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SAYONARA卵巣、GOODBYE子宮:卵巣腫瘍ができちゃった(4)「見てしまう」

軽〜い気持ちで受診した婦人科で「悪性の可能性がある腫瘍」「手術必須」という重〜い現実を突きつけられた私。

前述の通り筋金入りのがん家系なので「なんで私が?!」「信じられない…!」といった感情は一切なく、「いつかなるかもとは思っていたけど想定より20年くらい早っ!」が正直な感想。
とはいえ動揺していることに間違いはなく、現実を受け止めるため家に帰ってからも「卵巣腫瘍 悪性」「卵巣腫瘍 10cm越え」「卵巣がん ステージ」「がん 遺伝」etc.片っ端から検索しまくり。ブラウザが一気に不穏なタブで埋め尽くされてゆく。
怖くなって見るのをやめても、他のことが手に付かないので気付くとまた検索しているという、おそらく誰もが通る道。

診察時に先生が残念そうに呟いた「腫瘍に液体部分と充実部分がある」という意味深な言葉の意味についてもすぐに調べがついた。
「おう、悪性の腫瘍の所見の典型的なパターンってことね…」
この時点で私の中で「どうやら卵巣がんになってしまったようだ」という覚悟はできてしまった気がする。
あまりにも悪性っぽさが漂い過ぎていて、悪足掻きをしても無駄だな、受け入れるしかないなという感じ。

そこから大学病院の受診日までの数日間は、各種サイト、Twitter、インスタ、ブログに某巨大掲示板に至るまで、ありとあらゆる情報を漁りに漁り、最悪の場合の心構えと準備すべきことを徹底的に調べ尽くしたのでした。

  • 私のような自覚症状が出ている場合のステージの目安(あくまでも素人判断で勝手に予想しただけ。とりあえず1か2ならラッキーかなくらいの心構えをした)

  • ステージ毎の5年生存率(これは怖くて最初は直視できなかった)

  • 再発率(これも他のがんに比べかなり高くて怖くなった)

  • がん家系の場合のリスク(アンジェリーナジョリーは全然大袈裟じゃなかったんだ…早く言ってよ…!となった。いや、母親からは散々検査しろと言われていたけれど。言う事聞かなくてごめんなさい。)

  • 抗がん剤の副作用(髪が抜けるのは避けられなそうだけれど、卵巣の場合は抗がん剤が効きやすいという情報だけが救い。)

  • 人工肛門になる可能性とその場合の具体的な処置や生活(ずっとじゃなくて、一時的の処置となる場合もあるらしい。オストメイトという言葉を初めて知ったし、そういう方への理解が深まったので知れてよかった)

  • 緩和ケア(必ずしも治療ができなくなった、治療をやめた時にだけ行うものではないと知る)

  • 保険の契約状況(学生時代に親に勧められるまま入ったっきりだったので当時の規約を探すのに一苦労)

  • 職場の手続き(共済などの制度、傷病手当の手続き、有給の残数)

  • ウィッグ(安くて品質の良いウィッグがあることを知り、感激しながら早くもお気に入り登録)

挙げ句の果てに遺影に使う写真選びや無駄なサービスの解約、パスワードの整理までし始めていたけれど、今思えばそういう作業に事務的に没頭することで無理矢理にでも「現実を受け入れたんだ」と自分に思わせようとしていたのかも知れない。どこかで「なんちゃって!」と思いながら。


上記はあくまでも私の場合の受け入れ方です。情報やその解釈もあくまでも個人的なものです。人によっては情報を見すぎると不安で押しつぶされてしまったりもすると思うので、自分に合った方法で少しずつ受け入れていくしかないのかなと思います。
そして受け入れた(つもりになった)後でも、私のように検査結果で覆ることもあるので、本当に人それぞれだなということで、一例としてこうして記録を残しています。

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