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HBのシャー芯

たとえば仕事中に紙にメモを取るとき、わたしはいつもボールペンを使う。たまに気まぐれで、シャーペンや万年筆を使ってみることもあるけど、ほとんどの場合はボールペンだ。
そんな風に日々ボールペンで物を書いて過ごしていたわけだけど、バンド活動の中で自分のパートの譜面を書き起こしたり、それを直したり、また仕事の都合上インプットすべき情報をノートにまとめたり…といった場面が増えたので、最近になって、手直しがきくシャーペンで物書きをするようになった。

久しぶりにシャーペンを使うと、その使い心地に色々と思うところがあり、ちょうどその頃閉店セールをしていた文房具屋でチタン製の”ちょっと良いシャーペン”を購入。さらに生まれてはじめて「シャー芯が柔らかすぎて困る」という問題が起きたので、これまでBの硬さを使っていたところ、HBのシャー芯を新たに購入した。
シャーペンを一番よく使っていたのは中高大学生の頃だろう。あの時は、なぜか無条件に「B」の硬さのシャー芯が良いものだと思っていた。周りもみんな「B」を使っていた。けれど今使ってみると、擦れによって紙が汚れてしまったり、芯が柔らかいが故に細かな書き込みができなかったりと、何かと不便である。
それが「HB」を使ってみると、まあなんとストレスフリーなことか。自分の筆圧に合った硬さは「HB」だったのである。(いや、HBの先にある硬さ「F」でもいいのかもしれない。そして「F」という硬さが存在することを、わたしは今回初めて知った)

やはり、どうしてそういう認識になっていたのか分からないが、わたしはこれまで「HB」のシャー芯を使いづらいものとばかり思っていた。シャーペンを新しく購入したとき、そのシャーペンに入っているシャー芯は大体「HB」だ。この備え付けのシャー芯をわざわざ抜きとり、「B」のものを本体に入れる。そういう作業を繰り返してきた。しかし今なら、備え付けのシャー芯を交換するなんてことは絶対にしないだろう。

こういう”何となく周りにならって同じように使っていたけれど、実はもっと自分に適した選択があった”というようなことって、まだまだありそうだ。
HBのシャー芯が非常に使いやすいというこの発見が、わたしにとって大変な驚きで、かつ大変有意義な発見だったという、そんな話。

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