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ELLEGARDEN THE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR 2023

ELLEGARDENについて書こうと思う。


2018年5月10日。ELLEGARDEN復活の知らせが届いた。
ELLEGARDENと私との出会い等については、私の過去の投稿で詳しく書いているのでそれを参照してもらいたい。本投稿はその後日談である。


復活から5年以上経ったが、未だに私は彼らを観たことがなかった。
それどころか、ここしばらくかはELLEGARDENに対してかなり気持ちが離れていた。
ELLEGARDENが活動休止している最中に、MONOEYESやthe HIATUSといったバンドが結成された。私もそれらのバンドが好きで、彼らのライブに行くためにライブハウスに通った。当時は大学生。関東地方ではあったが地方都市に住んでいたため、最寄りのライブ会場は東京のことが多かった。東京会場までの交通費、チケット代が馬鹿にならなかった。それでも細美武士の音楽が好きだったから何回も通った。彼らの音楽に触れてきた時間というのは、それもあってそこそこ長い。MONOEYES、the HIATUSはともにライブハウス映えするバンドであった。だからELLEGARDENももれなくライブハウスバンドだということは予想ができた。私ももちろん、初めて観る彼らはライブハウスでのライブが良いと思っていた。


しかしながら、どうしてもチケットが当たらなかった。ELLEGARDENはその後もツアーの発表がそこそこあった。しかし、会場はキャパがくそ小さい小規模ライブハウスばかりであった。ELLEGARDENのライブチケット需要と供給が噛み合っていないことは明らか。抽選申し込みをしても落選通知が届くばかりで、その通知が来るたびに彼らへの気持ちが萎れていった。
ライブハウスバンドであることは分かる。それにしてもキャパが小さすぎる。復活から何年経っても観れてない人がチラホラいるのはどういう事なのか?という不満が日に日に募った。いくら彼らがライブハウスにこだわりを持っていたとしても、Eleven Fire Clackersのツアーのように、一度ドデカイ会場でワンマンやるべきなんじゃないの?って。これは本心を言えば彼らへの不信感であった。本人たちだってきっと各会場ごとの申込数とか把握しているはずではないか。彼らの活動休止していた10年間にも、私のように彼らの音楽を知って好きになったファンは本当にたくさんいて。そこまでしてライブハウスにこだわっている理由もよくわからなかった。全員笑顔にするって言ってたじゃんって。こんだけ落ちて落胆している人がいるのにも関わらずそのキャパでしかライブしないのは、それはもうバンド側のエゴじゃないですか。

彼らは広い会場でやるにしても対バンイベントかフェスでの公演しかなくて、「ELLEGARDENのライブに行く」という純粋な気持ちだけを抱えてライブに行くことができないものばかりだった。
私個人のわがままである点は否めないが、ELLEGARDENが観たいがために対バンやフェスに行くのは、ほかのアーティストになんとなく失礼である気もして気が乗らなかった。結局は私は一度もそれらに行くことはなかった。
そんなこと彼らは絶対言わないとは思うが、俺らを観たいならフェス来ればいいじゃんって言われてる気がするのも嫌だった。フェスとワンマンは全然違う。

私はELLEGARDENの活動休止前の姿を知らない。
彼らのことは音源から好きになった。音源から知った彼らは非常に不安定で、危なげなように思えた。彼らは刃こぼれを起こしたナイフのようで、いつ根本から折れるか分からないくらいの切迫感を持ち合わせていて。
生への焦燥、己の存在理由、弱さ、葛藤、孤独、希望。人間が生きている中で抱える様々なエモーションを彼らは生々しく奏でていた。

私はそこに惹かれた。彼らに出会ったのは大学生の時で、初めて一人暮らしを始めた時期だ。一人暮らしを始めると一人の時間が増えた。一人でいると、いやでも考えてしまうのは自分自身のこと。大なり小なり色々悩みがあった。ELLEGARDENのその生々しい感性、音楽が心地よかった。深くは書かないが、そんなクソみたいな自分と向き合っていた時期に彼らに出会ったものだから、ELLEGARDENの存在は私のアイデンティティを形作る要素のいくらかになっていることは確かだ。だから、思い入れが強いバンドであることは間違いない。


時は流れ、ELLEGARDENも新譜の告知があった。
6thアルバム「The End of Yesterday」

リリースされるのが嫌だった。私が惹かれたのは、過去のELLEGARDENだった。いつぶっ壊れるか分からないくらいギリギリでやっていた彼らの姿だった。もちろん、私も過去と今の彼らは全く違うことは知っている。私もMONOEYESやthe HIATUSのライブを観ているから。細美武士の音楽が少しずつ変わっていくのをこの目で見てきたから。そして一緒に年を重ねたから。

