微妙に母を転がす父。

確かに、上手くは行っている…。

これには、母の実母も首を傾げます。

そして、言いました。

「お婿さんに当たった!」

皆、父が駆使する技の正体を、上手く言葉で説明できないのでした(笑)。


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