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4回目の27日によせて

今日は大学時代の友人の4回忌だ。そんなことを思いながらヘッダーのイラストを描き終えたら、翌日夢を見た。(ヘッダーの左側にいる男性がわたしの友人だ。わりかし似ていると思う)

夢には大学時代、学科内でわりと仲良くしていた2人の友人が出てきた。
わたしと、亡くなった彼と、夢に出てきた2人は実験や実習が同じグループで、授業を通して仲良くなった。4人ともキャラクターや性格がまったく違い、授業で一緒にならなければ互いに仲良くならないようなタイプだったが、絶妙なバランスの友情が保たれており、4人でよくご飯を食べに行ったりもした。(こうして仲良くなれたのは、グループの中で唯一の男子であった兄貴肌で寛大な彼のおかげだと思う)

この2人は彼が亡くなっていることを知らない。わたしが知らせていないからだ。

彼が亡くなってから数ヶ月か数年が経った頃、「また4人で集まって遊ぼうよ」と4人のグループにLINEが来た。夢に出てきた2人のうちの1人がメッセージをくれたのだ。
でもわたしは返信しなかった。メッセージをくれた友人は、控えめに言ってかなり世間知らずな箱入り娘だった。彼が自分から命を絶ったと知ったときの友人の反応を考えると、言いたくなかった。また、この事実は自分の胸の中にだけ秘めておきたいという想いもあった。

というのも、結局のところ、この4人の中で一番友人関係が続いていたのは、わたしと彼だけだったからである。大学を卒業後、4人で会っていたのが3人で会うようになり、ついにはわたしと彼がサシで飲みに行くようになった。だから、わたしが彼に感じていた友愛の情は2人以上に大きかったかもしれない。

夢の中で会った2人の友人は、大学時代顔を突き合わせていたときと変わらぬ表情であった。「久しぶり」とわたしに微笑む。次の瞬間、2人の口から彼の名前が出るのではないかとわたしは体を強張らせ、どのような返事を返そうと必死に頭を働かせていた。けれど2人の口から彼の名前が出ることはなかった。

もしかしたら、彼はこの2人の友人にも会いたがっているのだろうか。彼の死を、2人にも知らせて欲しかったのだろうか。けれど、仮に今このタイミングで2人にこの事実を伝えたとして、何か良い結果を生むことになるだろうか。いくら考えても答えが出ない。
夢の中で姿を現さなかったものの、そこに彼の気配はあった。どうせ夢に出てくるのなら、そこんとこ、どうして欲しいのか教えてくれればよかったのにね。


世間は4年前、君が生きていた世界とは様変わりしており、人々の顔にはいつもマスクがあり、極力接触を避けるように注意喚起がされ、今君が生きていたとして、一緒に飲みに行ったりはできなかったんだろうなと思う。しかし、毎年君に話したいことが増えていく。わたしはいまだに、君との思い出を固いスルメイカを噛み続けるように味わっている。最後の年、わたしのバンドのツアーのドライバーを引き受けてくれて、一緒に思い出が作れてよかったなぁと改めて思ったりもした。渡せなかったバンドTシャツ(XLサイズ)は今もわたしが持ってるからいつか着ろよ。
それにしても4年と言うのはアッと言う間だなぁ。わたしはいつまでも君が大好きだなぁ。

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※少し前に見た夢に出てきた友人。
大学の授業を一緒に受けている様子だった。実験のときなどはこうして隣同士で座ったりする。わたしの無駄話にふふんと笑いながら付き合ってくれる。

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