新譜を出したら、私が求めていたELLEGARDENが地続きでなくなってしまったような気がして堪らなかった。新譜を出すまでは、15年前の彼らの地続きのままであったような気がする。ツアーも旧譜が中心。あの頃のELLEGARDENが復活して、変わらぬ姿でそのまま活動していた。変わったのは年月くらいだった。しかし、実際には年月を重ねる中で彼ら自身の音楽性は確実に変わっていって、過去のELLEGARDENは彼らのやりたい音楽にそぐわなくなっていった。
彼らが新譜を出してしまった瞬間、彼らは昔の「ELLEGARDEN」から、今の「ELLEGARDEN」に上書きされてしまうかのような、そんな寂しさを私はずっと抱えていた。彼らは確実に未来へと歩を進めていて、私に至ってはずっと過去にしがみついているかのようだった。
私を構成するELLEGARDENの要素はあくまで旧譜であって、今の新しい楽曲たちには、私のモラトリアム期の苦々しい時代はなにも乗っかっていなかった。初めて観た彼らの初っ端が新曲からだったら、やっぱり死ぬほど悲しい気がした。

「Lost Songs Tour 2022」というものがあった。新しいELLEGARDENの新しい曲がこれから増えていって、演奏できない曲も出てくるだろうから「Lost Songs」。
いつまでも過去の俺らじゃねえよという彼らからの意思表明。バンドがこれからも続いていくことも示唆しているものだと思う。
是が非でも行きたかった。新譜が出る前に観る最後のチャンスだった。
結果は冒頭で記述した通り、行くことはできなかった。

もういいかなって。
そう思った。
どうでもよくなった。


新作アルバムのリリースがあった。聴くことはなかった。
The End of Yesterday Tour 2023は申し込んでいない。落選の文字しか見てこなかったのも一つだし、上述したような事情もあって全く聴く気にならなかった。

そんな時、新ツアー「Get it Get it Go! SUMMER PARTY 2023」の告知があった。一番近い会場は奇しくもTHE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR 2018の舞台、ZOZO マリンスタジアム。日付もほとんど同じだった。
やっとドデカイところでワンマンをする。これなら当たるかもしれないと思った。これが私にとってのラストチャンスかなくらいには本気で思った。

そして今、私はそのツアーのチケットを持っている。
現段階では特に思うことがない。
どんな気持ちでライブに臨むのかは私も当日にならないと分からない。
しかし、彼らが復活してからずっと抱えていたもやもやするような気持ちに折り合いがつくだろうとは思った。
私がかつて焦がれていたSupernovaから始まるライブにはきっとならない。
きっとならないが、私が手を伸ばしても、また手を伸ばしてもずっと掴めなかったSupernovaをやっと捉えたような気がした。

POSTED Thursday, May 10, 2018 18:00

ただいま

全員笑顔にすっかんな:-)

https://www.takeshihosomi.com/blog/2018/05/post-418.html

ELLEGARDEN復活の際に更新された細美武士のブログである。
復活してから5年である。長かった。
復活ライブだって「選ばれた」人たちがいた。それなのに、私はそれから5年間ずっと「選ばれなかった」人だった。活動しているのにずっと手が届かなかったのは悲しかった。口に出さないだけで思っていた人も多いのではないか。後から彼らを好きになった人たちが、彼らをずっと好きだった人たちを抜かしてどんどん彼らを観た側の人間になっていく様が辛いって。チケットシステムの都合上仕方ないことではあるのだけど。
まあいずれにせよ、5年かけてやっとチケットが手に入った。
私は今までずっと、初めてELLEGARDENのライブに行くまではELLEGARDENは復活していないことなっていて。
だから私はYouTubeにアップされた彼らのライブ音源をまだ一度も観た事がない。何度でも言う。まだ彼らは復活していない。

ELLEGARDENについての諸々の全てはその日に精算するつもりでいる。5年間しかめっ面をしていた私を変えてもらいたい。

Get it Get it Go! SUMMER PARTY 2023
8/17 (Thu) 千葉・ZOZOマリンスタジアム 

私は初めてELLEGARDENを観る。
これは私にとってのELLEGARDEN THE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR 2023だ。




気が向いたらライブ後にでも続編を書きたい。